──プロローグ──
初投稿、初作品です!
拙い部分だらけですが、是非読んでいただきたいです!ご指摘・ご感想も頂けると嬉しいです!
誰かが指をパチンと鳴らす音がした。
──その音は世界に響き、染み渡る。
──この音が彼等にもたらす結末を、彼等はまだ知らない。
「そう、僕でさえ…ね」
* * *
「止めろ! 分かった、何でもする! だから命だけは助けてくれ!」
「俺は関係無いだろ! だから見逃してくれ!」
「そ、そうだ! 悪いのは俺じゃない!」
とあるマンションの廃墟、その中で金髪の不良とそのツレの二人が縛られ、泣き喚きながら懇願していた。
コイツらは俺の罠にまんまと嵌まり、今、こうして俺に殺されようとしている。
コイツらのそんな様に、俺は口角を吊り上げニタニタと笑う。
「ははっ、ざまぁねぇなぁ……。中学の頃に散々虐めてくれたお前らが、今はこうして俺に頭下げてんだもんなぁ……。許すわけねぇけど……」
他の人が見れば悪魔にしか見えない形相で、憎悪と殺意の念を体中から放出していた。
そんな俺の表情を見てか、不良共の顔が恐怖で染まり、頭を必死で床に付ける。
コイツらのズボンは、特に股関の部分が濡れていた。死の恐怖で漏らしたのだろう。
「……ッ! あん時は本当悪かった! 先輩達に言われて仕方無くなんだ! 金だって払う、いくらだって殴っていい、だから殺さないでくれ!」
俺はその言葉を聞いた途端、手に持っていたナイフでコンクリートの支柱を叩く。ガキィィーンという音が廃墟内に響き、不良共がビクッと震える。
「先輩達に言われてだァ? じゃあ中3になっても続いてたのは何故だ? あん頃のお前らだって、俺の汚れていく様を眺めて楽しんでただろうが!!」
怒りが爆発した。あの時の風景が目に浮かび、強烈な不快感が俺を襲ったのだ。
──多、対、一で一方的な暴力
──踏みつけられる身体、鞄。
──そして、今は亡き祖母の形見であるお守りも泥まみれでボロボロにされた。
──あの、薄汚れた、まだ新しい記憶──
「もういい…、お前らも殺してやる…」
俺はナイフを突き刺し、ソイツらの身体中をズタボロにしていた。
その間、人気の全く無い廃墟に、断末魔の叫びが響き渡っていた──。
* * *
「最近、物騒な事件が多いなぁ……」
俺は朝のコーヒーを啜りながら、新聞を読み、どこにでもいる普通のお父さんのように呟いた。
東森里高等学校に通っていて、高校一年生の『海藤 響』という名前の俺は成績学年トップの超天才だ。
通っている高校も近所の進学校だが、首席で入学している。
「あー、最近この辺りの地域で起きてる『高校一年生連続惨殺事件』でしょー? 物騒だよねー」
俺の向かい側に座り食パンをかじっているのは、俺の妹で中3の『海藤 響音』だ。我が妹ながら、凄く美少女だと思う。しかし───
「いやー、酷いと思うよ? うん。ナイフでブスーッと刺しまくってるんだもんねー、酷いよー。ホントー」
天然で、頭のネジが少し緩んでいるところがあるのだ。つか、軽過ぎ。
そんな妹の話を聞き流し、俺は話を進める。
「まぁ、ナイフで身体中をめった刺しっつーのは、確かに強い恨みがある犯行だよな…。しかも被害者は多数…、もう4件目だぞ…?」
響音は付け足す。
「しかも、4件も起こしているのに、警察に尻尾すら捕まえさせてないって……。かなり計画された完全犯罪かもね……」
響音の言った通り、犯人はまだ目星すら付けられていない。証拠を完全に消し去っているのだろう。
「完全犯罪か…。ん、俺もう出るわ」
コーヒーを飲み終え、学校に行く準備をする。
「いってらっしゃ~~い」
響音の間延びした声が聞こえる。
響音の通う中学は自宅に近い為、俺より遅く家を出る。
「おう、戸締まりよろしくな」
そう言い残し、玄関の扉を開ける。
照りつける朝の太陽は眩しく、俺は目を細める。
そして、俺は最悪の悲劇への一歩を踏み出したのだった──。
初めて小説を書いてみて、分かり易く文字で表現することの難しさを知りました。
なので、これから少しずつ精進したいです!
読んで下さった方々、ありがとうございます!