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荒野の国へ

草原の国に滞在してしばらく。

とりあえず今は一通り見たので、次の国へと向かう事にした。

フリージアから話を聞いていた事もあり、荒野の国へと向かう事にした。

荒野の国では豊かなものは期待しない方がいいとフリージアは言う。


「とりあえず国境は越えられたけど」


「ここが荒野の国ですか、遠くに険しい山も見受けられますね」


「でも平地だけじゃなく、山も禿山が多いみたいですね」


荒野の国は貧しい国であり、産業は傭兵である。


貴族も平民も傭兵として他国へ赴き祖国の家族を食わせるためにお金を稼ぐのだ。


「まずはどこか近くの街に行かないとだけど」


「ここからだと西に行けば街がありますわよ」


「ではそこに向かってみますか」


そのまま荒野を歩いて次の街へと辿り着く。

その道中で花春は新たな青魔法を一つ習得した様子。


「ここが荒野の国の街ですか」


「街というだけの規模ではありますが、裕福には見えませんね」


「それが荒野の国なのですわ、幼い子供以外はほとんどが傭兵として他国に行っていますの」


「傭兵って冒険者とは何が違うのかな」


フリージアが言うには傭兵というのは冒険者の護衛などをする仕事らしい。

とはいえ冒険者登録をしないと傭兵としても働けないとのこと。


冒険者登録をした上で短期的な契約を交わし働くのが傭兵なのだと。


「傭兵というのは短期契約で冒険者達を護衛したりする存在の事を言いますのよ」


「つまりお金を払ってお金の分だけ働いたら契約解除みたいな感じかな」


「傭兵とは短期契約、冒険者みたいにパーティーを組むという事ではないんですね」


「この国にとって傭兵とは家族などと殺し合いをするかもしれないという事なのですから」


「つまりこの国の人達って相当にドライな死生観を持ってる事なんですね」


傭兵として雇われるのは冒険者だけに限った話ではない。

人によっては大金を積まれて国の軍隊として戦争に参加したりもする。


その場合は戦う相手に家族や友人がいて、それと殺し合う事も普通なのだと。


「とりあえず冒険者クランの支部には来たけど」


「荒野の国は貧しい国だからなのか、人は思ってるより多くないですね」


「とりあえずクエストを見てみますか」


「それがいいかな、何かあるかな」


とりあえずクエストに目を通す。

そこに少し気になるクエストを見つける。


なのでそのクエストを受けてみる事にした。


「このクエスト、酒場の新しい料理を考えてくれって事らしいけど」


「受けてみます?花春さんは料理も得意ですし」


「そうだね、ならこれはあたしが受けるよ」


「では我々はまた別のクエストを受けてきます、次の街に行くのは明日でいいですか?」


「そうですわね、では明日に次の街に向かいますか」


「分かりました、ではどこか広場も探しておきますね」


テントを張るのに使う広場はイーリアが探してくれる事に。

花春はペリスと一緒に酒場の新メニュー開発の依頼を受ける事にした。


「これをお願いします」


「確かに受理いたしました、では依頼主から話を聞いてください」


その足で街の酒場へと向かう。

そこのマスターから話を聞く事に。


「すみませーン、依頼を受けてきたンですけどー」


「おう、若い嬢ちゃんが二人か、とりあえずこっちに来てくれ」


そのまま厨房へと通してもらう。

そこでこの国で使える食材なども見せてもらう。


「使えるのは芋類と豆類と豚肉と鶏肉かぁ、調味料とかは?」


「これぐらいだな、塩と酒と醤油と味噌、あとは香草が少しってとこだ」


「芋類と豆類と豚肉と鶏肉で作るもの、この国って貧しいから調味料も少ないンだね」


「そればかりはな、一応田舎に行けば畜産や養鶏をやってる家もあるにはあるんだが」


「でも醤油があるのか、もしかしてこの国って大豆が採れたりする?」


「大豆?まあ貧しい土地でも結構育つから、豆類はそれなりにあるな」


マスター曰くこの国では芋類と豆類は痩せた土地でも育つ貴重な食材らしい。

それもあり実はこの国には味噌や醤油を造る蔵があったりするという。


それに加えて田舎に行けば畜産や養鶏をやっている家もあるのだと。

ただそれでも他国に比べたら圧倒的に貧しい国なのは確からしい。


「うーン、ならやっぱりこれかな、芋類と豚肉を醤油とお酒で煮込ンでみようか」


花春が考えたのは肉じゃがもどきみたいな料理。

芋類と豚肉はあるので、それをまとめて煮込むだけのシンプルな料理だ。


あとにんじんと玉ねぎなんかもあるにはあるので、それも一緒に入れてみる事に。


「うン、バッチシ、これでどうかな」


「ほう?こいつは美味いな、煮込み料理だとまとまった量が作れるのもデカいし」


「芋類と豚肉とにんじんと玉ねぎ、それを醤油とお酒でまとめて煮込むだけなのに美味しいです」


「あたしの故郷だと肉じゃがっていう名前の料理なんだけど」


肉じゃがに使う肉は牛肉である事の方が多い。

とはいえ豚肉でも問題なく作る事は出来る。


花春が考えた豚肉じゃがは割と好評なようである。


「レシピはこンな感じね、どうかな」


「これなら作るのもそんな難しくなくて、まとめて作れる、採用するぜ」


「よかったですね」


「あと報酬なんだが、あんまいいものはあげられないけど、これを受け取ってくれ」


「これは?」


マスターが報酬としてくれたものは明らかに上質な食材だった。

マスター曰く高級食材らしいが、酒場で使うには量が少なすぎて使えないという。


なので保存はしておいたが、早くに使わないと腐ってしまうという事らしい。


「これは食材だよね?」


「ああ、高級食材ってやつな、これは野菜だけど他にも肉やチーズや魚なんかもあるらしい」


「なるほど、私も家にいた時は食べた経験はありますけど、手に入れるのは大変なんですよ」


「うちじゃ少なすぎて店に出すには使えなかったからな、美味しく食べてくれよ」


「うン、ありがとう、マスター」


報酬で高級食材の野菜をいただいた。

ペリス曰く高級食材は手に入れるのも大変なものらしい。


店でも買えるには買えるがかなりいい値段がするのだと。


その頃サミヨとフリージアもクエストを受けていた。


「クエストは山でのきのこ狩りでしたけど」


「このきのこは食べられますよ、食用きのこで間違いないです」


「サミヨさん、こういう時には便利ですわね」


「でも目的のきのことは違いますね」


「目的のきのこは魔法薬の材料になると聞いていますが」


サミヨとフリージアが探しているきのこは魔法薬になるものらしい。

それを探しているとどうやら見つけた様子。


それを摘み取り報酬を受け取りに行く事にした。


「報酬に魔法薬をいただきましたけど」


「魔法薬、魔力の回復に使うものですよね?」


「ええ、まあうちの魔法使いはイーリアさんとペリスさんですから」


「とはいえ技を使うのにも魔力の消費はあるんですよね?」


魔力は技や魔法を使う際に消費されるエネルギーだ。

魔法薬はその魔力の回復に使うものである。


「魔法薬の精製ってマスターでも出来るんですかね?」


「薬師のスキルだと飲むより調合に使うのがメインになりそうですわね」


「なるほど、しかしマスターが薬を使っているのはあまり見ませんね」


「恐らく手持ちの薬が少ないからかと、調合するにも材料が少なくては難しいですし」


「なら手持ちの薬と材料を増やさないといけないですかね」


花春が薬を使うのをあまり見ないのは単に手持ちの薬や材料が今は少ないから。

手持ちが増えてくれば使いこなせるようになるかもしれない。


「戻りましたわよ」


「お帰り、ご飯作っておいたから食べようか」


「はい、あと明日は次の街への出発ですね」


「そうですね、この国についても少し見ておきたいですし」


「貴族の力があっても国を豊かに出来ない事はある、この国を見てるとそれを痛感しますね」


荒野の国は貧しいが故に傭兵が産業になっている。

また豆類と芋類だけは痩せた土地でも育つため、主食はそれになっている家も多い。


だからなのか醤油や味噌といった調味料だけは産業として成立している。


醤油や味噌は貴重な外貨獲得のための輸出品なのだから。

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