学園生活
ノエル(塚本綾香)がエダール国へ留学し、その学園生活の様子です。
すいません(o*。_。)o とっても長いです。。。。。。
12000文字以上です。。。。。。分割しろよと思われるでしょうが、分割できませんでした。
2.
私は留学するに当たり、ちょっと裕福な商家の娘として私が行っている商売での偽名で有るノエル・アヤカを使いこのエダール学園へと編入した。だって、貴族って知られると余計な思惑とかが絡みそうで厄介だったし、貴族特有の交友とかめんどくさかったからでも有る。作法とか貴族独特の交流とか気にしないで良い前世での日本的な気軽な学園生活を送りたかったからでも有る。(これが一番大きな理由だと自分でも思う)父は不満気では有ったが偽名を使う事を了承してくれた。
この学園への他国からの留学生が珍しくはないが、たった13歳の女の子がたった一人で留学してまで来ると言う前例が無かった為、私の編入は注目されていた。普通は留学してくるとしても15歳かららしいしましてや女の子の留学自体の数が少なかったからでも有る、と言うのはずっと後に為ってわかった事だが。取りあえず私の将来の夢を掛けた新しい生活は全寮制で有るこの学園で始まった。さすがに学問が盛んな国の最高学府と言われる学校で有るだけあって興味深い授業が続き大変に充実した学園生活を始める事が出来たのはとても嬉しかった。
私は裕福な商家の娘としてヒラリーとデルタンテ教授と共に3部屋ある寮の部屋に住んで居たのだが、それは結構裕福な階層の部屋というより高位の貴族用の部屋だと思われる部屋で有ったので最初はとても驚いたが、どうやら父が私の為に奮発してくれたようだ。
部屋のドアをくぐると日本での10畳程に見える居間を中心にベットルームへ続く三部屋へのドアが有り、バスルームまで各部屋に備え付けられていた。無駄では無いが必要以上に広い為、通いの掃除夫までおかげで雇う羽目になり無駄な出費が嵩んだが、それは私の商売の利益で十分に賄える額だったので問題は無かった。只、流石にこの国の最高学府だけあり予習や復習は必修で、宿題が多く中々に宮廷作法や教育が進まずデルタンテ教授は不満顔だったが、それなりに毎日の余った時間や週末の休みの時などを都合する中でデルタンテ教授の授業が進められていた。
学園は週に五日間で9時から4時まで授業が有り、二日のお休みが有っての繰り返しだった。まあ、普通に土日の休みって感じ。おかげでその二日の間にデルタンテ教授の授業をみっちりと詰め込まれる訳だが。そのデルタンテ教授自身もこの生活を楽しいと言っている。私が普通に授業を受けている間に、この国の事や自分の本来の研究の事を色々と調べて勉強をしているらしい。って言うかそれがしたいが為に私に付いて来ると言っていた。
そうそうこの世界はファンタジーの世界の様に魔法は無いが身体能力が地球とは段違いであった。その為、授業も普通の数学・国語・歴史・政治学・経済学などの一般的な学問の他に薬学や医学などの専門的な分野、そして騎士として剣術や体術・馬術などの分野など、この学園の授業は多岐に渡っているが、基礎と呼ばれる理数・国文学系以外は選択で自由に選べるシステムに為っている。もちろん私は政治学と経済学を選択しているが、だからと言って全く運動しない訳には行かないので仕方なく舞踏と馬術は取っていた。っていうか!デルタンテ教授に無理やり取らされた訳です!将来必ず必要に為るからって。。。
この学園はこの国のっていうかこの世界の最高学府で有る為、この国の王子や王女も在籍しており他国の貴族も幾人か見かけた。その中で私は同じクラスに居たとても可愛らしいこの国の第二王女で有るフィーデラ様が気さくな方で小物好きな方だった為、私が商売で扱っている小物の話とかで気が合い仲良くなり、いつの間にか気心の知れない身分を超えた友人と為って行った。特に彼女の綺麗な髪色で有る薄い栗色の髪に似あう髪飾りなどを選んであげると、とても喜ばれるし、深い海の色を映した様な緑がかった深い青の瞳を見るたびに、その瞳を映すような色をした小物をプレゼントした。
「フィーデラ様。可愛い髪飾りを見つけましたの。こういった紐状の物好きですか?リボンと違って細い紐で織って有るので少しごつい感じがしますが、色々とパターンが有って面白いんですよ。」
私は自分でミサンガの応用でアイデアを出して作ってもらった見本を持ってきていたので、市場調査を兼ねて、フィーデラ様に5種類のパターンの5種の色違いの物を持って来て机の上に広げて見せた。
「そうねぇ。カジュアルな感じで普段使いにはかわいいと思うわ。それに色々なパターンや色使いが有るのねぇ。これなら私も使ってみたいけど、もう少し幅の広い物も欲しいかなぁ。」
こういったフィーデラ様の忌憚ないコメントを頂くとホントに安心する。
こういった交流を重ねて行くうちにフィーデラ様と親友と呼べる程近しくなったのだが。王族と親友などおこがましいので、私の心の中だけです。
そうやってフィーデラ様と仲良く為ると、自然とフィーデラ様のご兄弟とも接触するように為っていった。フィーデラ様と同じ髪色と鮮やかな緑の瞳を持つ彼女の兄であるこの国の第二王子であるダグラス様もこの学園に居てフィーデラ様を通じて仲良く為って行った。
最初のダグラス様の印象はいかにも王子様だなぁ、だった。背も高く剣を握っておられるせいだろうが筋肉が程よく付いているようだし、立ち振る舞いは流石王族としか言えない程優雅だった。だが、人柄はとても気さくな方でとても砕けた言葉遣いを学園内ではされて入たのでとてもお話がしやすく気兼ねない方だった為、すっかりフィーデラ様と共に仲良くさせて頂いているお陰でダグラス様の笑顔を拝む機会が多いのだが、何時まで経ってもダグラス様の笑顔に慣れない事が小さな悩みで有るのは内緒の話で有る。
学園生活も半年ほど過ぎるとお二人とは友人として気兼ねなくお付き合いの出来る関係に為り、そうしてクラスの中でも少しずつ友人が増えていき、私の商売の方もこちらの特産物の輸入や領地からの物品を売る支店を設け、少しずつ販売航路を拡大していく事に成功し、この学園での将来に向けてのネットワークの構築も少しずつ進み足場を固めて行くことも忘れなかったおかげで、何とかこの国で商売を広げる目途が立ち始めた頃、私の15歳の誕生日を迎えた。
留学してきてからこの二年の間ですっかりこの国の王女様、王子様と仲良くなり、度々王宮へ招待されたりしている内に、他の王族の方々とも馴染んで来て居た。相変わらずダグラス様の笑顔には耐性が出来て無いが。。。。。。
このエダール国は15歳に為ると社交界デビューが有るらしく、フィーデラ様も社交界デビューを控え準備に追われていたのを大変だなぁと他人事のように眺めていた私の誕生日である日、のんびりとお茶を飲みながら両親や兄弟からの誕生日プレゼントや手紙を開いている私の元へ何かの招待状を持ったダグラス王子が私の部屋へ訪ねて来た。
「ノエル、15歳のお誕生日おめでとう。で、お前もフィーデラと一緒に社交界デビューしろ。」
「ありがとうございますダグラス様。ですが、あの~、私は平民なんですが。。。。。。」
そうよ、何でそのうっとうし物から逃げて来た先でそのうっとおうしい事をしなくちゃ行けなんだ。大体、15歳でデビューって早すぎると思うし。だから絶対にパスだわ。庶民で通そうっと。
「お前の学力と経済への専門知識やらお前の連れている教授の事を見て入ればお前の事解るんだけどなぁ。で、調べたよお前の事を、ノエル・フィッツジェラルド嬢。」
「うへぇ。」
私の事を調べるなよ~、この王子様は!と少し怒りに籠った目をダグラス様に向けてしまった。
「まあ、気が付く奴は居ないと思うがね。お前の普段の言動は全くの庶民の言葉遣いだしな。だけど、お前の所作を見てれば解るんだよ、結構言動に似合わず上品だしな。バレたく無かったら、もう少し普段から気を付けろよ。」
「へぇーい。」
「お前、王子に対してその返事はないだろう。」
あ、ダグラス様っていつまでも私とのこの手の会話慣れて無いなぁ。又呆れているや。これが私の地なんだけどねぇ。
「この学園では身分なんて関係ないはずですが?」
「その通りだけどさ、少しは俺を敬えよ。お前より二つ年上なんだしな。」
あらあら、今度は少しすねるんですか?ほんとにダグラス様って素直に感情表現されるかわいい方だなぁ。私みたいに前世を含めて44歳に為るおばさんにはまぶしすぎるわ。
「で、私の身分がばれた位で何でデビューしなくてはいけないのか知りたいのですが?
私はそういう事したく無いんですけど。そもそもその為に平民でこの学園に入学したのに。
って言うかダニエル様、フィーデラ様お二人といるだけでも目立ったしょうがないからこれ以上目立ちたくないですし。。。。。。
大体、この国には勉強しに来たんで有って、他の事はどうでも良いんですけど。。。。。」
「お前がこの国に留学して来た理由って、母国の王子妃候補だから逃げて来たんだろ。」
「べ、別にそういう訳では。。。。。」
うわ~、そこまでお見通しですか、って言うかそこまでの情報を持って入るんですね。さすが人心把握の教育を受け情報を集める大切さを理解して利用している大国の王子さまってとこか。
「それにお前、この学園に居る学生は全員デビューしなくては為らない事忘れているだろう。」
「ええ~、そんな事聞いてませんが。。。。。」
プイと横を向いてしまった。
「そうだろうと思ったよ、まあ強制では無いから殆どの場合は貴族階級だけなんだけどな。」
「じゃあ私は平民なんでパスって事で。」
「処がそうは出来ないんだよなぁ。お前はこの学園で有っても優秀すぎるんだよ。その報告が上に上がっている。ほら、お前への正式な王室からの招待状だ。」
「冗談でしょう?お断りします。」
「拒否権は無い。」
「ドレスを作るだけのお金が有りません。」
「ウソつくな。お前の実家の財政状況は凄まじく良好じゃ無いか。」
嘘じゃないんだけどなぁ。この国で自由に為るお金は私の私財だけだし。大体平民として入学してるんだから大したドレスとか必要無いって判断を両親はしてるし、生活費と学費は父が出してくれてるけどねぇ。大体母国から逃げて来たのも、王子妃候補とかとかめんどくさいからで有って、社交界に興味が無いとは言えないんだけど、所詮私の興味は経済と商売の為の人脈構築の為の興味なだけだからなぁ。困ったなぁ。なんだって、15歳でデビューしなくちゃ行けないんだろう。めんどくさいなぁ。
「よし!じゃあお前のドレスから一式全部俺からお前への誕生日プレゼントとして用意してやるから絶対に舞踏会に出るんだぞ。解ったな。」
「強権反対~。」
「強権じゃない、必要だからだ。お前が王家の招待を拒否することは出来ないからな。」
そうダグラス様は言い私の手の中に舞踏会への招待状を私に無理やり押し付けて私に意味深な笑顔を残してその場を立ち去り、私は呆然としたまま無理やりフィーデラ王女と同じ舞踏会で社交界デビューする事に為ってしまったのだった。その上、私のエスコートには何故かダグラス様が務める事に為ったようだし。
確かに私はこの国に親族が居ないし、デビューは家族/親族・友人のエスコートと成るんだから、友人として誰かにエスコートしてもらわなくては行けないんだけど。
「何故ダグラス様???」
って質問してみたら。
「ドレスを送るのだから俺の特権だ。」
と、もっともらしい事を言われて、私は黙るしか無く為りましたとさ。フッ。
私にはもう一つ早急に手を打たなくてはいけない事が有った。私の事を探り当てたダグラス様の口を塞がなくてはいけない事だ。既にフィーデル様にはバラしてくれたらしいので、二人にはこれ以上私の事を他の人にばらさない事をしつこい程に念を押して置いた。ダグラス様が面白い事を考え付いたように少し黒い微笑みを口に浮かべながら承知してくれたのが気に掛かってはいたが。。。。。
それだけでは無い、実家にこちらで社交界デビューが決まった事をばらさない様にしなくては行けないので、ヒラリーとデルタンテ教授の口も塞がなくては行けなかった。父親や兄がこの事を知ったら絶対にこっちに駆け付けるのが目に見えるので絶対に防がねば為らなかった。
しかしこれが又思った以上に大変だった。ヒラリーには普段の生活の報告義務が有るしデルタンテ教授は勉強の進み具合の報告義務が有る。だもんで、この二つの報告書の中に今回の事を報告させては為らないという難易度の高い問題を克服するのに、冷や汗を流しながらも少なからずの口止め料と泣き落としを併用し、なだめすかして、なんで隠すのかと不満たらたらなヒラリーと面白い物を見つけたような少し皮肉な笑顔を浮かべるデルタンテ教授の二人をなんとか説得しギリギリ乗り切った。
そんなこんなでバタバタしている時に私のクラスに新たな留学生が入って来た。それは隣国トエリスからの留学生で、とても鋭利で賢そうな一見冷たい印象の男の子だった。
アレクサンダー・デュフェルと言うその男の子は少し長めの銀髪を後ろで束ね、綺麗で鋭い茶色の瞳を持つ男の子だった。トエリス国の宰相の息子で公爵家の跡取りだとクラスの女の子の噂話で知った。実際に見た目通りさえわたり、切れまくった頭脳の持ち主で有る事を一ヶ月も経たない内にクラス中に証明し、経済と数学以外の科目の全ての成績を私は彼に抜かれてしまった。悔しくてアレクサンダー様に突っかかって居る内に何故か気が合うことにお互い気付き、なんとなくフィーデル王女と3人でクラスで居る事が自然と多く為って行った。もちろん、週末にはここにダグラス王子も加わり4人で何かとすることが自然に増えて行ったのだった。
そんなある日、アレク様と二人で寮の近くに有る店へ筆記用具を買いにお出掛けする事に為り二人でのんびりと歩いていた。
「はぁ、メンドクサイ。」
「まだ言ってるのか、ノエルは。」
アレク様は本当に呆れたように小さく溜息を尽きながら私を見て入た。
「だって、本当に嫌なんだもん。アレク様には解って欲しいわ、この気持ち。」
「無理だね、俺だって宰相の息子だから、今度の舞踏会には出るし、義務だと思って要る。めんどくさがるお前の気が知れない。
大体、商家の娘なんだから、こういった社交の場で繋がりを作るのが大事な事解っているだろうに、どうしてノエルはそこまで嫌がるんだ。」
「だって~、私の国ではデビューは18歳だし、商家の娘はデビューとかしなくて良いし。貴族の社交界じゃ無くて、富豪達が開く晩餐会とかに行くんだもん。」
「ああ、そういえばタナイス国のデビューは遅いんだったな。まあ、それに平民と為るとそうなるのか。」
「そそ。だから出たくない~。」
「あきらめろ。王家からの招待状じゃ断ることは出来ないし、ましてやノエルのエスコートはダグラス様が務めるんだろ。それにノエルの為にドレスまで用意したんだから、絶対に無理だよ。」
「解ってるわよ。アレク様の意地悪~。」
そう言ってアレク様にすねて見ても状況が変わる訳でも無いけど、その日のお買い物をぶつくさ文句を言いつつあきれ顔のアレク様と一緒に勉強に必要な買い物を済ませ、翌日はヒラリーと化粧品やらコルセットなどの下着類を用意し、デビューに向けての一応の準備を完了した。
そうやって用意をしている内に舞踏会への日にちが後5日程と為った日に仮縫いをしたドレスが届き、少し合わなかった所の調整も済み舞踏会二日前には完成したドレスが寮に届いた。その他のダグラス様からのプレゼントで有る靴や髪飾りも手元に届いていて、ネックレスだけはプレゼントの中に無かったので手持ちのアメジストのネックレスを用意し全て揃ったのを見て入ると、本当に舞踏会に出なくちゃ行けないんだなぁ、めんどくさいなぁと溜息が洩れて来た。そんな事を思いながらも無情にも時間は過ぎて行き舞踏会当日がやって来た。
その日の夕方から始まる舞踏会だが、私は平民と為っているので早い段階で城に行かなくては行けなかった。それに併せてダグラス様も早めに部屋へと迎えに来てくれる予定なのだが。
それにもっと不安な事なのが、普段の私とかけ離れた容貌である。私は普段は三つ編みで髪を束ねて伊達眼鏡を掛けて顔を隠している。目立ちたく無いからで有るが、王女様やらアレクのおかげで目立っているのは確かだが、これ以上学校以外の人に顔を憶えられるのも何かと不都合な様な気がするので、前髪も長めに伸ばして目を隠していた。だから普段の私は地味っ子なので有る。(フィーデラ様やアレク様と居るから目立ってはいるけど。。。。。。。)
それが、ドレスを着なくてはいけない為、ヒラリーが張り切って長めの前髪は巻かれサイドに流され、ハーフアップに編み込まれたサイドに真珠とダイヤの飾り達が付けられて、伊達眼鏡をはずされ、化粧までした上に、コルセットでギュウギュウにウエストを締め込んだ為、慣れない服装と眼鏡の無い素顔を晒している不安で一杯だった。
その不安一杯の私の横で、ヒラリーはお風呂場で私の体を磨き上げ香油の入ったバスで香りを移し、私の化粧に時間を掛けて納得のする仕上がりだと自慢げに私に話しかけて来ていた。
「お嬢様、完璧です。私の自信作です。」
「うんうん、完璧に化けれたよ、自信を持ちなさい。」
完璧に化けたとか。。。。。それって褒め言葉ですか?教授。。。。。
褒められてるんだか、けなされるんだかと思って入る内に時間と為ったようでドアがノックされた。
そのノックの音に私はビクッと体を震わせた。
ダグラス様が迎えに来た様なので、ヒラリーがドアを開け部屋へと招き入れるとダグラス様が部屋の入って直ぐの所で私を見て立ち止まり少し固まっていた。そんなに似あって無いんだろうかと、少し気落ちしていた所。私が気落ちしたのを見て取ったダグラス様は慌てて私に慰めの言葉を掛けてくれた。
「そのドレスが良く似合っているしかわいいから自信持てよ。今日のお前を見て誰もお前の事をバカにする奴は居ないさ。」
「そうでしょうか?自信ありません。。。。。」
そう言って少しうつむいて入る内に、ダグラス様は私が付けていたティアドロップの型のアメジストのネックレスを外し彼の瞳の色で有る鮮やかなエメラルドの首飾りを私に付けてくれた。
「ちょ、この大きなエメラルドとか高価すぎるし!それにダグラス様の瞳の色って意味深すぎる~。」
首元に飾られた四角く大粒のエメラルドと左右にちりばめられたダイヤが余りにも豪華すぎるんですが~!!
「大丈夫だよ、ゲスな勘ぐりする奴はほっとけば良いさ。それに、お前に似合う色とドレスの色を考えてたらそうなっただけだ。気にするな。」
気にしますが。。。。。ってか普通はデビューのドレスって自分の髪と瞳の色合いを少し刺して飾り付けるのがこの国の普通で有るんですから。。。。。私のドレスは私の髪色のはちみつ色が鮮やかなグラデーションで作られており、胸元と背中が結構大胆に開いていて恥ずかしいし、胸元はほぼ白の総レースで腰から下は裾に行くほど私の髪色に近くなるシフォンを重ねて作られており、裾には金糸で花模様が刺繍が入っていて、花々の中心にはクリスタルガラスをふんだんに使って居る為、黄金で埋め尽くされて入る様なきらびやかさが有るドレスだった。まあこれは私の髪色って感じで良いんですけど、その上ダグラス王子の瞳の色のネックレスって!誰が見ても誤解するって~。完璧な恋人の装いなんですが。。。。。私の目の色の紫にしてもらいたかった。。。。。って言うか私の用意してたネックレス返せ!!
「じゃあ、会場に付いたらアレクにも聞いてみれば良いさ。さあ、時間だ行こう。」
そう言って私の涙目の視線を無視して問答無用で迎えに来てくれた豪華な馬車に強引に押し込まれ、ヒラリーとデルタンテ教授の生暖かい笑顔に見送られながらダグラス様にお城へとエスコートされた。舞踏会の広間では私とダグラス様が入った途端に、ダグラス王子様だわ。エスコートしている少女は誰?と聞こえよがしに聞こえる音量で嫌みを言われながら適当な壁際の場所に立ち他の高位な貴族の方々が揃うのを待っていた。
「もう、だから言ったのに。。。。。目立ちたく無かったのになぁ。」
半分以上あきらめの溜息を尽きながら、恨めしそうにダグラス様を見上げてみても全く懲りた様子も無さそうで。
「今日のお前はかわいいんだから自信をもって、ホラ、習った通りに背筋を伸ばして笑っておけ。そうすれば、誰もお前に文句を言わなくなるさ。」
「余計に文句を集めそうなだけ何ですが。。。。。」
とダグラス様相手に愚痴りながらも、普段からのデルタンテ教授による王太子妃候補としての教育の賜物で何とか姿勢を正し上品な歩みと立ち振る舞いを繕いながら全力でこなし、何とか見れる様にダグラス様目当てで来られる方々へ失礼の無い様には挨拶出来ていた。そうこうしている内にアレク様がこちらに気付きにこやかに近寄って来た。
「へぇ、ダグラス様の見立ては素晴らしいねぇ。そのドレス良く似あってるよノエル。だけど、そのネックレスは頂けないと思うけどねぇ。ダグラス様?この国のマナーでは普通アメジストを選ぶべきでは?」
「ノエルにはこっちの方が似あうからそれで良いんだ。」
「ふぅん。じゃあさ、次の王国主催の舞踏会かパーティは僕にエスコートさせてね。約束だよノエル。」
ダグラス様は周囲の人に聞こえない程度の大きさで舌打ちをしているし、私は慌てていた。
「え!? ちょっと待ってアレク様。」
そう言って、私やダグラス様がアレク様に文句を言う暇もなくアレク様は人ごみの中に消えて行った。私はアレク様を呆然と見送っていたがこの時のダグラス様は少しアレク様をにらんで居たようだったのに気が付く事が無かったが。そうこうしている内に王族の方々の入場が有り、最初のワルツが始まった。
タナイス国のデビュー舞踏会と違いこの国はデビューする子供達とエスコートのペアで一斉に広間の中心で最初のワルツを踊る事に為っている。今回のデビューでは学園からも5人程来ており全部で12名がデビューを飾った。その中心には王様とフィーデラ王女殿下が踊り、その周りで他の11名が踊っていた訳だが。。。。。踊りながら王様が私達に近づいて来て、後で私と一緒に挨拶に来るようにと言われてしまった。面倒な事だと目を寄せていると、ダグラス様に苦笑いされながら、ファーストダンスなんだから笑えと言われてしまったが。
私はワルツは得意だったし、流石に王子様で有るダグラス様のリードは見事だった為、ダグラス様のおみ足を踏む事なく無事に一曲踊り終える事が出来きやっと一息つけた。
ホットして踊り終えた私をダグラス様は飲み物を持って来てくれ、疲れただろうとベランダの方へ導いてくれその気づかいに感謝しながら、実際、これだけの大規模な舞踏会だとは思っても見なかったので戦々恐々としながらのワルツだった為、精神的な疲労が大きかった。
「お前はさすがにワルツがうまいな。日頃の特訓の成果かな?」
「まあ、一応の礼儀作法の一環でダンスは習わされているので。ある程度、どの曲でも大丈夫なんですけどねぇ。ここまで規模の大きな舞踏会では緊張して疲れます。」
「ああ、お前何言ってんだ。これまだ小さい規模の舞踏会だから。」
「へっ!?」
「これは只のデビューの為の舞踏会だから有力な貴族やデビューした親類が居ない地方の貴族は余り来ていない。大規模な舞踏会は新年最初の奴とか父や母の誕生日の舞踏会だ。ザットこれの3倍の規模だと思うぞ。」
「あ、もうこれ以上舞踏会に出席することは無いので大丈夫です。」
「甘いと思うけどねぇ、アレクは次の舞踏会は君と出るって言っていただろう。それに一回俺と一緒にこうやって出席するとお前の元には次から次へと招待状が舞い込むと思うけど?」
「全部お断りしますから大丈夫です。」
「だから、王家や公爵主催の舞踏会やパーティの出席拒否は無理だって。それ位お前は知ってるだろうに。」
「私が居る事はばれて無いので大丈夫です。」
「既に周りがほっとくとは思えないけどな。ま、もう直ぐ一旦休憩に入るから、その時に家族の控室にノエルも一緒に挨拶に行かなくては行けないんだが、父上がお前も来るように言ってただろ。それを見られるんだから、無理だって。自然に皆にバレるからな。ちなみに、誤解しているといけないので言っておくが、挨拶に行くのはアレクも含まれているから。」
そう言って極上の微笑みを浮かべるダグラス様をにらみつけていると、アレク様が傍に依って来た。
「ノエル、次の曲一緒に踊ってくれますか?」
「ええ、アレク様。だけど外交は済んだの?アレク様の大切なお仕事でしょう?」
「一応挨拶が必要と思われる人達には全員挨拶出来たし、後は王族の方々だけだけど、それはノエルと一緒に王族の控室でする事に為っているから大丈夫だよ。だからノエル、踊ろう。」
じゃあ、ノエルを借りるね。とアレク様はダグラス様に断わりを入れると直ぐに私の手を取り、優雅なしぐさで私を広間の中央まで導くとウイナーズワルツが流れて来た。私はワルツよりもこちらの方が躍動感のあるステップなので好きだった為、気持ちよく踊る事が出来た。もちろんアレク様の完璧なリードが有ったからこそなんだけど。二人とも流石の王侯貴族スキル持ちです。。。。。。
「ねえ、ノエル。なんでこんなに完璧に踊れるの?さっきもダグラスと完璧に踊ってたよねぇ?本当にノエルは平民なの?」
「あ、私はちょっとお金持ちの商家の家だもんで、色々と習わされたんだよ。」
「フウン、だけどさノエルのその上品なしぐさとか立ち振る舞いや言葉遣いってどちらかと言えば王族に近い物が有るんだけどねぇ。それに、ドレスに対して全く抵抗が無いよねぇ。さっきからダグラスに付いて入るから挨拶が引っ切り無しだけど、ちゃんと挨拶した人達の名前を知ってるし不思議だよねぇ。平民が幾ら商家の娘だからと言って、そこまで他国である貴族の詳しい家族構成まで完璧に覚える必要が有るのかなぁ?
それに、そのドレスって王族が着るクラスのドレスだよ。まあノエルは解っていないのかも知れないけど。まあダグラスが作ったんだから王族クラスになるのは当たり前か。。。。。それを着こなすノエルが面白いよねぇ。」
ふぇ。。。。。さすがアレク様、頭が切れまくっていらっしゃるし。。。。。もしかしたらアレクにも私の事バレるの直ぐかなぁ。それなら正直に言った方が良いのかなぁ。やっぱり、正直に言うべきだよねぇ。そう悩んでいるうちに曲が終わり、王族が休憩に入って行ったのが見えたので、ダグラス様と合流をした後に正直にアレク様に私の身分とこの国に来た理由、行っている教育の事を話した。
「と言う訳なの、ごめんねアレク様をだましてて。だけど本当に他の人に知られたくないの、今の所この事を知っているのは私に付いて来てくれた二人とダグラス様、フィーデラ様の4人だけなの。だからこの事はアレク様も黙っておいて欲しいの。私、ここでの生活大好きだし。出来ればずっとこのままで居たいの。」
「それは無理だと思うけどねぇ、ノエル。私は黙っておくこと自体全然かまわないよ、だけど今日の君を見た人達がほっとくとは思えないけどねぇ。バレるのは直ぐな様な気がするよ。」
そう言ったアレクはダグラス様と一緒に為って肩を竦めながら大きく頷いていた。
そして、私達はダグラス様にエスコートされて王族の方々の控室へとたどり着いた。私は母国でも王族の方とお会いした事が数えるほどしか無いのに、どうして他国の王族の方々と面会しなくては行けないんだろうかと皮肉に思いながらも、デルタンテ教授の教えを頭の中で復習しながら控室へと足を踏み入れた。
「父上、母上、遅くなって申し訳ございません。私の友人のアレクサンダー・タナトスとノエル・アヤカです。」
私は精一杯の努力で優雅にカーテシーをし、その隣でもアレクが優雅に右手を胸にあて貴族の礼を取っていた。私は緊張で少し足が震えているのを自覚しながらも、なけ無しの勇気をかき集めて平静な振りを精一杯していた。
「顔を上げなさい。」
そう王様に声を掛けて頂いたので、デルタンテ教授の教え通りにゆっくりと三つを数える感じで顔を上げた。
そうして顔を上げた先には優し気な目を向けて入らっしゃる王様と静かに微笑みを浮かべておられる王妃様、その右横にはにっこりと笑っているベネディクト王太子様、左横にはヒラヒラと手を振っているフィーデラ様が目に入った。いつもお会いしている二人が居たので少し気が楽になったが、初めてお会いする国王様、王妃様には緊張が解けなかった。
「アレクサンダー・タナトス、君はとても敏腕だとの噂はこの国にも届いているよ。今後3年にわたってのこの国での学習が君の母国でも役に起つ事を期待しているよ。」
「ありがたきお言葉ありがとうございます、陛下。この弱小な身にて精一杯の努力を惜しむ事無く、留学へと送り出してくれた父母の期待に応えるべく今後の3年間を貴国で過ごさせて頂きます。」
そう澱む事無く口上を述べるアレクに関心の溜息を心の中でついた。私にはそこまでの対応が出来るとは思えないし、この際だから平民で有る事を最大限に生かして、陛下のお言葉に答えようと決心した。
「ノエル・アヤカ。君の事はフィーデラからよく聞いているよ。それに、とても優秀だとの報告が学校からも届いている。今後、母国に帰らずにこの国に留まって欲しいと思って要る位だ。まだ3年考える時間が有るから、ゆっくりと結論を出してくれ。」
「身に余るありがたきお言葉をありがとうございます。直ぐにお返事をお返しできない非才な身をお許し頂き、今後陛下のお言葉をじっくりとご検討させて頂きます。又、引き続きフィーデラ王女殿下、及びダグラス王子殿下との友好もご承知下さいませ。」
「ああ、二人とも今後ともダニエルとフィーデラと仲良くやってくれ。」
そうして短く有意義な王族方々との会見は終わった。王妃様が終始微笑んでおられたのがとても印象に残る穏やかな会見だったと、後に思い出したが。
「じゃあ父上、母上、僕たちは別の控室の方へ行きますね。フィーデラ、お前も来るか?」
「はい、兄様。」
そう言ってダグラス様は満面の笑顔を浮かべて私の横に速足で来たフィーデラ様と一緒に王族の控室を退出した。そしてダグラス様はその部屋の隣にある部屋へと私達を案内し、私達はやっとソファーに座り込み、一息つく事が出来た。
「ねぇ、私の受け答え大丈夫だった?」
「大丈夫だったわよノエル。心配のし過ぎ。って言うかほぼ完璧。ノエルの立ち振る舞い上品過ぎだったから絶対に父様にはバレていると思うなぁノエルの事。だからあの言葉だったような気がするし。」
フィーデラ様は確認するような顔をダグラス様に向けていた。
「まあ、ばれたと思っておいた方が良いよノエル。」
とアレク様まで私に同情するような瞳を向けて小さな溜息を付いて入た。
ダグラス様と言えば、少し困ったような顔をしている割にはその瞳が何かを決心した様な鋭さが表れていた。
まあ、そんなこんなで休憩をはさんで舞踏会に皆で戻って無事に私のデビューを済ませたかな?と思えたから、流石に疲れが出て来ていたのを自覚したので早々に舞踏会を辞してダグラス様にエスコートをして頂き寮の自分の部屋へと帰って行った。
待ち構えていた興味深々な二人の質問をちょこっとずつ答えながら、夜着に着替え疲れて入るから明日ね。とベットの中に沈み込んだ。翌日の休みは再び朝食の時から二人からの質問攻めにうんざりしながらも、これでやっと終わったんだ。と安心していたのだが。。。。。。私の読みは大いに外れてくれた。。。。。
週一回の更新頑張りますので、気長に見守ってください。(o*。_。)o