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貧しい国の景色

荒野の国に入ってから数日。

また次の街へと移動し冒険者クランで依頼を消化していく。

ちなみにフリージア曰く荒野の国の首都は山の上にあるらしい。

そこまで行ってみたいとは思うが、山登りをするハメになりそうだ。


「依頼も結構楽にはなってきたけど」


「私がいるのでBランクまでなら受けられますものね」


「おかげで成長も速いですよね、ランクが高い人と一緒だと効率もいいです」


以前聞いた裏技的な成長方法。


ランクの高い仲間がいれば受けられる依頼はそれに合わせられるというものだ。


「それにしてもこの国って街はあっても、全体的にボロボロというか」


「仕方ないですわよ、国内で稼ぐのが難しく傭兵として他国に行くのが主な稼ぎですもの」


「傭兵って儲かるのかな?」


「少なくとも国内で稼ぐよりは儲かると思います、お父様も傭兵を雇う事はありましたし」


「ペリスのお父さンって貴族の人か、貴族は護衛なンかもお金に糸目はつけないンだね」


傭兵は護衛の他にレベルアップのために力を借りたりもする。

他にも大金を積まれて軍隊として戦争に参加したりする事もある。


傭兵は文字通り命懸けであり、家族や身内同士で殺し合う事もあったりする。


なのでこの国の人間は独特な死生観を持つ人が多いという。


「それにしてもこの国は冒険者もあまり見ないね」


「貧しい国ですからね、稼ぐなら栄えた国に行った方が当然稼げるので」


「お金に関してはまあそうなるよねぇ」


「貴族の私が言うのもあれですが、お金というのはあらゆる場面において求められるのですわ」


「国ガチャとか言うけど、生まれもまた大切なンだなぁ」


「貴族だって生まれながらの貴族ではないですから」


ペリスもフリージアも家は貴族だが、貴族になったのには理由がある。

それは初代が国に貢献した事で貴族としての位を賜ったからこそだ。


誠実にそしてしたたかに生きてきたからこそ今がある。


「この国の首都って山の上なンだっけ」


「ええ、この国の軍隊は飛兵、飛竜やグリフォンを駆る騎士が主力ですの」


「飛竜やグリフォンを手懐けられる軍隊とか凄くない?」


「この国は山や足場の悪い荒れ地が多いので、そうした理由から発達した軍隊なんです」


「飛竜やグリフォンを手懐けてる時点で軍隊の凄さが知れるなぁ」


「民は傭兵、国軍は飛兵、死が近い国民性なので死生観も独特なんですよね」


イーリアとサミヨは今は依頼で別行動している。

花春はペリスとフリージアと依頼を終えて街を見て回っている。


貧しい国と言うだけあり、国民に豊かさは感じられず大人は他国に出稼ぎに行っている。


それもあり街には子供の姿が多く見られ、その子供達も恰幅はよろしくないようだ。


そしてこの子達も大人になったら傭兵として他国に稼ぎに行くのだろうと思った。


「とりあえず首都に行ってみたいンだけど」


「そうですわね、ならサミヨさんとイーリアさんが合流したら首都に向かいますか」


「首都までは山登りするの?」


「いえ、山の下にある街から首都までの船も出てます、徒歩で登っていく事も出来ますが」


ペリスが言うには首都に行くには山を徒歩で登るか、川の下流にある街から船に乗るからしい。

ならまずは下流にある街を目指す事にした。


「あ、サミヨとイーリアだ」


「そちらもクエストは終えていたんですね」


「それでどうしますか?次に進むか、もう一日ぐらいここに滞在するか」


「とりあえず首都に行こうよ、行ってみたいし」


「ここからなら日が落ちる前には着けますわね」


「なら決まり、首都に向かおう」


そんなわけで首都に向けて出発する。

街を出ようとした時に何やら冒険者が話しているのが聞こえてきた。


「あのー、何かあったンですか?」


「ん?ああ、実は首都にAAランクの冒険者パーティーが滞在してるらしいんだ」


「AAランク、そんなランクの高い人がこの国にいるのは珍しいですね」


「なんでも珍しい魔物が首都の近くに出るらしくて、それを討伐に来たらしい」


「珍しい魔物かぁ、教えてくれてありがとね」


冒険者パーティー曰く珍しい魔物が首都の近くに出るらしい。

AAランクの冒険者パーティーがそれの討伐目当てで来ているという。


それも少し気になったようでその人達に会えないか考えてみる。


「でも珍しい魔物かぁ、どんな魔物なンだろう」


「この国は魔の国と隣接していますから、国境を越えると魔の国ですよ」


「魔の国ってなンなの?」


「魔王と呼ばれる王が統治する国ですね、基本的には悪の枢軸みたいに教わりますけど」


「魔の国ねぇ、そっちにも行ってみたりする事って出来ないのかな」


ペリス曰く魔の国は基本的に多くの国が国交を持っていないという。

国境は越えられるとは思うが、好んで行く人も少ない。


魔の国の人は魔族とも呼ばれその国を統治するのが魔王と言われる。


魔族は高度な技術を持ち、その技術を恐れるからこそ悪の枢軸扱いなのか。


なんにせよ魔の国に行く事は出来るが、おすすめはしないとの事らしい。

そんな話をしつつ歩いていると下流の街へと到着する。


「ここがその下流の街か、首都に行くには山登りか船で川上りだったよね」


「ええ、あとこの街にはコロシアムもありますのよ」


「コロシアム?拳闘士とかがいるのかな?」


「いえ、基本的には腕試しですね、勝つと珍しいアイテムや賞金がもらえるらしいですよ」


「へぇ、それは面白そうですね」


この街にはコロシアムがあり勝利すると珍しいアイテムや賞金がもらえるらしい。

貧しい国なのにそうした施設がある街があるのも意外な感じはする。


フリージア曰く軍隊の技術による魔物のテイムでコロシアムで戦う魔物を用意しているという。

貴重な収入源としての意味もあるという事らしい。


貧しいからこそ金を稼ぐためにあれこれ考えているのだろう。


「でもコロシアム、あとで挑戦してみたいですね」


「まずは首都に行ってからだね、それが片付いたら挑戦してみようよ」


「そうですわね、お好きになさればよろしいかと」


「ではまずは首都に向かいますか、どうやって行くかは任せますね」


徒歩による山登りも面倒と考え、川を船で上る事にした。

渡し船を出している川岸へ向かい、そこで船に乗せてもらった。


船で川を上ること数十分で首都に到着する。


「ここが首都、本当に山の上にあるのか」


「冒険者クランに行ってそのAAランクパーティーについて聞いてみましょうか」


「はい、では情報を聞いてみますか」


そのまま冒険者クランに行きそのAAパーティーについて聞く。

話ではクエストはすでに受理され、街の近辺でその魔物を探しているという。


依頼とは関係なくそのパーティーを探してみる事に。


「ン?あれは…まさか花山?ちょっと待ってて!すぐに戻るから!」


「あ、マスター!」


「何かあったんでしょうか?」


花春が見かけた花山らしき人の後ろ姿。

それを追いかけるが見失った様子。


しかしこの街に花山が来ているとしたら、なんとかして探したいと思ったようだ。


「見失った…でも確かにあれは花山…あとでまた探してみよう」


とりあえず仲間と合流し改めてそのAAランクパーティーを探す事に。

テントを張れそうな広場も見つけたので、その上で探しに行く事にした。


話では夜にその魔物はよく目撃されているとのこと。


「お待たせ、ごめン、勝手に」


「別によろしいですわ、あとその魔物は夜に目撃報告が多いそうですわよ」


「夜、もうすぐ日が落ちるから、少し時間を潰そうか」


「分かりました、では夜になったら動きましょう」


そのまま夜を待つ事になった。

その珍しい魔物は夜に目撃されている事が多いという。


AAランクパーティー、花山らしき人の後ろ姿、何かがありそうな予感がする。


魔の国に隣接しているこの国だからこそ起きそうな何かが。

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