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泥濘の輪舞  作者: 周回
1/1

目覚めは、硝子細工のように。

 処女作です。なるべく定期的に投稿していきます。

 頬を打つのは、湿ったコンクリートの冷たさと、埃の匂いだった。


「……あ、が…………」


 喉の奥から、乾いた掠れ声が漏れる。

 肺に流れ込んできたのは、カビと鉄錆が混じった、ひどく重たい空気。

 ゆっくりと瞼を持ち上げると、そこには崩れかけた天井が広がっていた。剥き出しの鉄筋が、まるで肋骨のように暗がりに突き出している。

 視線を動かすと、割れた窓の向こうに夜空が見えた。

 都会の夜景を無理やり透過させたような、どこか濁った、儚くも不気味な薄紫色の空。


(……ここは、どこだ?)


 身体を起こそうとして、心臓が跳ねた。

 思い出そうとしても、頭の中に霧がかかっている。

 最後の記憶は、母親に弁当を持たされ家を出た時の記憶。そこから先が、思い出せない。


(なんなんだよ……)


 得体の知れない不気味さ。突き刺すような恐怖が背筋を撫でる。早急にここを離れたほうがいい、なにか、よくない気がする。そう感じた。

 剥き出しのコンクリートの床を踏みしめ、立ち上がる。

 恐らく廃ビルか何かだろう。窓から見た景色からするに、ここは三階か二階。まずは階段を探して––––


「手を挙げろ」


 刹那、体が硬直する。

 最初に脳裏をよぎったのは、思いの外、違和感だった。こんなところで、人の声が聞こえるはずがない。こんなところに、人がいるはずがない。

 幻聴か何かだ。


「もう一度言う。手を挙げろ。死にたくなかったらな」

「ひっ……!」


 しかし、僕はすぐに理解する。

 だって、あまりにリアルだ。僕に向けられている銃口の、その重々しさは、あまりに、現実だ。

 気づけば、僕は地面にへたり込み、両手を高く上げていた。


「こちらMDα2。『沼』の無力化に成功」


 僕に銃を向ける男のそんな言葉も、僕の耳には入ってこない。

 違和感に遅れてやってきた『死』への根源的恐怖。それに完全に支配されている。


(なんだよ、これ……)


 古今東西どんな物語でも、日常から非日常への転換は可及的速やかに行われるものだ。それが好ましかろうと、そうで無かろうと、当事者の意識とは関係なしに、物語は進む。

 僕は、変化を望んでいた。日々は退屈だった。故に、不変を享受できることの尊さを忘れていた。それは、あまりに脆いというのに。


「手を上げたまま着いてこい。外に出る」


 そう言って男は歩き始める。大きなゴーグルのようなものをつけていて、顔は見えない。大柄な男だ。

 男に促されるまま、下の階へとすすむ。乾き切った喉から、震える声を出し、尋ねる。


「僕は、これからどうなるんですか……?」

「知らん。だが、お前はもうヒトではない。したがってお前に憲法に証されるような人権は適用されない」

「ヒト、じゃない……?」


 意味不明だ。今こうして声を出して、手を上げて、足を動かしている僕が、ヒトではないなら、一体何だというのだろうか。


「ぼ、僕が何か悪いことをしたのなら謝ります!お金も払います!だから!」

「お前は、悪くない。単なる被害者だ」

「ひ、被害者……?なら––––」

「ただ、運が悪かったんだ。『沼』になってしまった時点で、お前の人生は終わった。諦めろ」

「……は」


 『沼』。僕が『沼』になったとこの人は言った。

 『沼』とは何だ。確かに沼は知っているが、人間の呼称に使われる『沼』など聞いたことがない。

 ……違う、そもそも人間の呼称ではないのだ。彼は僕をヒトではないと言った。つまり僕は『沼』という生命体だと、彼はそう言っていることになる。

 でもそんなのはおかしい。彼は何か勘違いをしているんだ。きっとそうに違いない。僕はヒトだ。二足歩行のできる、言葉を喋れる生物なんて人間だけだ。


(会話にはちゃんと応じてくれる。きっと話せばわかってくれるはずだ……)


「あ、あの、すいませ「おい、誰が腕を下げていいと言った」


 腹部に強烈な衝撃、遅れてやってくる嘔吐感と熱と錯覚するほどの痛み。その全てが、一瞬のことだった。


「がっぁ、はっ!」


 殴られたのだ。腹を。容赦なく。


「っぷ、ぅおぅぇ……!」


 吐き気のままに床に吐瀉物をぶち撒ける。視界は定まらず、痛みに意識が飛びそうになるのを、すんでのところで持ち直す。


(痛い痛い痛い痛い痛い!!)


 今まで感じたことのない、あまりに暴力的な痛みだった。死を覚悟するほどに。


「おい、立て。次は殺さなきゃならん」


 恐怖に突き動かされるまま、力の入らない足で、立ち上がる。息をするたびに、軋むような痛みが走り、苦痛に崩れ落ちそうになる体をどうにか保つ。死にたくない。こんなところで、こんなことで、死にたくない。


「死にたく、ない……」

「大人しくしとけば、今は死なない。今は、な」

「……」


 そもそもどうしてこんなことになった僕はいつも通り家を出て学校に向かうはずだったんだそれがなぜこんな状況になっている意味がわからないわからないことは怖い恐怖とはつまり自己存在の揺らぎつまり自我の否定つまり存在の消失つまり生存本能つまり死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたく死にたくない死にたくな「何よその面、みっともない」……ぁ?


 声が聞こえた。あの男の声ではない。僕の声でもない。別の誰かの声。そしてそれを認識すると同時に、僕は*宙を舞っていた*。


「邪魔だから引っ込んでなさい。……全く、とんだ期待はずれだわ。大物だっていうからわざわざ私がきてあげたって言うのに……」


 地面に叩きつけられ、吹き飛ばされたことを理解する。視界の先には、あの男と、もう1人、少女がいた。血のように赤い髪をもつ少女だ。


「……『緋色の悪魔』か」

「ええ、この前の支部襲撃の時はどうも」


 衝撃で失った酸素を、必死に取り込み、思考を生存方法の模索に巡らせる。


「……随分と、暴れたそうじゃないか」

「私としては、雑魚ばっかりでつまらなかったけどね」


 ……何の話をしているんだ。あの少女は味方なのか。


「あいつを引き込みにきたのか」

「ええ、そうよ」

「……俺が、逃すと思うか?」

「あら、逆に私がしくじると思う?」


 少女は男と対立しているようだが、僕を助けてくれるとは限らない。自分の命は、自分で守らないと。恐らく今が最後のチャンスだ。

 僕は徐に、気取られないよう、立ち上がる。


「……お前はここで俺が殺す」

「ふーん、そ。じゃ、早くやりましょ」

 出口はすぐそこだ。少しでも遠くに、こいつらから離れて––––

「あ、それはダメよ」


 そんな言葉と共に、途轍もない爆発音が響く。思わず目を閉じ、次に開いた時には、


「は……?」

 瓦礫の山で、出口が完全に塞がっていた。


(いま、何が起きた……?)


 出口の上部、天井部分が大きく損壊している。そこが崩落し、出口が塞がったと言うのは、わかる。しかし、理由がわからない。

 崩落の原因は火薬による爆発ではない。もしそうだったのなら、僕の体は今頃木っ端微塵だ。なら、なんだ。偶然、劣化により崩落したとでも言うのか。少女の言葉に示し合わせたかのように。

 いや、そもそも何かが破裂するような音を確かに僕は聞いた。天井で何かが爆発した。それは確かだ。そしてそれは恐らく、あの少女が起こしたものだ。


「シィッ!!」

「あら、早いわ、ね!」


 男と少女の戦闘は始まっていた。

 男は、およそ人間とは思えないほどの速度で少女に肉薄し、何やら特殊な形をした日本刀のような武器を少女の喉元目掛けて振り抜くも、途中で不可解に軌道を曲げられる。反撃を警戒してすぐに距離を取る男と、少女の余裕気な顔は、対照的だった。


「ちっ!やはり厄介な能力だな!」

「能力がすごいみたいな言い方しないでよ。使い手がすごいのよ?」

「どちらでもいい!死ねェ!!」


 再び切り掛かる男の体が、今度は少女にたどり着く前に後方へと吹き飛ばされる。


「この悪魔「ばん」がぁっはっ!」


 ばん。そんな子供のお芝居のような擬音、そしてそれとは比べ物にならないくらいの破裂音と共に、僕の倍はある体躯をもつ男が吹き飛ばされた。当然、少女は銃を撃ったわけでない。しかし、それ以上の威力があることは、火を見るよりも明らかだ。


「どう?最近さらに精度が上がったの。肺、片方潰れたでしょ」

「かっ、ふぅ、これしき、の、こと……」

「じゃ、もう一発。ばーん」


 再び衝撃。男の体がおよそ人間が成してはいけないような角度で折れ曲がる。


「死んじゃった?まあいっか」


 実力差は、歴然だった。ものの一分で決着は着いた。僕は、ただ口を開けて見ていることしかできなかった。

 少女は煩わしそうに、乱れた髪を掻き上げ何やらスマホを操作している。

 僕は、先の男以上に、この少女からは絶対逃げられないと、そう悟った。


「そんなとこでボケーっとしてないで、着いてきなさい」


 従うしかなかった。

 塞がれた出口の代わりに、少女の手を借り、窓枠から外に出る。月が直上から真っ直ぐ僕を照らしてくるのを見るにら日付が回ったあたりだろうか。


「まだ来てないし……あと十分もかかるの!?まったく……」


 彼女はそういうと、道端に腰を下ろした。僕がどうしていいかわからずにいると、「目障りだから早く座って」おずおずと腰を下ろす。


「……」

「……」


 沈黙。少女はスマホに目を落としている。


「僕、死ぬんですか?」


 そんな言葉が、ポロッと口から溢れ出る。完全に無意識のものだった。でも、僕の脳を支配しているのは、その思考だ。


「……何バカなこと言ってんの。とっくのとうに死んでるでしょ、あんた」

「……え?」


 今、彼女は、なんと言った。文字列として入って来た彼女の言葉を、うまく咀嚼できない。


「……何?覚えてないの?」


 初めて少女がこちらに顔を向ける。髪と同じ、緋色の瞳が僕の目を捉えた。


「えっと、なんのことやら……」

「うーわ、初めて見た。かわいそ……いや、逆にラッキー……?」


 僕は、何か大事なことを忘れているらしい。確かに、今日一日の記憶は朝から飛んでいる。その失われた記憶の中に、僕がこんな状況になった原因があるとしたら、納得だ。


「できれば何があったかを教えて欲しいんですけど……」

「そんなの知らないわよ。まあおおかた事故死とかじゃない?」

「じ、事故死?でも僕生きて……」

「だーかーら、あんたはもう死んだの!」

「いや、え……」


(僕が、死んだ……?)


 じゃあ今ここにいる僕は、なんだというのか。僕はスピリチュアルな存在を認めていないわけではないが、実際に地に足をつけて呼吸をしている自分が、幽霊かなにかだとは思えるはずがない。それに、実際こうして少女と会話していることが、何よりの生の証拠のはずだ。


「はぁ、もういい、面倒だから色々説明してあげるわ。私の仕事じゃないのに……」


 彼女はそう言って徐に立ち上がると、僕をビシッと指差し、力強く言い放つ。


「まず第一に、あんたは死んだの。原因はなんにせよ、人としての生を終えた、これは紛れもない事実よ。それを受け止めなさい」

「いやそんな「黙って聞く!」はい!」

「そんで……名前なに?」

「い、伊草直斗です」

「ん。で、ナオト君はたまたま生死の境に存在する特殊な状態、私たちの言うところの『スワンプマン』あるいは『沼』になっちゃったわけ。ここまでおーけー?」

「は、はい」


 彼女が口にしたスワンプマンという単語。それには聞き覚えがある。

 もし自分の死後、自分と全く同じ記憶や体を持つ存在・スワンプマンが生まれたら、それは自分と別人なのか、それとも、自分と呼んでいいのか。

 確かそんな感じの思考実験だったはずだ。

 もしそれに当てはめるのであれば、今こうしている僕は、今朝家を出た僕ではなく、死後新しくスワンプマンとして生まれた僕ということになる。

 にわかには信じ難いが、ここまで異常なことが続くと、完全に否定することはもはやできない。


「そして、もう一つ大事なこと。私たちはいわば世界のバグ、本来あってはならない存在なの。だから私たちの存在を消そうとする機関があるわ。それが、さっきの男も所属している『対模院』、正式名称は……対模倣存在なんとかかんとか。忘れたけどそんな感じよ。他にもいろいろあるんだけどとりあえず主要なのはあそこ。公にはされてないけど国家組織だし」

「は、はぁ……」


 スケールが大きすぎて、まるで想像ができない。僕は国家に命を狙われているということか。こんなごく普通の男子高校生が。


「で、それに対抗するために作られた『沼』の組織が、ナオト君がこれから入ることになる『MIRE』。せっかく生き返ったのにむざむざと殺されるのはいやでしょ?だから徒党組んで戦ってるの。ていうか基本的にMIREに入ってない『沼』は死ぬか、人体実験されるか、碌な目に合わないわ。まあだからこそ『沼』になり立ての野良をあいつらは狙ってくるんだけど。全くどこで嗅ぎつけてるんだか……」


 深くため息をつく少女を傍目に、僕は自分の置かれたあまりに複雑な状況をどうにか噛み砕く。

 いまだに僕が死んでしまったなんてことは信じられない。大掛かりなドッキリか何かなら早くネタばらしの看板を掲げて欲しいものだが、先ほどの戦闘を見ると流石にそのような楽観視はできそうもなかった。

 しかし、とりあえず僕は何か大変なものに巻き込まれてしまったらしいということは分かる。『トクモイン』だの、『マイアー』だの、とても現実とは思えない。

 それに気になることはまだ沢山ある。例えば彼女の先の戦闘で見せた常識を超えた力のこと。そして……


「あの……あなたの名前は?」

「私?私は……」


 彼女は少し考えるようなそぶりを見せたあと、答える。


「セラ……そう、セラよ」

「え、いや絶対偽名「なに?」……いえ、なんでもありません」 


 言い知れない圧を感じたので、すぐに手を引く。何か名前を知られると不都合なことでもあるのだろうか。


「ま、後の細かい説明はあっちについたら誰かがやってくれるわよ。多分」


 彼女は投げやりにそういうと、再びスマホに目を落とす。

 再び、僕たちを静寂が支配した。

 しかし、僕はどうしてもこの沈黙を破らなければならない理由がある。

 そう、それは……


「あの……少々お花を摘みにいっても……?」

「勝手に行きなさい」

「はい!」


 実はずっと我慢してはいたのだ。

 しかしそうはいってもこんなとこにまともな設備があるはずがないので、仕方なく草むらで代用する。

 小さいほうでよかった。


「……ふぅ」


 無事に事を済ませ、僕は彼女のもとへ戻ろうと「動くな」


「……」


 後頭部に、冷たい感触。やけに冷静に判断する。

 僕はいま、銃を突きつけられている。


「余計な真似はするな、指示に従え」

「……生きて、たんですね」

「緋色の悪魔のところまで案内しろ」


 先ほど、セラによって命を奪われたはずの男が、いま、僕に銃を突きつけている。

 これで、二度目だ。

 しかし、今までにないほど心が落ち着いている。色々ありすぎて脳がバグを起こしているのだろう。


「拒否した場合は」

「殺す」

「……分かりました」


 この男は恐らく僕を人質にセラを無力化するつもりだ。

 しかし、彼女はいざとなったら僕ごとこの男を殺すだろう。彼女には、それほどの意志を感じる。

 考えろ。この状況を打開する方法を考えろ。

 僕が生き残るために必要な手立てを考えろ。


「あんた……っ、しくったわね……」


 僕の状況を見たセラは苦々しい表情をする。

 僕が、何とかしないと。


「手を上げろ。余計な真似はするな。少しでも動いた瞬間、こいつを殺す」

「別に、そいつが殺されたところで私は全然かまわないんだけど?」

「その場合は、いままでのお前の完璧なキャリアに取返しのつかない傷がつくがな」

「そんなので本当に脅しになると思っているわけ?私は自分の身が一番可愛いのよ」

「だが、今回ばかりは、この少年に関しては違う、そうじゃないのか?」

「……さぁ、どうでしょうね」


 セラはそう言いながら、両手をあげ、地面に膝をついた。


「直に応援部隊が到着する。それまで大人しくしておけ」

「はいはい、わかったわよ」


 予想に反し、セラは僕を見捨てなかった。

 なら、手だてはある。

 おそらく、この男は僕を完全に無力で非力な子供だと思っている。それは、地面に押さえつけるだけという僕に対する拘束方法から現れている。セラに対しては、至近距離で銃を突きつけているというのに。

 そして、セラの攻撃方法。彼女はほとんどノーモーションで相手を行動不能にできるほどの力を持っていることは、先の戦闘で明らかになった。

 しかし、男の反応速度も常軌を逸していることは確かだ。

 なら、僕がやるべきことは、油断を利用し、この状況に一瞬でも隙を作ること。

 この絶望的な状況で、彼女が何らかの行動を起こせるほどの時間を稼ぐこと。

 一秒でもいい。〇・五秒でもいい。

 彼女ならきっと、やってくれる。

 考えろ。頭を回せ。脳細胞をかき集めろ。


「……」


 この男は、セラを警戒しても、僕を警戒しない。それは、彼女に特別な力があるからだ。そして、彼女の説明の通りならば、その力は、僕にも発現し得るはず。

 でも、僕は方法を知らない。なにか、発現に足る条件があったとしても、この状況で彼女に尋ねることはできない。

 ……でも、この男は最初に僕を拘束するとき、やけに僕を警戒していた。

 つまり、この男も発現の条件を知らない。あの時は、僕が能力を持っている可能性がまだあると思っていたということ。

 言い方を変えれば、僕はいつ能力が発現してもおかしくないということだ。

 なら、もしそうだとしたら。

 僕の取るべき最善手は……


「……れろ」

「なんだ?不要な発言は──」

()()()!」

「っ!なんのつもりだ!」


 かかった。男は、銃の照準を僕に移した。

 慎重で、堅実そうなこの男なら、必ず僕のこのブラフにつられる。

 あたかも、能力を発動したかのような、僕の発言に。


「あんた、やればできるじゃない」


 セラがそれを言い終わるころには、全ては終わっていた。男は、首があらぬ方向に曲がったまま、地面に横たわっていた。


「今度こそ死んだわね」


 セラはそういうと、大きく伸びをし、


「よくやったわ。ちょっとだけほめてあげる」


 ささやかな笑顔を見せたのだった。


「スワンプマンは誰だ」いいですよねぇ。

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