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第1話:陰キャ高校生と、赤目の最強魔術師

はじめまして、ご覧いただきありがとうございます!


新作ゲームを買いに行くはずだった平凡な陰キャ高校生が、

なぜか怪しいコンビニから異世界へ……!?

ポンコツ可愛い(?)王国最強の少女との出会いから始まる、

ちょっと騒がしい異世界ファンタジーです。


テンポよくサクサク読めるお話を目指しています。

どうぞお気軽に楽しんでいってください!

何の変哲もない人生。

青春などといった華やかな色ではない、ただただ静かな高校生活。平凡に生きていきたいという思いがあるのだが…

「今日一緒にカラオケ行こ!」

コイツのせいでその願いをあきらめた。あきらめさせられた。

「あのなあ。人の金借りて平気で返さないで何のんきなこと言ってんだコラ金返せ。」

目の前にいる同級生のせいで、ホントにあきらめた。見た目はよすぎる美人なのだが、

「まーまー後で返すから!」

コイツの性格チョー苦手。なんていうか、俺にはコイツの行動が全く理解できない。まあ、俺みたいな陰キャが、理解することはおそらく不可能だろう。なぜ俺に付きまとってくるのか。少なくとも、好意はあるのだろうが…

「貸した分、もう一万たまったんだが。」

ジロリとにらみながらつぶやく。

だがしかし、コイツ、アホみたいに口開けてボーっとして聞いていない。これほどまれにアホの手本みたいなやつは見たことがない。

「今日は予定があるから、どっか行くのはまた今度にしてくれ。」

そう、今日俺には予定がある。新作ゲームを買いに行かねばならない。

「そう…じゃあまた明日ね!」

軽く手を振って別れた。

少し歩いていると、ふと見知らぬ看板を見つけた。渦巻のような文字(?)が書いてある。見た目はそこらのコンビニと変わらないのだが、なんかちょっと様子がおかしいような気がする。そもそもこんなところにコンビニなんてあったっけ?それに、やけに静かだ。ちょっとガラスをのぞいてみると、中が結構薄暗い。まだ開店してないとか?

でも、工事なんてやってる様子なんてなかったし…

「…中に入ってみるか」

おそるおそる扉のとってをもって扉を開ける。!?

目の前が突然白い光とともに見えなくなった。なんだろう、手足の感覚がない…。まさか俺、死んだのか?

「え?」

突然気がついたと思ったら、目の前には知らない空間が広がっていた。たしか中は薄暗かったような…こんなに明るくなかった気がする…ぞ…。目の前にいる人を見て、俺は凍り付いたかのように固まった。この人、耳の先が長い。それに白髪。もしかして…俺は店内(?)を見わたした。さっきと同じ耳の形の金髪の女性。なにやら人間には見えない人型のトカゲ。頭から角を生やした男。まさかっ…

「異世界転移…かも。」


エピソード1


異世界転移ということは、つまり…このまま美女たちとハーレム生活を送るとか?いや待て、それより俺、もしかして帰れない?帰れないとまずい。だってまだ新作ゲーム買ってないし。あの天才プログラマーが作り上げた大作二号目をプレイできないのは、ゲーマーとして大ダメージ。楽しみだったのになー。ってか冒頭で必死こいて冷静なかっこいい主人公を演じようと思ってたのに台無しじゃないか。まあ帰れなくても、なんとかなればそれでいいのだが。

とりあえず情報収集だ。そこらへんのエルフっぽい人たちにいろいろ聞いてみよう。

「あの、すいませn…」

ダメだ。もともとコミュ力がない陰キャが、そこら辺の人に声をかけるなんてハードルが高い。まともにクラスメイトとしゃべったことなんてないんだぞ。

勇気を出して、商店街っぽいところにかまえている八百屋のおっちゃんに声をかけた。

「あの、ここってどこですかね?」


「ア?」

ちょっとまずい。サングラスをかけているが、睨んでいるかがいやでも分かる。

「ボウズ、俺をなめてんのか?」

非常にまずい状況。これはあれか?ボコされる系か?

「あ、いやぁこの街に来たばっかりなもので、ここがどこなのかが…」

あ、ホントにまずい。さっきよりももっと鋭い目で睨まれている。

「そうかそうか。いいだろう。この俺が教えてやろう。」

ものすごい笑顔と優しい声でいってきた。え?なに?俺生きてる?

「どうした?便所に行きたいのか?」


「あ、いえいえ…ぇ。てっきり怒っているのかと…。」

おっちゃんが言うには、ここはヘトロフ王国という世界最大規模の魔物と人が共存する国の中心都市スランという場所らしい。この国では、狩りや農業が盛んで、世界的に経済発展をしているらしい。ちなみにさっき転移で飛ばされた所はスーパーのようなところだそうだ。それと、おっちゃんは目が悪いらしく、てっきりそこらの悪ガキだと思ったらしい。いや怖えよ。

それにしても、やたらと冒険者のような格好をした人が多い。ギルドのようなものがあるのだろうか。もしあるのなら、行ってみたいものだ。そんなことを考えていた時、

「「「キャーーーーーー」」」

悲鳴。混乱。

何があったんだ?

「てめえ、よくもこの俺様の邪魔をしたな!ぶっ殺すぞ!」

んー。最初のイベントのようなものかな?この屈強そうな男がどうやら騒ぎを起こした諜報人のようだ。俺はその男の前に立ちはだかる。

「なんだ?このガキ。ひねりつぶされに来たのか?」

ほう、これはまさに異世界系で一回はあるやつだ。

ここは俺の秘められた力を発揮すると…き…。そういや俺ってなんか特殊能力とかあるのかな?

「いいだろう。叩き潰してやろう。それで勘弁してやる。」

男は固そうなこぶしを握りながら俺をにらむ。ヤバい。コイツの手からなんか禍々しい感じのがにじみ出てる。殴られたら即死する気がする。あーヤバい。こっち来る。終わった。こういうときになんかいい感じの能力が発動するとかないのか?

「「フレアショット!!」」

少女の声が鳴り響いた。炎の塊のようなものが俺を通り過ぎて目の前の男の地面に爆音とともに直撃した。

「あっちいー!」

なんともかわいそうな男だ。ものすごい勢いで去っていった。あれに当たったら即死だろ。

「大丈夫?ケガはない?」


「え?あ、大丈夫ですアハハ…」

恥ずかしい。助けるつもりがこんな可愛らしい少女に助けられてしまった。穴があったら入りたい。というか、さっきのは魔法だろうか。

「あのー、さっきのは…」


「魔法のことですか?でしたら、場所を変えたほうがよさそうですね」

周りをキョロキョロして、頬をかきながら少女は答えた。

少女につれられたのは、裏路地だった。

「それで、その魔法というので聞きたいこと…が…」

突然少女に杖を突き付けられたと同時に、意識がふらつき、やがて目を閉じた。

目が覚めると、見知らぬ部屋で寝かされている。ここはいったいどこだ?窓から光が漏れ出ていて、空気が澄んでいる。なんだか、ふかふかな感触とともに、右手が生温かいような…って

「ええっ!?」

なぜだか知らないが、さっきの少女が俺の手を握って寝てる。ちょまて、展開が異常にはやい。そしてこの少女可愛い。そういや、なんで寝てるんだっけ?たしか、この少女に連れられ裏路地に行って…それで…。あ。うん。コイツが杖を突き付けてきて、眠くなったんだわ。

「ふあぁぁ…。」


「ふあぁじゃねえよ。ここはどこなんだよ!そしておまえは誰なんだよ!」

のんきにあくびなんかしやがって。

「もおうるさいなぁ。寝起きにそんな大きな声ださないでよぉ」

カチン。今の音は、自分の頭から出たものだ。コイツ、急に人を眠らせて、拉致するとかどういう神経してるんだよ。あたまのネジ外れてんのか。

「なんで俺のことを拉致ったんだ。まさかっ…。俺の体が目てk…」

ドカ。綺麗なストレートパンチが俺の頬に直撃した。

「あのねえ。人のことを痴女みたいな風に言うのやめてくれない?」

こんにゃろお。ジャパニーズジョークが通用しないとか教養がないなあ。まあまだ幼いから仕方ないか。…コイツ今痴女っつった?こんな幼い見た目でえ?コイツ何歳だよ。

「何見てんの変態」

拉致ったやつが何言ってんだ。

「あー…そろそろ手、放してくれない…?」


「あ。」

顔を赤らめながらそそくさと手を放してくれた。ちっとかわいい。

「それで、俺を拉致った理由は何なんだよ?目的は?」

俺の質問を聞いて、コイツはフフンと自信ありげに目をつむって人差し指を立てた。まずい。多分コイツあれだ。

「よくぞ聞いた。我が名はクレア!ヘトロフ王国随一の魔術師である。お前を我の弟子にする!」

中二病だコイツ!

突然弟子に任命された俺であるが、一つ今ので収穫があった。クレアというこのちj((少女は、俺が元の世界にいたときの、俺の姉に似ている。もちろん容姿はだんぜんこっちのほうが上なのだが、キャラが似ている。中二病であり、アホであるということだ。ただのアホなら、拉致ろうとするのも納得がいく。アホなのだから。しかし問題が、なんで拉致る相手が俺なのか。わざわざ男を弟子にする理由なんてあるのか?

「なあ、さっきの弟子にするって話だけど、なんで俺なんだ?」


「へ?」

このクレアというやつ、固まった。

「それに、ヘトロフ王国随一の魔術師が、わざわざ誰かを拉致って弟子にするって、おかしくないか?普通ならいろんな人がお前を求めると思うのだが。」

グサッ。え?今なにかが刺さった音がした気がするんだが。あ、クレアがモノクロになって倒れた。

「お~い生きてるか~?」


「ハ!?」


「起きるのはや!」

元に戻ったクレアは、もじもじして、真剣な表情になって語った。

「昔、イゾルテという者が、魔術を使って、国を三つ滅ぼした。イゾルテが使った魔術は、古代魔術と言って、魔術の基礎となったもの。そのあまりの恐ろしさに、人々は魔術師を恐れた。現在古代魔術というものは封印され、普通の魔術は今では使われているのだが、イゾルテが先祖であるアズール家は、その封印されている古代魔術を使い、イゾルテの野望をかなえるために、今度は世界を滅ぼすと恐れられている」


「じゃあクレアが、そのアズール家のものってこと?」


「いや、私は違いますよ。」

ズコー。なんでそんな話をしたんだよ。

「実は私、この国の英雄と呼ばれるセドリックという名の人と戦って見事勝ち、王国最強の称号を手に入れたのですが…私が魔術師であることと、そのアズール家の特徴的な赤色の瞳であることがあいまって、アズール家のものだと噂されているんですよ」

なるほど、つまりこいつは普通の女の子なのに、似てるからって恐れられているということか。んー…。

「いやお前王国最強だったのかよ!?」


「え?はい。さっき自己紹介した通りです。」

待て待て待て。コイツが王国最強?ただの中二病じゃなくて?ほんとに最強なの?あやしい…。

「何ですかその疑い深い目は。ほんとにわたしは最強なんですよ!」


「んじゃ証拠出してよ」


「証拠?証拠ねえ…」

さすがに性格悪かったかな?

「あ、ごめん…別にないなら…」


「あ!!!」

ビックリしたー。ビビったー。突然大声出さないでほしいものだ。

「そういえばギルドの冒険者カードに刻まれてたかもしれません」


「ギルド?」

ギルドというのは、つまりやっぱり冒険者組合みたいなものか?ちょっと期待。

「冒険者ギルドに行って、確認しに行きましょう!」


「冒険者カードって今持ってないのか?」


「…」

固まった。コレはアレか。

「い、いやーあのーそのー」


「失くしたんだな!」


「はいぃすみませーん」

やっぱりアホだな。


うーん。さっきの宿から歩き出してから、そこまでたってないのだが…。なにやら注目を集めている気がする。

「あのークレアさん?なんか周りの目が恐ろしいものを見る目になってるきがするのですが…」

小声で話しかけたが、返事がない。よくみると、子供のように泣いちゃってる。

「私ぃ、そんなに怖い顔してますかぁ?(泣)」

うん。とてもかわいそうな子だ。そんなやり取りをしている間に、どうやらついたようだ。

「ここが冒険者ギルド…!」

なんというそれっぽさ。めっちゃそれっぽいのに、ういていない。ウハウハしている俺の横で、クレアがため息をついた。

「入りたくない…」

あのー、なんか一人絶望しちゃってる人いるんですけどー。ギルドの大きな扉を開けると、想像通り冒険者たちが真昼間から酒を飲んでる。ギルド内は静かではないが、少し落ち着いている雰囲気だ。――だがしかし、クレアが入った途端、ギルド内の空気が凍り付いた。なんというか、ほとんど動きが固まっている。お、あそこにいるのは前俺を殺し損ねた男じゃないか。なんかちょっと震えているが。ギルドの職員らしき人は、恐ろしいくらいに笑顔で固まっている。

「本日は、どうなされましたでしょか?」

数分経って、やっと動いた。

「あのー、実は冒険者カードを失くしてしまいまして…」


「でしたらこちらの水晶に手をかざしてください。」

おお。ゲームのステータス画面みたいに空中にクレアのステータスが表示された。

「ではこちらのステータスや称号を、印刷させていただきますので、少々お待ちください。」

なんだろうこの心のウキウキは。俺も冒険者になれたりするのだろうか?

「そちらの方は、冒険者登録ですか?」

冒険者登録!やっぱりしてみたい。

「せっかくだから登録したら?」


「じゃあお願いします。」

冒険者登録をする際には、この水晶というやらに手をかざすらしい。これで、その人のレベルやスキル、ステータスなどがわかるそうだ。さっそくかざしてみるとしよう。

「「「ええっ!?」」」

ギルドの職員とクレアの驚きの叫び声が、ギルド内に鳴り響いた。

「知力70、幸運値65、筋力55、ま、魔力…」

なんだなんだ?こんなに驚いて、なにがそんなにヤバいん…だ…。魔力のステータスを見た瞬間、息をのんだ。

「「魔力、測定不可」」

俺のステータスのことは、あれからずいぶんの人に知れ渡ってしまったと思う。まさか、俺がこの世界で与えられた能力って、尋常じゃない魔力量なのか?クレアが言うには、魔力は魔法などを使うときに消費するもので、一日に使える魔力量は人それぞれ決まっているそう。俺が尋常じゃない量の魔力を持っていたおかげで、ギルドはパニック状態だそうだ。

「なあクレア、俺ってそんなにヤバいか?」


「やばいもなにも、魔力が多すぎて信じられません。魔族よりも多い可能性があります…。ちょっと魔力量が多そうな人だったから捕まえただけなのに、まさかこれほどとは…」


「ちょっとまて、捕まえたって、お前反省してねーだろ!」

ヒューヒューしてごまかすとか小学生か。というかほんとにそれぐらいの年なのかもしれないのだが。

「そういえば自己紹介まだだったな」

名前を言うのをすっかり忘れてしまった。

「俺はフジミヤアオイ。よろしくな。」

第1話を最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました!

実は私、小説書くのが初めてなので、至らない点もあると思いますがご了承ください。


さて、満を持して測定したステータスが、まさかの「魔力、測定不可」。

平凡に生きたかったアオイの願いは、初日から見事に打ち砕かれてしまいました。

これから中二病全開の最強美少女クレアに、どう振り回されていくのか……。

そして地球に残してきた、あの「1万円を返さない美人同級生」は一体どうなるのか!?

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