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5.05 ダグラス視点

少しダグラス様視点の裏(?)話的な。。。。。。。。

5.05 ダグラス視点


 ノエルが留学を終えて自国に帰る日が来てしまった。散々エメラルドやドレスなどを贈ったり、エスコートをしながらノエルの気持ちを捕まえようとしていたが、どうやら鈍感なノエルにはアピールが足らなかったようで、結局、こいつにはストレートに迫るべきだったと五年もの月日を後悔しながらノエルが帰国する日を複雑な気持ちで迎えているのだが。


 ノエルに関しては何故が強く出る気にもなれなかったし、アレクとノエルを挟んでちょっとした見せつけ合い何かを楽しみすぎていたのも問題だったようだし、意外に自分が告白する勇気を絞り出せなかったりと弱気な自分にも驚いていた。多分今の恋人未満友人以上の様な緩やかな生ぬるい関係に浸って入たかったのかも知れない。だが、その弱気も今日で終わりにしないと二度とノエルと関われないと決心を固め、ノエルに率直に思いを伝えようと決めた。


 卒業のお祝いに大きな二つの花束とノエルに自国のデビューは俺が絶対にエスコートすると伝える決心をしながら、卒業が終わるのを気をそぞろに待って入た。本当はお前を愛していると伝えるべきなんだろうと思いながらもアレクとフィーデルの前で言うのが気恥ずかしいような気がして、エスコートの申し込みだけで今日は終わらせて、デビューの為にノエルの国へ行った時に正式に結婚の申し込みをしようと、なんともやは俺らしくも無いような消極的な計画を建てている。


 俺が学校を卒業してからは王子としての仕事や兄上や父上の補佐としての外交に度々駆り出されていたのでノエルと過ごす時間は格段に減っていたが、機会の減った逢瀬(とは呼べないが)の時間の中でも確実に俺の存在をノエルに擦り込む事は出来ていたと思う。

それに王子としての仕事や外交を通じて、俺自身の立場をもっと自覚出来たし、それ以上に将来にわたって父上や兄上の補佐としてこの国の発展に役立ちたいという思いは一層強く育ったと思う。


 そんな少し複雑な思いをしながら三人を迎えて、やっと帰国の馬車に乗り込むノエルをエスコートした時にデビューのエスコートの話が出来た。


 まともに話が出来た事に安心してノエルを見送る事が出来たのは自分にしては上出来だったと安心しながらも、しばらく会えない寂しさとこれからノエルのドレスを考える楽しみなど複雑な思いをしながら、フィーデラが心配してくれた言葉を苦笑いしながら受け止めていた。

さてはて、アレクはこれからどうやって動いていくのか楽しみだ。


 そうしてノエルのドレスも決まったので明日には注文をしようと考えていたが、王子としての仕事と相変わらずのノエルに関しての情報を集めながら過ごしていると、タイラーから密偵を通してタナイス国王家に動きが有りノエル様が元々婚約者候補だったが最有力に格上げされている様だとの連絡が入って来た。


 父上と兄上に早急に動く事を認めて頂き、重鎮達にもノエルとの結婚の了承をもらって何事も無く動けそうだと安心して、次の一手を打たなくてはとはやる心を抑えながら、ノエルへと手紙を書き上げアレクにも簡単な説明と援助をして欲しい旨の手紙を出し、一刻も早くタナイス国へと向かう為の準備を始めた。


 迅速に準備も整い父上と兄上の見送りを受けて近衛と優秀な騎士を従えてタナイス国へと急ぐ気持ちを抑えながら馬を駆けた。道中の行程で元々親しかった俺の護衛を務めている6人の近衛達とは別に騎士の中から今回の外交(私用)に付き合わせる24名に加え俺の身の回りの世話係3名を含めた33名と少し多いかと思う人数を引き連れての少し強行な旅程だが、優秀な者達ばかりなので問題も無いようだし、道中に色々と話をして行くうちに面識の少なかった騎士達とも友好が築けた。


「ダグラス殿下、不躾な質問かもしれませんが宜しいでしょうか?」


 今回の遠征で初めて同行する事になった俺より年下の騎士が質問をして来た。


「答えられることなら構わないぞ。」

「実は今回のタナイス国への赴かれるのは外交の為だけでは無いとお聞きしていますが、確かに外交の為だけにしては護衛の人数が少し多い様ですし、何より既に外交官がタナイス国へ出立されておりますよね。他の何か理由が有るのかお聞きしても構いませんでしょうか?」


 少しだけ実情を知っている近衛は別として、騎士には今回の遠征の内容はタナイス国へと向かう俺の護衛としか知らされていない。それで、この質問の内容となった訳だが。本来なら護衛として必要な情報では無い為に知らせていなかったが、この道中の間に気さくに騎士達と話している内に質問しても問題無いような気になったのだろう、経験値の高い騎士は気にしていないようだがやっぱり若い(自分と大して年齢的には変わなりけど)騎士にしてみればなぜ俺がタナイス国へと向かうのが不思議だったのだろう。


「近衛の連中は知っているけど、俺が学園に居る時から好きだった女の子をさらいに行くんだよ。今回、ちょっと緊急の事態に為っているので急いでいる為に少し強行な日程に為っているのはその為だ。」


 おお、と今回同行している騎士たちは大小の声を上げた。流石に今回の班長を務めている騎士だけはニコニコと笑っているだけだったが。


「では結婚のお申し込みに向かわれているわけですね。」


 ああ、とうなずいてみせた俺に全員がおめでとうございます。と声を上げたが、俺はまだ了解をもらっていないのだから、了解をもらってからおめでとうを言ってくれと騎士達を苦笑いしながら止めた。


「ダグラス殿下のお心を射止めたその幸運なご令嬢のお名前をお聞きしても宜しいでしょうか?」

「ああ、ノエル。ノエル・フィッツジェラルド嬢だ。タナイス国侯爵令嬢だよ。そして、フィーデラの親友だ。学園が休みの時はフィーデラが城へ呼び出したりしていたから、顔を見た事が有る者も居るかも知れないな。」


 そう言った俺の言葉に何人かの騎士が、もしかしたらあの娘の事かと思って入たようで、そのノエルの顔を思い出した何人かの騎士は少し複雑そうな顔をしているのを見て俺はノエルの学園に居る時の容貌を思い出し、ははん、こいつらノエルが地味すぎて俺にはふさわしく無いような気がしているな。と見当がついた。


「ノエルは学園に居る時はノエル・アヤカと名乗っていて、色々な事情が有って彼女はその身分を隠していたんだが俺とアレクで社交界を連れ回していたんだ。だから、この中にも舞踏会などの護衛で彼女を見かけた者も居るだろうな。」


 そう聞いて又何人かの騎士が、ああ、あの娘か。と心当たりを周辺の者達と話していた。


「あの~、もしかしなくても王都にあるアヤカ商店とご関係が有るのでしょうか?」

「ああそうだよ、彼女が運営をしているよ。」


 どよめきが少し大きく為ったのを聞いて、アヤカ商会の名前が俺が予想する以上に知られているのをこの時始めて実感した。


「馴れ初めなどをお聞きしたいです。」


 そうして結構率直な質問で根掘り葉掘り聞かれたが機嫌よく質問に答えて居る内にタナイス国へと無事に到着したのだった。


えっと、実はダグラス様強気な割に少し臆病というかヘタレというか、そんな感じになっちゃいましたが、なんせ5年も有ったのに進展しなかったのか!?との作者自身の思いも有ったので少しだけその辺書いてみました。


それから、実は騎士達との道中のお話を少しだけ書きたかったので。


では、又少しづつでも書いておりますので次の更新をお待ちくださいませ(o*。_。)o

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