ダマスカス鋼を探せ
鍛冶屋の依頼を受けて坑道にやってきた花春達。
その奥にあるというダマスカス鋼を探すのが今回の目的だ。
採掘の仕事には特にタレントは必要ないので、どんどん掘っていく事に。
肝心のダマスカス鋼はなかなか出てこないようで。
「鉄鉱石の他に金鉱石とかも出るのか」
「肝心のダマスカス鋼は出てきませんね」
「とりあえず採掘を根気よくやっていくしかないですね」
そんな感じで鉱石自体は結構出てくる。
とはいえダマスカス鋼はやはり珍しいもののようである。
「金とか銀は出てくるから、きちンと精錬すれば質のいい金属にはなるのかも」
「そこは私が、サブクラスが錬金術士なので出来ると思います」
ペリスのサブクラスは錬金術士。
なので鉱石の精錬なども出来るだろうとのこと。
「うーン、やっぱり出てこないねぇ」
「もう少し奥に進んでみますか?魔物は相応に強くなりますけど」
「行くだけ行ってみようか」
「ではもう少し奥までですね」
そうしてもう少し奥まで進んでいく。
魔物は相応に強いがその分成長が早く感じられる。
「魔物が強いからなのか、レベルが上がるのが早い気がする」
「私もです、なりたてでここの魔物と戦ってると成長が早いですよ」
「今までにない鉱石の反応があります、ここを掘ってみてください」
「サミヨは頼りになるね、えっちらほいっと」
サミヨが検知した場所を掘ると今までにない鉱石が出てきた。
どうやらこれがダマスカス鋼のようである。
鉱石の数自体は5個程度、これで足りるという事か。
「何か大きな反応が、下です!」
「うわっと!?何こいつ!」
鉱石を確保した矢先に大きな揺れを感知したサミヨ。
足元から出てきたのは巨大なイモムシ、ワームの魔物だった。
坑道などの暗いところにはワームが出る事も珍しくないという。
「倒さないと駄目っぽいね」
「このワームは魔法なども使うようです、油断していると負けますよ」
「なら遠慮はいらないかな、ン?青魔法が覚えられるね…レベル5マーダー…まさか…」
「とにかくやりましょう!」
花春のスキルでワームにレベル5マーダーという青魔法が確認出来た。
これに花春は恐らくはと感じ取る。
とりあえずそのまま戦闘を開始する。
「こいつは魔法に弱いようです、あとは風に対する耐性が低いようですね」
「ならあたしの風魔法で攻めるよ、イーリアも風魔法でお願い」
「分かりました!行きますよ!」
花春とイーリアの風魔法を中心に攻め立てる。
特にイーリアは風魔法が得意なのでダメージも期待出来そうだ。
サミヨは前衛で盾になりながら、的確に反撃していく。
ペリスは錬金術で使える魔法や道具による補助を行う事に。
そんな中ワームの魔物が明らかに危険な行動の予備動作を始める。
「何か嫌な予感がします!」
「恐らくは…今レベルが5の倍数なのはペリスだけのはず…立て直すのは…」
「来ますよ!」
そんなワームがレベル5マーダーを発動する。
レベルが5の倍数の対象を一撃で戦闘不能にする魔法なのは花春がすでに見破っている。
「そんなのって…」
「今治すよ!はい!」
「戦闘不能回復アイテムは手持ちが少ないです!何度も撃たれるときついですよ!」
「あいつの大技はレベルが5の倍数の対象にしか効かないよ!」
「私のレベルは今は5の倍数なんですか…どうりで…」
レベルに関しては冒険者クランでしか確認出来ない。
しかしそこで見たレベルを花春は記憶し、今レベルがいくつか常に頭の中でカウントしていた。
なので今回の大技も対処は簡単だと踏んでいる。
そのまま風魔法中心て一気に攻め立てワームを撃破する。
雑魚敵に比べれば強いが、それでも勝てる相手ではあった様子。
なお花春は見事にレベル5マーダーをラーニングしたようである。
「なンとか勝てたけど、結構ボロボロだね」
「クランの道具屋で携帯出口をいくつか買ってあります、これですぐに帰れますよ」
「そンな便利な道具があるのか、ならそのまま帰還するよ」
サミヨがいつの間にか買っていたという携帯出口というアイテム。
それは使う事でいつでも冒険者クランに転移出来るマジックアイテムだ。
ダンジョンに行く冒険者の必需品であり、切らしたら死を覚悟しろというぐらいのアイテムだ。
「本当に帰ってきたね」
「ダンジョンから一番近い街のクランに自動で帰還しますから」
携帯出口の転移先は一番近い街。
なので行動から転移して移動するのは首都のクランのようである。
「とりあえず報告に行こうか」
「ですね、では行きますよ」
そのまま鍛冶屋に報告に行く。
ダマスカス鋼は5つほど確保したので、足りるはずだが。
「失礼します、ダマスカス鋼を採ってきたンですけど」
「お、本当に採ってきたのか、すまねぇな」
「いえ、これでよろしいでしょうか」
「ふむ、純度も特に文句はなしと、確かに受け取ったぜ」
特に問題はなかったようで、無事に依頼は完遂となる。
そして報酬の鍛冶屋の優待権をもらった。
これを見せれば割安で仕事を受けてもらえるという。
「そうだ、装備を作ってやれるのもあるが、既存の武具の強化もやってやれるぜ」
「そんな事も出来るンだ、あれ?でもクリエイトスキルにも装備の強化があったような…」
「なんだ、知らねぇのか、クリエイトスキルの鍛冶スキルは性能アップだぜ」
「つまり鍛冶屋の強化とはまた別って事?」
鍛冶屋曰く鍛冶屋での強化は装備品の改造、クリエイトスキルの強化は性能アップらしい。
花春が今使っている花山からもらった刀は市販品の刀の性能を強化したものだ。
鍛冶屋での改造により装備の基本的な性能を強化出来るという。
「とりあえずは分かったかな」
「おう、この街の鍛冶屋に限らず他の街の鍛冶屋も利用してくれよな」
「はい、ではそろそろ失礼します」
そのまま鍛冶屋を出て他の依頼を探しに行く。
冒険者クランに行き依頼を見ていると今のランクでも受けられる難易度高めの依頼を見つける。
「これなンかどうかな?これを完遂すればランクアップも出来そうだよ」
「ふむ、ポイズンスライムの討伐、実績としても文句はなさそうです」
クエストをこなし実績を積む事で冒険者ランクを上げられる。
特に実績になるクエストはランクに対して強い魔物の討伐なのだという。
なおクエストには期限があり、依頼主が定めた期限を過ぎてしまうと強制的に失敗となる。
「とりあえずこれでいいですね、期限はまだ多少余裕があるので受けるだけ受けておきますか」
「探すのは明日からになりそうだね」
「では受理してもらってきますね」
ポイズンスライムの討伐クエストを受理してもらう。
そのうえで今日はもう休む事にした。
近くの空き地に移動しテントを張る。
街で買った食材を使って食事を作る事に。
「はい、チキンドリア出来たよ」
「美味しそうです、花春さん料理が上手なんですね」
花春の好きなものは科学と料理である。
この世界は米なども普通に買えるので、料理には困らない。
いろいろ作れるのも楽しいという事なのか。
「花春さんは料理がお上手なんですね、手際もいいですし」
「料理は元々趣味でやってたしね」
「マスター、料理に関してはいろいろ作れるみたいですね」
「この世界だと料理はクリエイトスキルなンだよね、タレントがないといけないンだし」
「クリエイトスキル自体は料理はもちろん、調合や細工など様々ですからね」
ちなみにイーリアは音楽関係のタレントを持っている。
音楽が好きな種族だという事らしく、音楽は作曲も演奏も得意だ。
タレントはその人や種族などから持っている確率が高いものもあるという。
「さて、明日はポイズンスライムの討伐に行かなきゃね」
「はい、油断はしないように」
「スライムは魔法中心で攻め立てればこの辺りのならまだ楽だと思いますよ」
「私も出来る限りはやってみせます」
明日は実績になるポイズンスライムの討伐に行く事に。
ちなみに花春が覚えたレベル5マーダーの他にもレベル倍率攻撃が青魔法にはあるという。
恐らくレベルをコントロール出来る青魔法もあると花春は踏んでいるようだ。




