84. キャロリンの来訪①
平和な日々を過ごしているとキャロリンとアリアネルが王都からやって来た。俺の正体に気が付いたのかは分からないが、ここに来たという事は何かしら気が付いたのだろう。
「ぱぱ、だあれ?」
「パパの友達だよ」
「おねえちゃんあそぼ~!」
「アリスとステラはちょっとあっちに行っててね」
「「やだ!」」
新たに来たキャロリンと遊びたい双子が駄々を捏ねてくる。
「ほら、あっちで一緒に遊ぼうね~」
「おねえちゃんだあれ?」
空気を読んだアリアネルが双子を連れて行ってくれた。
「で、単刀直入に聞くけど転生者なの?」
「ああ、そうだがお前が思ってる転生者とはちょっと違うと思うぞ」
「どういう事?」
「この世界の元になった物を知らないからな」
まず、お互いの情報について話始める。キャロリンは予想通りこの世界がゲームの世界だと知っていた転生者だった。対して俺は転生者だが、この世界については全く知らない。
「だから、そんなイレギュラーな行動を取ってたのね」
「まあ、そんなところだ」
予想通り、ストーリーとかけ離れた行動を取っていたらしい。
「あ、ちょっと待って、堅苦しい話になる前に聞いてもいいか?」
「何よ?」
「出身はどこだ?」
「日本よ」
「俺もだ」
異世界あるあるなのか、やはり日本出身らしい。今まであまり話した事はなかったけど、いろいろと話が合いそうだ。俺は姿勢を正してテーブルに肘を置き、手を組んで手の甲に顎を乗せてキャロリンに尋ねる。
「こっちの世界の食事についてどう思う」
「何?、醬油や味噌を作りたいとか言いたいの?」
「作り方を知っていれば、協力してほしい」
「はぁ…」
聞いたところによると、彼女はこの世界に転生したと気が付いた時から日本食の研究を始めて、今も続けているそうだ。俺は魔物の脅威が身近だったので戦闘重視だったが、彼女は前世の再現の為に研究ばかりしていたらしい。戦闘面はある程度レベルを上げたあたりで止めたらしい。
「ずっと思ってたけど、全員にレベルはあるのか?俺には分からないんだが」
「…相手を鑑定できないから分からないわ」
「そういうもんか…」
彼女に分かって、俺には分からないと聞いて、もしかしたらこの世界が現実かゲームの世界かの認識の違いから来ているのかもしれない。その場合、このゲームを知らない俺は永遠に自分のレベルが分からなくなってしまうので、他に確認方法が見つかって欲しいと思う。
(ああ、酒飲みたいな)




