七話 のどかな工作
仕掛けに沿ってボールが転がる。
感情は無い物なのに、最後まで辿り着くかをずっと見ていたくなって、仕掛けによっては応援してしまう。
こういうものには明確な終わりがあるから良い。
人間はと言えば進むことの出来る道はいくらかあり……たどらないといけない箇所も多く、自分の年齢によってゴールと呼ばれて良いはずの場所は結局のところ通過点でしかなくて、明確な終わり方は自分でも予測がつかないから……おそらくはクレヨンでもチョークでもそう言う筆記用具の類で塗りつぶされているのだろう。
「あれ?失敗か」
ボールが止まってしまった。
最後まで行くと思ったんだけど、パズルつくるときと似たような気持ちで作ったのにうまくいかないもんだな。
「あのー……楽しんでるところ申し訳ないとは思うのだけど、ここ、生徒会室だよ」
時瀬会長が困ったような顔をしながらいつの間にか生徒会室にいた。これまで試作に集中していて気付かなかった。
「ここくらいしか使えそうになくて……あ、ちゃんとかたしますんで!」
「うん。私も片付けるから……だから許してつゆ会長」
二人でそう言ったからか、時瀬会長は長いため息をついたあと、
「……そもそも、仕掛けをもう少し工夫しないと……道具を取ってくるからちょっと待ってて」
どうやら混ざるらしい。
先輩達はこういう生徒会室のつかいかたを止めることもあれば時々混ざってくれることがあって、だいたい面白いことになって結構好きだな。
それにしても先輩達が卒業していったら……進級があって、いや、それ以前にそこまで生きている可能性はどのくらいのものなのだろう。
終わることには終わる…………それこそなにかに塗りつぶされてるな。
「どうしたの」
「あっ、わぁ、ぼーっとしてた……!」
…………というか、知らなきゃ良いことだってあるかー。




