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2.05 ダグラス側

2.05 ダグラス側


 フィーデラのクラスメイトで仲良く為った友達だと昼休み紹介されたノエルといる。彼女は小さくて、13歳なのにこの国へ留学に来るという前代未聞の最年少記録を更新した。普通は国外への留学は15歳からと為っているし、女性で国外への留学と為るとこの国でも事例が少ない。女性の地位の向上は進んではいるが、まだまだ女性は家に居るべきだとか、女性は商売や政治に口を出すべきでは無いとかという後進的な保守派がまだまだ大半を占めている国が多いし、この国が進んでいるからと言ってもそう言った保守的な者が消えたわけでも無い。そんな中での彼女の留学の申請自体学園に波紋をもたらせた、と聞いている。


 初めてノエルに会った時の俺が知っていた彼女の情報などその程度だった。


「ダグラスお兄様、彼女が今度留学して来られて私のクラスメイトと為りましたノエル様です。とってもセンスの良い方で私の髪飾りなどを選んで下さったんですよ。」


 そう言って妹のフィーデラは俺にノエルを紹介してくれた。


「始めまして、ダグラス殿下。タナイス国から留学してまいりましたノエルと申します。フィーデラ様と同じクラスに為り仲良くして下さっております。今後ともよろしくお願い致します。」


 そう挨拶して見事なカーテーシーをしているノエルの最初の印象は小さい女の子だな、だった訳だが、その感想も時々妹と共に昼休みなどで一緒に食事を取ったり、休みの時に中庭などで会い話している内に彼女への印象は変わって行った。


 ノエルは明確な論理を以て話をする時が時々あった。特に経済や政治論理など普通の子女が興味を持つ事は殆ど無いような内容に目を輝かせている、とても面白い女の子っていう印象に変わった。平民のはずなのに何気ないしぐさに品が有る、幾ら大商家の娘と言ってもこういったしぐさが自然に身に付いている様が見て取れるなんて。本人は気が付いて入ないようだが、ふとしぐさに上流階級のしぐさが混じる所を見ると彼女は身分を偽っているような気がする。その上とても無邪気な顔を覗かせることも有る、その笑顔がとてつもなく可愛く映る時が有って俺を引き付けて行くのを感じている。


 そうやって、少しづつノエルの色々な面が見えてくる度に彼女に興味を持ち、ノエルをからかって遊んでいる俺が居た。


「なあ、ノエル。お前なんでそんなに経済学に拘っているんだ?商家の娘だから興味が有るのは解るんだが、普通以上に興味があるように思えるんだが。」


 そう、彼女の経済学に掛ける関心は普通じゃ無い。なぜ、あそこまで興味が有るのだろう?俺はそれが知りたかった。


「そうですねぇ。私はこの世界の経済という仕組みにはまだまだ改善の余地が有ると思うんです。だから、現状を知っておくって事はとても大切な事だと思います。何事も基本を知っておかないと、それを改善して発展させる為に必要だと思いますし。」


 そう言ってにっこりと微笑んだノエルが印象的だったが、彼女の発言には驚かされた。誰が経済の仕組みを改善して発展させるって?経済の基本を学ぶ事は大切だ、それは判る。又それを使って自分なりに使いこなす目的がこの学園の基本方針だ。だが、彼女はその基本的な仕組みを改善して発展させるって!?その為に経済の基本を学ぶって着眼点が可笑しい。僅か13歳の女の子が考える項目じゃない。


 ノエルはそういったビックリに溢れた女の子だった。

 そうして興味を以て彼女を見て話しをして居る内に彼女に魅かれて入る自分に気が付いた。そして、彼女の経済学の時間にする質問が余りにも鋭く、経済を担当している教授陣が四苦八苦しているとのうわさが城の方にも届くように為って行き。王室自体が彼女への興味を示しだしたのをベネディクト兄上から知らされた時はそうだろうなぁという感想しか浮かばなかった。


 びっくり箱の様な女の子がどうやって育ったのかが知りたくて、彼女の事を調べ始めた。そうして、彼女のバックグランドを知り、彼女の父親が領地に行った改革にどうやら彼女の兄と彼女が手掛けているらしいという情報や彼女の名前が付いた商家の事など多彩な能力に驚き、ますます彼女に魅かれて行く自分を自覚した。


 そして出会ってから二年の月日の中でノエルや友人たちと共に学園の色々なイベントや休憩中のおしゃべりや学校の休暇中の旅行などを通して俺の中の彼女への恋心を自然と育てていた。


 妹の15歳のデビューに併せて、ノエルにも王家からの招待状を出して欲しいと父上に提案し父上から了承の連絡が有った時はその招待状を持って彼女にアプローチする事を決めたし、その為に俺の瞳の色に近いエメラルドのネックレスを用意した。本当はデビューのドレスとネックレスなどの宝石はデビューする者の持つ髪の色や目の色に合わせて作るのがこの国のルールみたいに為っているのは承知しているが、どうしてもノエルに俺の色を纏わせたい欲求が勝ってしまった。

そうして、王家ご用達の宝石店にエメラルドのネックレスを注文し終わった時にノエルへの招待状が俺の手の中に入った。これを以てノエルにデビューのパートナーを申し込み、彼女と本格的に仲を進める準備を進めていく事を決心するが。それが思う様に行かずにイライラとする日々を送る事に為るとは思わなかった。


ちょっとした小話です

ダグラスの気持ちの移り変わりの補完しないとなぁ

と思って入たので 書いてみました (o*。_。)o

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