アシフト侵攻
アシフトでは王と神官の覇権争いが続いていた。神官は隣国の海洋国家マケロイアと内通していた。彼らのクーデターにより、王はロウムへと亡命。そして、政権を取り戻すための協力を仰いだのだった。
奴隷兵の多かったロウムは陸軍は強かったが、海軍は弱かった。それは、アシフトも同じだったが、マケロイアの海軍が味方するアシフト軍のほうが有利だった。
アシフトの神官たちはハデスを神獣とあがめ、戦いに利用した。それには邪魔なアキを捕らえ、ハデスにアキはロウムに捕まり連れて行かれたと説明した。
彼は親を失った小熊のように怒り狂った。文字通り、彼の獅子奮迅の活躍に、ロウム軍は攻めあぐねていた。
ロウムは、マケロイアに脅威を感じていたキシリエに協力を仰いだ。前回の戦でロウムのに勝利したキシリエにとってロウムが敗戦することは周辺諸国への抑止力として好ましくないことだった。
海の民であるキシリエの参戦により、ロウムの強力な地上部隊がアシフトに上陸してきた。それを見たアシフトの奴隷兵たちは次々と逃げだしていった。
勝敗は決した。
死獣創りは、アシフトで神官たちが始めたものだった。王は神官たちが力をもつことを恐れて、かれらを追放した。神官たちは、当時まだ弱小国であったロウムに逃げ、そこで北のエトリアの進んだ医術を取り入れながら死獣創りを続けた。そのためロウムの神官たちはアシフトで死獣が復活することを何よりも恐れていた。
ハデスはひそかに捕らえられた。ロウムに着けば、再び復活の儀式によって契約のくさりにつながれるだろう。
アキのことを、もはやロウムの兵士たちが覚えているはずもない。幽閉され、アキンドロスと名乗る彼を完全にエトリア人だと信じ開放した。そして、エトリアへと帰すためにロウム軍は彼を連れて行った。
しかし、あの執念深い皇帝だけは、会えば思い出すかもしれない。その前になんとしてもハデスを救わねばならなかった。




