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××さんと人間さん  作者: 午後の烏龍茶
3/7

⒊彼女の願い、彼の苦悩

彼女は人間さん。


彼は××さん。


この二人に大きな違いはありません。


近い何かもありません。

今日はー ー月ー ー日。

会社見学のイベントが行われる日。

そしてイヴが私の仕事を見に来る日。

イヴに情けない姿は見せられない。

頑張って仕事をしよう。

・・・今日は課長が静かで助かる。


待ちわびた今日という日。

このイベントをどれだけ楽しみにしていたか。

これでカベルの”目”の原因がわかる。

この前は寝言で”かちょう”って言っていた。

おそらくそれが諸悪なのだろう。

××としてなんとかしなくては。




はい、わかりました課長、、、てめぇがやれよ。

すいませんでした、、、なんでお前なんかに。

すぐにやり直します、、、やったんだから目を通せよ。

この世の中は嘘で塗り固められている。

私だってそうだ、最初の頃は。

だが考えてみればそこからかもしれない、心が壊れ始めたのは。


ここが会社…?

すごく大きな建物だ。

ここの、8階がカベルの仕事場らしい。

さて”かちょう”を探そう。

僕にはやることがある。

僕には××の使命がある。




あ、イヴが来てる。

ここでヘマするわけにはいかない。

私だってできるってことをイヴに教えなきゃ。

まずはこの書類片付けて、次はデータ整理かな。

ん、でもあれほんとにイヴ?

なんか…彼であって、彼じゃない?


どうやら”かちょう”というのは偉いらしい。

中でもこの会社の”かちょう”はひどいらしい。

カベルにとっては苦痛だったのだろう。

早急に排除しなければ。

いた、カベルだ。

その近くにいるのが…あいつかな。




またダメ出しを受けた。

あいつは自分では何もできないくせに人のことをバカにする。

要するにダメ上司だ。

自分にできないことを他人に押し付ける。

でもそれができなかったら散々怒る。

全く、イヴにはこんな大人にならないでほしい。


あのことはカベルには内緒にしている。

いつも一緒に暮らしてきたカベルでも言えないことだ。

つまりぼくは彼女を裏切っているのかもしれない。

おかしいことといえばおかしい、居候の身で隠し事など。

殺伐とした路地で捨てられたぼくを拾ってくれた。

すごく奇跡的で不幸の始まりだったのかもしれない。











今日、ー ー月ー ー日の午後1時ごろに

ー ー区のとある会社に勤めている三十代の男性が

急な発作を訴え、死亡しました。

親族によると過去に持病はなかったとのことです。

解剖の結果、目立った外傷はなく急性心不全ということです。

では次のニュースです・・・

挨拶は省略します。


みなさまお気付きでしょうか。

この話の中に隠された暗号があることを。

会社員の男性はなんで死んでしまったんでしょうね。

わかってしまった人は…相当”勘”がいいのですね、、、

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