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その男引きこもりにつき…

引きこもりの朝は遅い。

午前十一時頃に起床して、まずスマートフォンを取りソシャゲのログインボーナスをもらいイベント情報を確認。それから俺の活動が始まる。

昨日、イベントの周回で時間が惜しいからシャワーしか浴びてなかったな、朝風呂にでも入ろうと思いベッドから大きな欠伸をしながら起き上がり浴室に向かう。

「あー。極楽、極楽」

やっぱり、この時間に入る風呂は最高だな。浴室の窓に太陽の光が入り空は雲が少なくて気持ちが良くなる、昨日のイベント周回の疲れが取れていく。

浴槽の水面に映る、自分の顔を見つめる。

水面には、髪が肩まで伸びている長髪で肌は透き通るように白い、金髪碧眼の美形な男が映っている。

なんで、俺はこんな顔で生まれてしまったのだろう。こんな顔じゃなく平凡な顔で生きていたらこんな風に引きこもりにならずに普通の学園生活を送れていたのかな。


今から一年前の日を思い出す。

俺は、ある学園に推薦入学した。

その学園は、女子生徒が多額の学費を払って入学して男子生徒は少額で入学できる男尊女卑な特殊な私立の学校、私立如月学園。

そして学園は他の学園にはない制度を導入していた。

Monomahiaモノマヒア』、男子生徒同士で競い合い一位を決める戦いを、トーナメント形式で月に一度行っている。競う内容は容姿対決、頭脳対決、運動対決の中からランダムに決まる。トーナメントで一位になった男子生徒は挑戦者として、学園のトップ『Basileusバシレウス』の称号を持つ生徒に挑戦でき、勝負の内容は挑戦者が決められる。バシレウスに勝つと挑戦者が次のバシレウスになれる。

バシレウスになった男子生徒は、生徒会長よりも上の権力を与えられ学園をある程度なら好きにできる。

でも、女を差別する事を行なっているのに、この学園に入学する女子生徒は後を絶たなかった。なぜなら…

この学園に入学して来る男子は、ほとんどイケメンだったからだ。


如月学園に入学した俺は、好奇心でモノマヒアにエントリーしてしまった。結果はどうなったって?圧勝だったよ。戦った生徒全員が上級生だったけど、苦戦せずに一位になった。

そうして俺は、バシレウスへ挑む挑戦権を得た。その時のバシレウスは三年生の先輩で威圧感があったのを覚えている。

バシレウスと戦う日、俺は同級生や上級生の声援を胸に魅力対決を挑んだ。勝負は女子生徒の投票で決まる。

僅差で俺の勝ちだった。

俺は、入学早々にバシレウスの称号を得た。バシレウスになった俺は天狗になっていた。

今思うと入学の時から、調子に乗っていたのかもしれない。馬鹿だったな、俺。


バシレウスになった三ヶ月後のモノマヒアが行われた日、絶望の底に落とされた。

幼馴染の手によって…


挑戦者と俺は、魅力対決をした。結果は惨敗だった…百五十対四百。負けても何も思わなかったよ、想いを馳せていた幼馴染が相手とキスをしているところを目撃するまでは。

そのとき、俺の心が砕けるのを感じた。そして、俺は学園に行かず引きこもる様になった。

あれから一年か。昔の俺が今の俺を見たらどう思うのかな。感傷的になるな!神崎蓮、今の生活も楽しいじゃないか。浴槽に顔を突っ込み気合を入れる。

髪を乾かし、昼食を食べようと思いリビングに向かう。リビングに着くとテーブルに朝食であったであろうラップで包んでいるスクランブルエッグと置き手紙がある。


学園に行くから朝食はレンジで温めて食べて。PS.夜更かしばかりしないでたまには部屋から出て顔を見せてね


姉さん…ありがとう。

書いてあった通りレンジで加熱して食べる。美味しい…家族の温かさ感じて涙が出てきそうになる。母は、いつも忙しく家にいる事が少なく家事はいつも姉さんが担当している。父は俺が生まれる前に事故で亡くなったらしい。

でも、いつも一人で食べているから寂しい。今日姉さんが帰って来たら一緒にご飯を食べよう。

昼食を食べて部屋に戻ろうと思った時、玄関からチャイムが鳴る。何か通販サイトで頼んだっけ。

玄関のドアを開けてみるとそこには、美少女が立っていた。


最後まで読んでいただきありがとうございます。あと、お疲れ様です。以上!!

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