彼の始まりは既に間違っていた②
間宮くんはのんびりなのでまだ学校に行けてません、すいません!
ーーーーー秋も半ばの早朝らしき時間帯、圭人は目を覚ました。
ゆっくり体を起こし、欠伸を噛み殺しながらグッと伸びをひとつし、寝ぼけ眼で辺りを目渡した。
見渡せば、部屋は暗くひっそりとしており、光は多く見受けられない。
どうやら、早く起きてしまったようだと圭人は認識する。
二度寝しようかとも考えるが、一度起きてしまった圭人は中々寝付けないという体質を持っている。
仕方なく、圭人はノロノロとベッドから起き上がり、体に掛けられていた毛布を隅に避けた。
そして、小腹を満たすため、リビングへ足を運ぶのであったーーーーーーー
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◆◇リビング◇◆
リビングへ圭人が降りると、其所には、まだ早いであろうにも関わらず、珍しくパジャマ姿の妹と母の二人の姿があった。
更に珍しいことに、朝早い父の姿もなにやら見受けられなかったために、圭人は少しひっかかりを覚えたが、特に気には止めなかった。
「あら~圭くんおはよ~」
「あぁ、おはよう母さん」
気を取り直した圭人の目線の先で、長い栗色の髪を後ろで纏めていてまだまだ20歳でも通用する容姿を備えた彼女の名は、間宮 果夏、42歳。専業主婦。
この道20年の大ベテランであり、大分過保護気味な圭人の母である。
しょっちゅう圭人の姉だと勘違いされることが悩みの種(?)なんだとか。
そして、その横にいる彼女の名は間宮 一花、16歳。
先月フランスの屋敷からホームステイを終え帰還したばかりの圭人の妹である。
その母親譲りの美しい栗色ロングが特徴な彼女は、成績優秀 容姿端麗で性格もよく気立ても良いため、学校のNo.2マドンナと呼ばれている。
…そんな彼女の欠点があるとすればそれは…………
「や、やぁおはよう一花?」
「…………(プイッ)」
兄、それも実の兄圭人に、
滅茶苦茶愛想が悪いことだろう。
もうとにかく愛想が悪い。
性格も気立ても良いのなら、兄に対しても清楚に振る舞う筈だが?と皆さんお思いだろう。
…しかし、違う。
彼女は、兄が実家に戻ってきたと聞いてから数日後、泣きついてまだここに居てくれ、永住してくれと懇願するステイファミリーの願いを鬼の面相で全て切り捨て、直ぐに帰ってきたのだが、何故か、ものの見事に兄への態度が豹変していたのだ。
何故、豹変したのかは、また後日話すことになるだろうが、今は置いておこう。
取り敢えず、今日も妹にガン無視された兄圭人は、部屋をキョロキョロと見渡し、母に尋ねた。
「なあ母さん。今、何時だ?」
すると、母は片手で洗い物をしながら片手でアイロンをかけるという神業をこなしながら、更に圭人に目を向けてこう答えた。
「…………夜の、 8時よ♪」
と。
「………………………………は?」
その時、圭人は転校初日にも関わらず、今日一日中今の今まで眠っていたことを、初めて知った。
ラブコメ知識浅いので、助言宜しくお願いします