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異世界禁酒生活  作者: 田中 太郎
第三章
83/223

83. 淡々と

 アリスとステラの才能は目を見張るものがある。四歳にてもうすでに魔力操作は俺と同等ぐらいに洗練されていた。デコイを使えば追いかけっこでパトリシアを撒ける程である。流石に魔力量は体格に比例した量なので、デコイを長時間は使うことは出来ないが、そこは才能だろう、要所要所で上手く使っていて、俺も二人から学ぶ事があるくらいだ。


(アリスとステラは将来俺よりも強くなるだろうな…)


 将来二人がどんな職に就くのか分からないが、戦闘系の職ならなれない物は無いだろう。戦闘に特化しても二人がそれを望むか分からないので、俺はより視野を広げてもらう為に、読み書きや算術を教えることにした。朝仕事に行く前に少し教えて、仕事から帰ってきた後に身についているか確認をしているだけだが。


「ぱぱ、きょうもたんご?おぼえられた!」

「ステラも!」


 朝教えた単語や加算、減算などを覚えたと自慢げに毎日報告してくれるので、毎回たくさん頭を撫でてやる。


「「えへへへ」」


 二人の笑顔が日々の癒しだ。酒よりも良い薬だ。


「二人とも偉いぞ!」

「「うん!」」


 双子を褒めているとパトリシアがやって来て冷ややかな目で見てくる。そしていつも通りの言葉を放つ。


「そんな事より今日も手合わせをお願いする」

「おう、いいぞ”!」


 という事で庭に移動してそれぞれ戦闘開始位置に着く。


「「ぱぱ、がんばれ~」」


 双子が応援をしてくれる。俺は二人に手を振って応える。


「やる気が漲って来た~!」

「「ぱとりしあおねちゃんもがんばれ~」」

「え?、俺だけじゃないの?」

「ふ、残念だったな」


 そんなやり取りの後、俺達は戦いを始める。いつも通りパトリシアが先に動いたので、俺はデコイを起動させる。いつもはデコイ側を動かすが、今日は俺がパトリシアの右側に回り込む。いつもと違う展開に一瞬気を取られていたパトリシアに俺は右側から切りつける。相手の剣とハルバードが火花を散らす。その後いつも通り互角にやりあうことが出来た。俺の方が腕は下だが、デコイを使っているこの戦法であれば格上とも渡り合えると証明された。


 そんな戦いで新たな可能性を俺はつかみ始めていた。まず、やろうとしている事は魔力で包んだ武器をデコイに持たせることや一体だけではなく複数体のデコイを操れるようになる事。前者は王都に行って武器を特注しないといけないし、後者はまだまだいろいろな問題、処理能力や魔力量等の問題がある為、実現には時間が掛かる。しかし、この二つを出来るようになれば更に強くなる事が出来るだろう。


(酒を飲みながらゆっくりやっていこう)

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