第二章
「はい、第一小学校のみなさん、おはようございます!」
バスガイドさんの声が聞こえる。でも私は、おかまいなしに前にいる咲希に話しかけた。
「ねえ、咲希〜。本当にその席ねらってたの〜?」
「ちがうって!たまたまだよ、たまたまっ!!」
咲希は、即座に否定した。
「ふーん・・・」
私は納得していない声を出した。
そして、これ以上咲希をからかっても意味ないか・・・と思った私は、バスガイドさんの説明を、おとなしく聞いていた。
「ひまだね」
ふいに、となりにいる夏菜ちゃんが声をかけてきた。
「うん。たしかに」
私は、思っていることを、そのまま口に出した。すると、
「今からレクをやります」
という、レク係の声が聞こえた。
もうバスレクやるのかよ・・・。(さりげないツッコミ)
まあ、ひまだったから、いいんだけどさ。
「今から紙を配るので、ここに言われた絵を描いて・・・・・」
説明が長いので、略します。
1.バスの列の一番前の人にお題を言う。
2.そのお題の絵を、一番前の人が、描く。
3.その一番前の人が、描いた絵を、二番目の人に見せる。
4.二番目の人は、その絵を見て、絵を描く。
5.そうして、二番目の人は、三番目の人へ、三番目の人は、四番目の人へ・・・と見せ、どんどんリレーしていく。
6.最後に、一番後ろの人が、その前の人の絵を見て、答え(お題)を当てる。
・・・私、一番後ろじゃん・・・。
一番後ろ = 答え言う人。
・・・ま、いっか。絵を描くよりかは、ましだし。
そして、私の前の人(つまり、咲希のこと)のところまで、紙がまわってきた。
で、どんな絵なんだ・・・?
描いてあった絵は、動物の絵。耳があって、口が×になっている。そして、にんじんを持っている。しかも、耳が長い。けっこうかわいいヌイグルミっぽい。
・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・ウサギ?ウサギだよね、これ。
私が、自問自答していると、先生が、
「はい、では、答えてもらいましょう!」
と、どこか楽しそうに言う先生。
「じゃあ、藤内から」
そう言われた藤内が、
「う〜ん。これ・・・えっとね・・・ほら、あれだよ。第一小のマーク」
と答えた。
・・・え?第一小のマーク?もしかして、列ごとにお題、ちがうの?
「次、金井」
「運動会!!」
私の横で、元気よく答える金井。
やっぱり。列ごとにお題、ちがうんだ。
「次、三沼」
あ、私の番だ。
「ウサギ・・・?」
ちょっと自信無さげに答えた。
「次、草壁」
「えっと、何これ?花?」
へ〜。夏菜ちゃんの列、花なんだ・・・・・。
でもその直後、レク係の一言によって、私はとんでもないまちがいに、気づくことになった。
「正解は、第一小のマーク、でした。藤内が、正解です」
・・・これって、みんなお題、同じなんじゃん!!!
私は、心の中で、絶叫していた。
そしてその後、私はちょっと悩んだ。
なんで、第一小のマークが、ウサギになるんだ・・・?(ナゾだ・・・)