『 汚名挽回 』
「流石だねぇ」
ああ、なんでなんだ。
「貴方のお陰で助かったわ」
やめてくれ。
「ありがとう」
頼むから、もう。
「まるで正義の味方だよ」
なんでこう、全てが裏目に出てしまうんだ。
僕はその『正義の味方』を倒すためにやってきたんだぞ。
早く汚名を挽回しないと、ボスに叱られてしまうじゃないか。
「昨日は命を助けていただきありがとうございました。これは心ばかりのお礼の品で……」
「いえいえ、お礼を貰うためにした事ではないですから」
『悪者』への道のりは、遠いかもしれない。