そら
目がさめるとそこは空だった。
立ち上がって見上げると地上があった。
見渡せば少し離れた空に地上が降ってきている。
私もこうやってこの空に落ちてきたんだ。
なにもない澄みきった青空に砂のように落ちてくる地上。
朝日に照らされてキラキラしている。
少し歩こうと思った。なのに上手く進めない。
落ちてきた地上がサラサラで、足を踏み出そうとすればどんどん沈んでいく。
歩くのは腰まで沈んで諦めた。
ただ眺めていた。空に落ちてくる地上を。
このまま、地上が落ちきったらどうなるのだろう。
今度は空が地上になるのだろうか。
すべてサラサラになった新しい地上で、また1から何かが始まるのだろうか。
私はただ眺める。全身が地上に埋もれるまで。
キレイな空がサラサラの地上になってゆくのを。




