ザ・漫才
訓練船のいいところは、ここでの内容は許可なく他言できないことにある。かれらは、沖合から島の様子を観察し始めた。一般的な訓練をしていたので、船には民間人や学生など多様な人々が乗っている。
「あの巨大生物は、恐竜の生き残りですかね?」「だとしたら、やっかいだな。ここは、本土から遠いし、国境に近い。警備は困難だな。」
「上陸もできるところがない急な山場だ。観光にも使えそうにないな。」
一般的な訓練をしていたので、船には民間人や学生など多様な人々が乗っていた。
海王丸からの報告によって、四獣と土偶が南硫黄島に上陸していることが伝えられた。政府は対応に苦慮した。
「土偶は遺失物なのか漂着物なのか。」
遺失物なら中国に返さねばならないが、漂着物となれば話は別だ。さらに問題は野生生物である獣たちは、追い出すことも捕まえることもできない。
「うちのカメが見つかったそうですね。」
ロシアから連絡が来る。機密事項のはずがこうもあっさり漏れるのか?中国からも打診がくる。
「兵馬俑を返却しないなら、日本製品は買いません。当面部品は買いますよ。南北朝鮮にもよく言って聞かせます。」
当面ということは、真似ができたら買わないということだ。
他の国に渡るくらいなら殺してしまえとばかりに、世界中のミサイルが島を狙っている。南海の無人島だ。核だって撃ってくるかもしれない。
世界中から潜水艦が侵入してくるが、日本としては阻止するてだてがない。中国や韓国はしらばっくれて島に近づいてくる。
「とにかくだれも近付けるな!」
政府は、どっちに転んでも損なので、いない、しらないと言い張るしかなかった。
人の口に戸は立てられない。噂というのは、どこからか湧いてくるものだ。
「確認できてないものは、真実とはいいがたいです。」
「南硫黄島に何かいるという噂があるんですが?」
「噂でしょ?真実ではないですね。」
「政府としては確認しないんですか?」
「環境省からは、何もないから無駄だと聞いてます。」
「何もないというのは事実なんですか?」
「そこは、我々の判断することではない。聞いたということが事実です。」
官房長官と記者たちの漫才は続いた。




