表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死の獣  作者: 明日香狂香
60/65

南海の攻防戦

「これは日本の生物兵器による、わが国に対しての戦線布告である。」

 真っ先に中国から抗議があった。

「野生生物との接触事故でしょ。」

「住民登録されているということなので、日本人のしわざということになる。」

「東京都の住民というわけで国籍があるわけではないので、日本人とはいえません。」

 事故で片付けた政府との意見が対立する。そうなると、普段は仲の悪いアメリカとロシアも黙っていない。

「国連の調査団の派遣が必要ですな。」

「いや、日本国内に基地のあるアメリカなら領海侵犯にならずに活動できます。」

 こうなると韓国も

「隣国の日本の有事。黙ってみているわけにはいきませんよ。」

 と、いつもの隣のドロドロな関係は微塵もない。


「アメリカこそファースト、一番乗りだ!」

「そうだ、今思いついたんだが、南硫黄島で北方四島について話合うというのはどうだろう。」

「わが国からの漂着物があるというなら、撤去しにいこうじゃないか。」

 どの国もなかなかしたたかだ。しかし、それ以上に国会議員たちは

「日本人を危険な場所にいかせるわけにはいかない。」

「領土問題は解決します。」

「無償で、ゴミを撤去してもらえます。」

 などと、国民に都合よく意訳して回った。


 外国の手を借りてでも手柄がほしい政治家と、借りを作りたくない役人との攻防戦が続く中、水竜のリヴァイアサン。土竜のカメ、火竜のガルダによる竜巻が近づく船を沈めていく。雷獣はイカヅチを落とす。鉄でできている船は雷で炎上することはないが、内部の電子機器はダメージを受けた。

「若干の負傷者はいますが、いまのところ死者は確認されていません。」

 各国とも困惑した。死者が出れば、色々文句のつけようもあるが、竜巻や接触によるいわゆる事故のような状況では無理ができない。

「せめて、公海上であったら。」

「なんで、よりによって日本なんて『決められない国』にいったんだ。」

 日本のことなかれ主義にはばまれ、世界の苦悩はしばらく続くこととなった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ