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野盗の噂

次の街へ向かう準備を整え、出発前の確認をしている花春達。

そんな中冒険者クランに何やら張り紙が貼ってあった。

その張り紙には最近は野盗が増えているという注意喚起だった。

なぜ野盗が増えているのか、それについても聞いてみる事にした。


「すみませン、この野盗が増えてるっていうのはなンなンですか」


「ん?ああ、なんでも最近になって突然の話なんだよ、前はこんな事はなかったのに」


「野盗が増えている、何か理由があるのでしょうか」


前はこんな事はなかったという冒険者の人達。


その理由について誰か知っていないのか。


「野盗が増えてる理由?まあ推測でしかないけど、奴隷解放戦線っていう奴らのせいじゃない?」


「奴隷解放戦線?それは何かの集団か何かなんでしょうか?」


冒険者が語る奴隷解放戦線という集団達。

噂ではその人達は、世界各国で奴隷達を解放している過激な思想の持ち主らしい。


「その奴隷解放戦線ってなンなンだろう」


「貴族出身の冒険者とかに聞いてみるのが手っ取り早いのでは?」


「貴族出身の冒険者かぁ、あの人なンかはそうっぽいけど」


「すみません、少しいいですか?」


「僕かな?何か聞きたいのかい?」


貴族出身の冒険者らしき人に話を聞く。

話からするにこの世界において奴隷は基本的に合法としている国が多いということ。


そして奴隷とは言葉こそ悪いが、基本的には貧しい人が食べていくためになるものとか。

つまり奴隷として買われたとしても、待遇としては使用人などに近いという。


なので言葉は悪いが底辺労働者よりずっといい待遇で働いている事が多いという。


「つまり奴隷っていうのは基本的に使用人なンですか」


「そうだよ、貴族は世間体を気にする人が多いからね」


「つまり奴隷を乱暴に扱ったりしたら、貴族としての品格や評判に傷がつくって事ですね」


「そう、奴隷を買った人数が多いほど貴族としての資金力のアピールにもなるからね」


「この世界における奴隷って、昔のピラミッドとか農園奴隷みたいな感じなのか」


そんな奴隷達を解放して回っているのが最近噂になっている奴隷解放戦線らしい。

貴族出身の冒険者曰く、解放され行き場を失った奴隷が野盗になっている、との事のようだ。


奴隷解放戦線とは言うが、現実は奴隷達の居場所を奪いそのまま知らん顔をしているという。


そんな中また新たに野盗討伐のクエストが入ってくる。


花春達はそのクエストを受けて、何か話が聞けないかと接触を図る事に。


「この野盗討伐のクエストをお願いします」


「はい、確かに受理いたしました、この近くにある洞窟が根城になっているそうです」


「洞窟、ではそこに行けばいいンですね」


「はい、報酬は討伐した人数に応じて基本額に出来高となります、ではお願いしますね」


そのまま街を出て野盗が根城にしているという洞窟に向かう。

洞窟に到着し、早速野盗が襲ってきた。


「なにもんだ!」


「…ちょっと話がしたいの、いいかな?」


「話だと?そう言って俺達を殺すのか」


「…ではこれでいいですか」


両手を上げて無抵抗をアピールする。

野盗もその行動を見て、完全ではないが信じてはくれた様子。


そのまま洞窟の中へと案内してもらう。

その道中で野盗と思われる元奴隷が何人もこっちを見てきた。


「お前達は俺達を討伐に来たのか?」


「ううン、話がしたくて来たの」


「話す事なんざないと思うが」


「あなた達は奴隷解放戦線に解放された奴隷ですよね?」


その言葉を聞き、野盗のリーダーは明らかに眉をひそめる。

どうやら間違いではないようだ。


「奴隷解放戦線、あいつらは奴隷は悪いものと言い張ってる、俺達は苦しんでなんかなかったのに」


「解放されても行く場所なンかない、そういう事だね?」


「そうだ!俺達は行く場所も帰る場所もないから奴隷になった!生活が保証されるからだ!」


リーダー曰く家族もいなければ帰る場所もない、だから生活を保証される奴隷になったという。

実際貴族の家での待遇は貧しかった時とは比べ物にならないほどよかったという。


仕事を覚えるのは大変だし楽でもないが、それでも衣食住は保証されたという。


奴隷解放戦線はそれを奪い、自分達の面倒は見るつもりすらなかったという。


「あいつらはただ自分達が正しい事をしてると信じてる悪人だ、俺達は困ってなんかいない」


「今後はどうするんですか?」


「…討伐しろ、どうせ行く場所なんかないんだ」


「そうだね、ならそうするよ」


「花春さん!?」


花春曰く討伐を偽装して実際に討伐はしない事にした様子。

とりあえず話を聞けただけでもよかったと考える。


奴隷解放戦線、奴隷達から居場所を奪い路頭に迷わせているだけのエゴ集団という事は理解した。


「とりあえず追い詰めたけど逃げられたって報告するから」


「お前達、変な奴らだな」


「話が聞けただけでもよかったと思ってますから」


「そうかよ、ならとっとと行け」


「うン、それじゃ」


そうして花春達は街に戻り報告をする。

討伐は失敗なので、当然クエストも失敗扱いとなる。


報酬はもらえなくてもいいやという事で今後の相談をする事に。


「さて、このあとどうする?」


「次の街に向かいますか、ここからだと南に港町がありますよ」


「港町?もうそンなところなンだ」


「ここは小さな島ですから、そこから船に乗れば本土の玄関口に行けますよ」


「本土の玄関口、つまり首都が近くなってくる?」


イーリア曰くここは小さな島であり、ここから南にある港町から船に乗れるという。

そこで船に乗れば本土に行けるとの事らしい。


本土に渡ればそこからまた別の大陸などへのアクセスも出来るようになるという。


「なら港町に行くとしようか」


「決まりですね、まずは本土を目指すとしますか」


「本土に渡ればまた新しい出会いとかもあるかもしれませんからね」


目的地は決まり、南の港町へと向かう事に。


そんなに遠くはないので時間はかからないという。


「それにしてもここって島だったのか」


「花春さん、どこから来た人なんですか?」


転生でのスタート地点が島だったので船などで渡ってきたわけではない。

現地人でもないので、ここが島だと知ったのはまさに今ここでなのだ。


「そういえば港町って事は魚が食べられたりする?」


「食べられると思いますよ、データベースによれば港町の名物が魚料理の確率は95%です」


「なら魚を食べよう、美味しい魚、待ってろやー!」


そのまま少し歩いて潮の香りがするようになってきた。

そこからさらに歩いて港町へと到着した。


「まずは船に乗れるようにしないとかな」


「そうですね、冒険者の登録証を見せれば割安で乗れますよ」


「ならまずは船の予約かな、とりあえず港に行ってみようか」


まずはその足で港へと向かう。

船は今はこっちへ向かっているという事らしく、次の出発は明日の昼前頃という事の様子。


「とりあえず船に乗せてもらう予約は取れたっぽいね」


「ええ、明日の出港まではここでいろいろ見て回りますか」


「ならまずは食べ物!魚!いざ行くよ!」


そのまま港町の市場やレストランを見て回る。

どこも名物は魚料理のようで、様々な名物がある。


何を食べようか見て回っていると。


「…これってさつま揚げ?異世界でさつま揚げを見るとは思わなかった」


「お、若いお嬢ちゃんだね、冒険者かい」


「はい、駆け出しではありますが」


「なら買っていくかい?たくさん買ってくれたらおまけするぜ」


「ならこれをもらおうかな、三人に三つずつね」


「はいよ、サンキュ!」


花春が見つけたさつま揚げらしき食べ物はこの世界ではスリミと呼ばれる食べ物らしい。

スリミ、要するにさつま揚げやかまぼこやカニカマなどの総称なのか。


気にするのはやめて、それを買っていただく事に。


「んー、おいひぃ、異世界でさつま揚げが食べられるとは」


「スリミ、美味しいですね、これはこれで好きな味です」


「スリミ、魚の加工品、覚えました」


そのまま食べ終わったら近くの広場の広いスペースを探す。

そこに先日錬金術師からもらったテントを張り、一夜を過ごす事に。


「明日は船で本土か」


「新しい出会いとかがあるといいですね」


「仲間も増やしたいですからね」


そうしてその日の夜は過ぎていく。

明日は船に乗り本土へと向かう。


本土では新たな出会いはあるのだろうか。

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