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二話 みつけかた

 京華学園に通い始めて数日。一三月(にのまえみつき)こと統堂瞬

 気づいたことは生徒のほとんどが色味こそ違えど同じようなストラップを鞄か携帯につけていて、デザインそのものはシンプルでどちらの性別でが持っていても自然と溶け込むようなものだ。

 朝霧が調べてこいと言った謎の団体についての資料に小さく記述があったから、おそらくは信者だという証拠か、関連が無ければただの偶然の流行だろう。

 なんにせよ手っ取り早いとっかかりではあるし、その辺を調べるのは六花よりもボクの方が少し得意だ。

「ソレ、みんなつけてますね。どこで買ったの?」

 転校して間もないけれど、ふと気付いたように隣の席の女子に話し掛ける。彼女はちょうどストラップをつけている携帯を取りだしていた。

「これ?ああ。三月くんは知らないんだっけ」

「はい」

「最近購買で売り始めた願いの叶うお守りだよ」

 最近とはどのくらいの時期からだろう……と思ったけど僕達が転校してくる前とかその辺りか。

「効果のほどは?」

「秘密」

「そうですか」

 会話に区切りがついたところで授業開始のチャイムが鳴り、教師が入ってきて授業とは関係の無い前座みたいな話を始め、それを聞き流しながら考えを巡らせる。

 ゲームとかの世界観の学校の購買ではないくせに、ここでお守りというアイテムそのものが違和感なく売られている時点でおかしい。

 所持しているのを見かけるのは今のところ生徒だけだが、この学園関係者の大人はどうだろう……部活にでも入っていて気さくな顧問にでも話し掛ければたずねることが出来ただろうが、まぁ、深く追求する部分ではない。

 昼食を買いに行くついでにお守りがあるかを見に行って、金額次第では購入してみよう。

 所持して、もし危険なものだった場合でもボクの能力は無効化だからおそらく影響を……受けないってことはどんな効果があるかボクは調べられないってことだから、あとで六花に渡す必要がある。

 窓の外を見ていたら、なんだか眠たくなってきて……。


       *


 気づけば昼休みになっていた。

 うっかり数分眠ってしまったものの、授業を脱線した話をする教師らしかったので聞き逃したという様子も無く、かといって学習に必要な情報もなくて……いいのかそれで。

「さて」

 ポケットに財布があることを確認して、廊下を歩いて購買にむかう。

 出遅れた方らしく、人で賑わっていた。

 それでもなんなくパンを確保してからお守りを探してみると、文房具の脇にひっそりと置いてあった。

 お守り本体に値段のシールが貼られていて、お守りの扱いにしては普通の商品と多分ほぼ平等なのだろうと思えた。

 得体のしれない雰囲気をしているかと思えば、本当に普通のキーホルダーっぽさしかなくて、男女のどちらでも手にしやすいし、ひっそり入手することが出来る。

「……気休めには十分ですね……」

 購入を済ませて廊下を歩いていると、生徒会の腕章をつけた数名とすれ違い、その中の一人とほんの一瞬目が合った。

 瞬のときの知り合いなだけあって、一瞬かと思いきやすこし長く見られていたような……まぁ、いまは関係ありませんけどね……。

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