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異世界禁酒生活  作者: 田中 太郎
第三章
79/223

79. 飲酒

 俺は魔界から帰って来てから毎日酒を飲んでいた。


「ぱぱのごはんは?」

「今日はお酒を飲むからいらないんだ」

「「また~?」」


 夕食時のそんな会話が恒例化していた。パトリシアは偶に食事と一緒に果実酒を飲んでいるみたいだが、俺のように毎日飲んではいない。俺はビールを毎日五、六杯飲んでいる。酒で腹が膨れるため、食事はしていない。


「二人の可愛さを見ながら飲む酒は最高だな」

「「えへへへ」」


 意味は理解できていないだろうが、可愛いと言われて喜んでいる二人が可愛い。パトリシアはそんな様子を冷めた目で見ながら食事をしている。

 ビールは樽で大量に購入して、地下の食糧庫で冷蔵している。飲む前には魔法でキンキンに冷やしてから飲んでいる。


(魔法がある世界で良かった。魔法が便利すぎる)


 食後は食器の片付けをしてから双子に歯を磨かせ寝かしつける。絵本を読んでいると自然と寝てくれていたが、最近はちょっと違う。


「ぱぱ、おさけくさ~い」

「くさ~い」


 今なら娘達に臭いと言われるお父さんの気持ちが痛いほど理解できる。二人はそんな事を言ってなかなか寝付いてくれなくなった。

 そこで翌日、俺は酒を飲む時間をずらすことにした。


「ぱぱ、きょうはいっしょにごはん!」


 ちょっと嬉しそうにアリスが言ってきた。そう、俺は少量の夕食を食べることにした。そして食後、双子に歯を磨かせ寝かしつけた後に、ビールを魔法で冷やし始めた。


「今日もお疲れさまでした」


 一人で呟いてからコップに口を付ける。


「かぁ~、うまい!」


 一人晩酌をする。二人が居ない静かなテーブルで酒を呷る。二人を見ながらじゃない為か、いつもより気持ち早く酔ってる気がする。


(前世を思い出すな)


 静かな部屋で寝る為に飲んでいたあの頃。今になって思う、やはり誰かと飲むから酒は美味いのだと。しかし、美味しい酒を飲んで二人に臭いと言われるか、一人寂しく飲むかで天秤にかけるとまだ後者が買ってしまう。酒を止めるという選択肢はない。


(せっかく飲めるようになったのにそれはあんまりだ)


 パトリシアは一緒に飲んでくれ無さそうだし、改めて友達の少なさに寂しくなる。酒も相まってより一層寂しくなってきてしまったので、今日は早めに切り上げて、寝ることにする。明日以降にどうにかしようと考える。一番いいのはつまみも作って楽しむ事だろうか、等と考えていたらいつの間にか眠りにつく。


(酒は飲みたいんだけどな)

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