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死の獣  作者: 明日香狂香
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日当問題

 自衛隊は、御所と国会とキトラに配備された。キトラは四獣の壁画が見つかった場所だ。なにか関係があるかもしれないという学者達の意見に従ったものだった。


 埴輪は東へと進み食い倒れの街大阪でその歩みを止めた。

「腹でも減ったのかいな?」

「もともと空洞やさかいな。そりゃ空腹やで。」

「きっと仲間に会いにきたんじゃ。遊園地におるじゃろ。『チビよん』とかいったかな、埴輪みたいなやつ。」

 雷獣も木曽から琵琶湖へと目撃情報が移っていた。カメは北海道を横断し、日本海へと姿を消した。そのころガルダは火の国熊本にいた。彼は寒がりなのだろう。桜前線とともに移動していた。リヴァイアサンは東京湾の海溝に潜って以来、目撃したものはいなかった。


「兵馬俑は生物ではないため、攻撃してもよいとの閣議決定がでました。」

 キトラに展開していた自衛隊が大阪を目指す。緊急事態ということで関西空港はアメリカ空軍エアーホースに占領された。名目は自衛隊の援護でとなっていたが、実際は自国民の避難のための飛行機がひっきりなしに飛び回っている。

 しかし、そこに中国が待ったをかけてきた。

「兵馬俑はわが国の宝である。傷つけることはわが国への敵対行為とみなす。」


 なんとか意思疎通できないかと試みるが、名乗りを上げる連中はどれもうさんくさく、まったく役に立たなかった。それらは全て政府のパフォーマンスだった。とにかくやってますよというアピールが必要なのだ。

「やつらの目的地はまだわからんのか?」

 防衛大臣がいらつく。

「大阪と思われますが、まだそれ以上のことは判明しません。」

 自衛官からの報告では要を得なかった。


「今回の任務は、危険手当がつくのか?」

 一向に攻撃してこない相手に、隊員たちにとっては、日当がどうなるかのほうがより深刻だった。

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