74. 後
俺達はそのまま施設を破壊してその場を立ち去る。
「ルークは独特な戦い方をするよね」
アリアネルに言われる。
「俺は弱いから戦い方を工夫しているだけだ」
「ふ~ん」
なぜか納得していないようだが、実際そんな理由なので嘘は付いていない。
「その発想が素晴らしいんだよ」
ダニーが会話に入ってくる。
「一つの魔法しか使わない事で無詠唱を可能にし、早さを補うための移動方法、武器の構造もどれも素晴らしい」
「…ありがとう」
何故か積極的に褒めてくれるダニーに若干引きながら礼を言う。ダニーは俺の反応に関係なしにそのまま続ける。
「もし良かったら、他に考えている事を教えてくれないか?実現不可能な事でもいい」
「まあ、道中だけなら」
そんなこんなで自分の理想の戦い方をダニーに説明する。
基本は相手を惑わせてイラつかせ隙を突く戦法、もう一つは高火力で一気に攻める戦法、そして異世界で一番やってみたい戦法の幻影を使った戦法についてを話す。
幻影は、魔力で敵を感知するこの世界の人の性質を利用して、魔力操作で魔力を切り離して、そこに存在しているように見せて隙を突く戦い方だ。やり方は単純でも、空間把握や敵の動きの予想をしながらの魔力操作、同時に自分も動いていないといけないので単純に脳のキャパが足りずに制御が出来ない。その事をダニーに相談すると意外な答えが返って来た。
「君の魔力みたいにすればいいんじゃないか?」
「…あ!」
俺の魔力は体格の容量だけでは足りないと思い、亜空間、つまり別空間に貯め込んでいる。そしてそれを応用、つまり脳を疑似的に複数、仮想空間に作ればいいとダニーは言っているのだ。
「でもそれは予め行動をパターン化しておかないと結局処理できないんじゃないか?」
「…まあ、そうなるけどルークなら出来るさ!」
根拠が無さそうに良い笑顔で言ってくる。
でもダニーの考えは参考になった。予め処理をプログラミングしておいた疑似的な脳にオリジナルの脳から関数を呼び出し、値を投げてそれで処理してもらえれば、オリジナルの脳は何をしたいかを伝えるだけで後は自動で処理をしてくれるようになる。
実現できるかは不明だが、実現できれば幻影の使用だけでなく、いろいろと応用が出来る。if文、for文等々、どれをどんなふうに利用できるかしばらく集中して考える。if文はelseと組み合わせて簡単な状況判断で攻撃、for文は魔力を貯める動作やif文と組み合わせて、攻撃タイミングを指定したり。単純なプログラミングでもいろいろ出来そうでテンションが上がってくる。プログラミングの保存方法が問題だが、実現できれば相当かっこいい戦い方が出来るようになる。是非双子に見してやりたい。
(ああ、酒飲みながら考えたい)




