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××さんと人間さん  作者: 午後の烏龍茶
4/7

⒋彼の受難、彼女の推察

ワカラナイ


人ハ嫌ナ奴デモ死ンデ喜ブ奴ハ少ナイ…


ジャア人間ジャナケレバ?


フヒヒッ、喜ブカモネ…フヒヒヒッ…


人ガ喜バナイト知ラナイ奴ハ?


喜バナイ気持チガ解ラナインジャナイカナ、フヒ、フヒヒヒヒッ…

今日は会社のみんなと葬式に来ている。

あの日、イヴがイヴでなかった日に…課長は死んだ。

突然心臓が止まると、人は急にもがき始めるんだということを知った。

なぜわかるかって?課長は私の眼の前で死んだのだ。

真ん前にいる人間の様子ぐらいわかって当然だ。

あぁ、そうしてこんなことになったのだろう。


僕は人として生まれた。

でも僕は長く生きることはなかった。

ただ暴力を振るわれるだけの道具として扱われた。

僕を人間としてこの世に連れてきた奴らに。

そして道で死にかけの”物”となった時に、僕は××としての使命を受けた。

それからというもの僕は死にたくても死ねない代わりに××の力が使えるようになった。




あれはいつだったか。

イヴは言ってくれた、私を守ると。

いや、もしかしたら言ってなかったかもしれない。

だとしても何か近いことは言っていただろう。

彼にとって”守る”がどこまでのことを言うのかわからない。

もし課長の件がイヴの仕業だったら…彼は私を守ってくれたのだろうか。


あの日、僕の××としての使命を果たすのは3回目だった。

1回目は××になってすぐ、僕を蹴った大人を。

2回目はカベルと出会う直前、僕に銃を向けた学生を。

そして3回目はこの前、カベルをあんな目に合わせた上司を。

あぁ、そうか、誰かのために使うのは初めてだったのか。

だが…他の人のために使うのは、気分がいいな。




なんだろう、これ。

黒い…いわゆるローブというやつか。

こんなのを着てる人は見たことないなぁ。

なんでこんなものがうちに?

私のものじゃないってことは…やはりイヴのものなのだろうか。

でもなんでイヴがこんなものを?


失敗した、カベルに見つかってしまった。

僕が××として使命を果たす時の服を見られてしまった。

だが…まぁ父親の形見だと言っておこう。

きっと怖がられてしまう。

僕が××だと知られたら…また一人ぼっちになってしまう。

××の使命とカベルの元気を取り戻す、僕に与えられた最重要任務だ。




周りからすごく心配される。

なんども言うが目の前で課長が死んだんだ。

でも…なぜあの課長が可哀想と言われるのか。

あんなのいなくてもいいんじゃないのか?

だって…だって…あんな上司だったんだから。

いや、本当は私だって…悲しいんじゃないだろうか。


今日なぜかカベルがあの”目”で帰ってきた。

なんで?彼女の嫌なかちょうは排除したのに。

意味がわからない、僕にまでかちょうが死んだと悲しそうに告げた。

カベルはあいつが嫌だったんじゃないのか?

なんで?どうして?

わからないわからないわからないわからないわかラナイワカラナイワカラナイ

気がつけば僕の頭の中はその言葉でいっぱいだった。
















                                              わかりたくない

前書きが奇妙なことになってしまいましたが彼らの

気持ちが”ぎくしゃく”してきましたねぇ。

本当に彼らにハッピーエンドはないっぽいですね。

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