ハナハナ君の像?
数十分後
電車は時刻表通りに駅に到着した。
「フッ…………俺が滑っても世界は回るんだなぁ……」
そりゃ一人でずっこけてたら恥ずかしくもなりますよ。
例え人が居ても恥ずかしいと思う所だが、それはまた別の恥ずかしさだ。
改札を通って駅を出る。
朝早くで人がまばらとはいえ、そこそこ賑やかそうな街だ。
(待ち合わせは駅前にある像、『ハナハナ君の像』だっけ…………)
妙な名前の像を探して周囲を見渡す。
通りすがりの人々の中に、明らかに異質な空気を感じる
(ああ……またか……)
横目で目を凝らして見る
行き交う人々の中に、異質な人々がちらほら混じっている。
俺、鈴木凛太郎の持つ体質。
それは『人で無いものが見える』こと。
そいつらは人の形をしてたり、RPGに出て来そうな半人半異形の奴までいる。
ばーちゃんが同じ体質だったらしいけど、俺は両親と事故に合った後に見えるようになった。
つまり、ばーちゃんは生まれつきで、俺は後天的なものらしい。
ばーちゃん曰く、『あの子達は何もせんかったら、ええ子達ばっかりやけど、あの子達の中にも悪い子はおる。
そういう悪い子は、ばーちゃんの孫の凛ちゃんならすぐ分かるけん、近付いたらアカンよ』
ばーちゃんも若い頃にその体質で色々あったらしい。
自分にしか見えない奴ら。
つまりは『妖怪』とか『霊』てやつだ。
マンガとかだと、そんな体質の子はハブられたり、周囲から独立されたり、異能バトルが始まるぜ!
とかがセオリーだけど、そこの所はばーちゃんの助言のお陰でクリアしているため友達はそこそけいる。
そんな奴らをスルーして『ハナハナ君の像』とやらを探す。
『ハナハナ君の像』って名前からして、ゆるキャラか?
確かに『花山駅』って名前だけど。
ほんわかしたゆるキャラ何だろうなー……。
「ん……?」
ハナハナ君の像を発見した。
どうやら地元民にとっては、ハチ公像のような待ち合わせスポットになってるらしい。
石像の周りに設置されているベンチには、待ち人が何人か座っている。
まだ、待ち合わせ時間前のため、四ッ谷さんはまだ来てない。
それにしても……
俺はハナハナ君の像を凝視する。
『ハナハナ君の像』
名前だけ聞くと可愛い。
しかし、その見た目は……
可愛いとは言い難いハニワに、同じくハニワの顔をした饅頭が二つ乗っかったような石像だった。
(コレの何処に花要素があるんだよ!!あれか?ハニワだから、ハナハナ君か!?)
声に出さないように心の中で思い切りツッコんだ。




