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死の獣  作者: 明日香狂香
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大学

 キリシエは軍事国家であったため、あまり商業が発達していない。このまま、自由貿易がはじまると、百戦錬磨の異国の商人たちに食い物にされるのは目に見えていた。

「教育が必要です。国民には医学、数学、科学といった学問をみにつけさせることが急務です。」

 交渉から帰ったレニホはさっそく改革にのりだした。まずは、学校をつくり、男女を問わず優秀な人材を集めることだ。


 遺跡都市であったカロに学園都市を作り、そこにカロ計柔医学園が創設された。


 ロウムに限らず、周辺の国から講師をあつめる。知識のほかにも剣術をとりいれ体力の向上にも努めた。仮りではあるが市民となったアキも、大学で学ぶことになった。剣術はミックが講師となり、アキは助手として働きながら、学問を学ぶ。ロウム奴隷だった彼が、もっとも必要だったのが国語である。キリシエの言葉とロウムの言葉。この二つをマスターすれば、より重要な職につける。


 獣は、学内の広大な敷地の奥で密かに飼われた。彼もまた人と対等になるために、正しい知識を身につける必要があった。


 しかし、急速な新事業の裏には闇も広がる。講師は一流だったが、放漫経営者により大幅な赤字に悩まされていた。図書館には本が無く、収入は留学生だのみ。将軍の肝いりということで、その親族が経営の中枢に君臨していた。

「このままでは、いかんな。」

 ミックは、密かに内偵をさせるために、ツヨキ、マテイ、シバクの三人を招きいれた。ツヨキは学生として。マテイは算術の講師。シバクは薬学の助手として薬草栽培をさせた。


 三人は、『客』、『番頭』、『でっち』というコードネームで呼ばれた。客は講義内容のレベルが徐々に低下している個とを不信に思った。番頭は当初、若く一流だった講師陣がいつのまにか、格安の三流老人に入れ替わっていることを突き止めた。でっちも高価で貴重な薬草類が、効能がほとんどない格安の代用品にすりかわっていることに気が付いた。

 番頭は客とでっちの報告を公表した。経営者はおいつめられていったものの、コードネームからでは告発者が特定できないため、噂レベルからの進展はなかった。

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