巨大な魔物
草原の国の首都に滞在し始めて数日。
次にどこに向かおうかとも考えつつクエストをこなしていく。
次に行く場所は草原の国に隣接する国や地域になるのだろう。
今はそれよりもランクアップを目指してクエストをこなす事にした。
「クエストで受けた討伐対象ってこの森にいるって事だよね?」
「ええ、大型の魔物と聞いていますわよ」
「大型の魔物、油断は出来なさそうかな」
討伐対象は大型の魔物という事らしい。
話ではこの世界には通常の魔物の何倍もある魔物がいるとか。
「あ、あいつかな」
「そのようですわね、花春さん、油断はしないでくださいまし」
そのまま討伐対象の大型の魔物に挑みかかる。
今回の相手はそこまで強くなかったようで、フリージアの能力低下が効きあっさりと討伐した。
冒険者クランに戻り報告を済ませた中、国策クエストが来ているようだった。
「国策クエストだ、えっと、新種の魔物…メガトンモンスターの討伐依頼…」
「メガトンモンスター、聞かない名前ですわね、最近名付けられた魔物でしょうか」
「討伐に行ってみる?」
「行くにしても、魔物の討伐を国策クエストにするからにはかなりの強敵なのでは?」
「うーン、なら誰かと合流してから行こうか」
その足でちょうどクエストを終えたサミヨと合流する。
その上で国策クエストであるメガトンモンスターの討伐を受ける事に。
この国策クエストはDランクの依頼という事もあり、今の強さでは強敵と予想される。
それでもそこは戦術を駆使して戦えばなんとでもなると考えている様子。
「確かに受理いたしました、討伐対象は南西の国境近辺で目撃されているそうですよ」
「南西の国境、ここからどのぐらいだろう」
「往復で数時間というところですわね、草原は広いものの国土はそこまで広くないですので」
「ではそこに向かってみましょうか」
「ええ、行きますわよ」
その足で南西の国境付近へと向かう。
ちなみに南西の国境を抜けた先は荒野があり、そこにも国があるという。
荒野の国は国土が痩せていて貧しい国なのだとフリージアは言う。
なので荒野の国において産業は傭兵であり、他国に出稼ぎに行く人が多いという。
そんな話をしていると目撃情報のある国境付近に到着する。
「この辺りだと思うけど」
「…姿は見えませんわね」
「寝ているとかですかね」
「それは流石にないと思いますわよ」
そんな話をしていると、巨大な影が花春達を覆う。
どうやら向こうから来てくれたようである。
「うわぁ、本当にクソデカい、こンな魔物がいるのか」
「やるしかなさそうですが、勝算はありますか?」
「私の踊りで能力を下げるので、思う存分ボコボコになさって構いませんわよ」
「フリージアさんを守りつつ戦わないとですね」
「うン、それじゃ行くよ!」
そのまま戦いに突入する。
その魔物は一般的な大型の魔物のさらに倍はあろうかという超大型の魔物だ。
軽く殴られただけでもダメージの大きさは想像出来てしまう。
「ン?覚えられる青魔法にレベル素数コメット…大技なのかな、とりあえず狙ってみよう」
そのメガトンモンスターはレベル素数コメットという青魔法を使うらしい。
そういえば今はサミヨのレベルが素数である。
使われたら大ダメージは避けられないものの、デバフが入っているなら耐えられると踏む。
そのままメガトンモンスターに攻撃を叩き込んでいく。
「構え来た!気をつけて!」
「まずは守りを固めます!」
「気をつけなさいな!」
そのままレベル素数コメットが発動する。
サミヨにそれが直撃するものの、フリージアのデバフにより大ダメージは回避する。
そこから反撃に転じる事に。
的確に攻撃を回避しつつ、ヒットアンドアウェイを徹底した戦い方。
それは戦いにおける基本戦術だ。
幸い巨体な魔物というだけあり、攻撃は大振りで見てからでも回避は間に合うようだ。
「なンとか倒せたけど、超大型だけにタフ過ぎ」
「とはいえフリージアさんのデバフが強すぎますね」
「うふふ、踊り子とはそういうものですのよ」
「とりあえず報告に行こうか」
その足で首都に戻りクエストの報告を済ませる事にした。
花春はレベル素数コメットを習得し、強い青魔法も増えてきた様子。
ちなみに国策クエストは遂行を完了した証拠をレポートで報告する必要もある。
またクエストによっては証拠となる品の納品も求められてくるという。
「討伐の完了を確認しました、では続いてレポートを書いて提出してください」
「分かりましたわ、ではレポートを書いてしまいますか」
クエスト報告のレポートを書き終え、正式にクエストを達成となる。
報酬は珍しい武器だった様子、その武器は槍だったのでサミヨに使わせる事にした。
今のレベルにしては強い武器なようで、少しの間買い替える必要はなさそうだ。
ちなみに装備品には汎用装備とユニーク装備というものがあるという。
汎用装備は店などで買える完全な量産品である。
ユニーク装備は決まった効果などが付加されている汎用装備より強い装備だ。
なお汎用装備は鍛冶屋に持ち込むと、好きな付加効果をつけられる強化が出来るという。
付加効果をつけるには魔物の書というアイテムが必要になるとか。
魔物の書はライブラという効果のついた装備品で魔物を倒すと手に入れられるらしい。
「そういえばユニーク装備っていうンだっけ、今回の報酬は」
「そうですわよ、ユニーク装備は魔物からのドロップやダンジョンの拾得物として手に入りますわ」
「ダンジョンの拾得物?そもそもダンジョンってなンなの?」
「ダンジョン、冒険者クランが管理する施設の一つ、世界各地にあり腕試しなどに使われるとか」
「ふーン、そんな施設もあるのか」
「ええ、まあ腕試しのための施設なので、気になるなら話を聞いてみてもよろしくてよ」
ダンジョンに入るには冒険者として登録してある事が絶対条件らしい。
ダンジョンでは魔物からユニーク装備をドロップする事もあるという。
なおダンジョンで手に入れたアイテムは基本的にそのパーティーのものとなる。
「すみませン、ダンジョンってなンなンですか」
「ダンジョンについての説明をご希望ですか?」
「はい、少し気になったので」
受付の人曰くダンジョンは世界各国の首都にある冒険者クラン本部が管理する施設の一つという。
ちなみにダンジョンで戦う魔物はクエストの討伐対象にはカウントされないとか。
あくまでも腕試しや宝探しのための施設なのだという。
「大体は分かりました、とりあえず機会があれば挑んでみます」
「はい、挑戦したい時は受付に申し出てくださいね」
ダンジョンについての説明を聞いた上でテントに戻る。
イーリアとペリスも戻ってきていたようで、そのまま夕食にする事に。
食材は街で一通り揃うので料理上手な花春には嬉しい様子。
「ご飯出来たよ、今回はチキンドリアだ、あとサラダとオレンジエードね」
「調理場なんかもついているのは助かりますわね」
「ではいただきますか」
「花春さんは料理が上手で羨ましいです」
「外の世界の食べ物はどれも美味しくていいですね」
そんなダンジョンという新たな事を知った花春。
ちなみにダンジョンで上がったレベルは外に出てもそのままらしい。
ダンジョンは鍛錬の場としても使う冒険者はいるのだという。
あと数日したらまた隣の国に向かう事になる。




