住民登録
「人工衛星の打ち上げの失敗ということで、島を破壊しよう。」
「火山島だ。火山が噴火したことにしたらどうだ。」
「われわれの文化遺産があるんだ。わが国固有の領土と宣言してはどうか。」
「とにかく行って、取ってきた者勝ちでいいだろう。」
各国の思惑とは別に、人知を超えたテクノロジーで動く土偶にどんな反撃をされるかと考えると、日本としては頭が痛い。国会では、もしもの話しはできないので、打開策も検討できない。
「ちょっと、トイレ。」
首相も、ストレスで腹が痛くなるってもんだ。
「相手が攻撃をしかけてこない以上、こちらからは攻撃できません。」
「威嚇はどうかな。」
「相手の思考が解らない以上、攻撃と取られる可能性があります。」
日本としては、はやく出て行ってもらいたいのだが、よほど気に入ったのか、すっかり住み着いてしまっているようだ。
「東京都としては、南硫黄島にいると信じて、玄武ゲンちゃん、朱雀スウちゃん、白虎ハクコちゃん、青龍セイロンちゃんの住民登録をしました。」
防衛するわけでもない都は、ちゃっかり名前を公募し、知事選を睨んだ人気とりに走る。おもしろくないのは大阪だ。
「あっちが住民なら、こっちはぬいぐるみや。」
とにかく、人気よりも金儲け。商標登録しようとするやからもいたが、動物なので却下となった。観光船も近くを通る航路を申請してくるが、党首自ら嘘を嘘と思わない現政権下だ。
「火山活動が活発化しているため、認められません。」
とか、
「付近では巨大地震の確率が90%と予想されます。」
などと、嘘でもいいから近づけないようにしている。
しかし、そんなのんきな状況も一変するような計画が密かにすすんでいることを、日本人はまだ知らなかった。




