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五話 うちあわせ
「そこは一時的だけど願いの叶う場所……らしい」
瞬が一三月として集めてきた情報で、確かに俺も同じ空間にいるわけだから、それに近い言葉が全く聞こえてこないわけでもなかった。
率直に言えば胡散臭い。
しかし、能力者もいれば魔法もあるこの世界だから何が起きても不思議ではない。
「能力者のいる学園なのに同じ能力者に騙されんのかよ」
同年齢が集団生活を送るところでもそうでなくても誰かを騙す奴はいくらでもいて……奇跡的にブームみたくなってんのはそいつがよほどうまいことやってんだろう。
「一時的ってどういうことなの」
「それはお前が聞いてきたんだろ」
瞬は考え込む。
俺はこれまで聞いて得た情報を文章にして軽くまとめるが、こんなの報告のうちに入れられねぇし、実際に行かないとならない。
「仮説……になるかはわかんないけど、マッチ売りの少女的な?」
「……一時的に見るってだけならそうなんじゃねぇの」
望んでいる物事を見ることイコール叶うことではねぇだろ。
「死んじゃうけど」
「寿命削られるとかすげぇやだな」
「仮説ね、仮説」
「場所の特定は?」
「それもまかせて」