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異世界禁酒生活  作者: 田中 太郎
第三章
73/223

73. 時間稼ぎ

 俺はハルバードで切りつける。それを男は難なく躱す。斧と柄の部分を切り離して斧を振り回す。相手はそれを見て更に距離を取る。


「時間稼ぎか…」

「…」


 俺の作戦は相手にばればれなようだ。三人の様子を見る。まだ殲滅には時間が掛かりそうだ。

 俺の戦闘スタイルは時間稼ぎに全振りしている。今の自分に目の前の敵を倒す技術や筋肉量はない。


(さてどうするか…)


 雷の矢を発射する準備をする。今までの行動阻害の為ではなく、相手を傷つける為の攻撃だ。もちろん威力は最大にする。周囲が一気に明るくなる。相手が目を細めた瞬間に放つ。


「っ…!」


 相手は腕を前に出して防ごうとするが、雷の矢は武装を貫通していく。腕の表面を火傷させた程度だが、相手を傷つける事に成功する。

 回復魔法を掛ける暇を与えないように切りかかる。今まで防いでいた腕が使えなくなり、相手は苛立たしそうに剣を抜く。無詠唱で最大威力の雷の矢を連発しながらハルバードで攻撃をする。

 先程までの時間稼ぎではなく、殺すために攻撃を繰り出す。


「思ってたよりはやるな」

「おう!ありがとう」


 相手はまだ会話できる余裕があるが、こちらは余裕が全くない。呼吸が荒くなり、亜空間に貯めていた魔力もガンガン減っていく。


「…我らと同じ体質か?」

「さあね」


 体格以上の魔力を保有しているのがばれてしまったが、仕方ない。こうでもしないと相手を押さえつけていられない。相手がこちらに興味を示していて、本気を出していないので互角に戦えているがそう長くは持たなそうだ。


 体感時間は長かったが、実際は数分だろう。限界が来た。相手の剣が横腹に刺さる。


「ルーク!」


 アリアネルがすぐに駆けつけて相手の男と剣を交えた。俺はその間に傷に集中する。魔力操作で魔力を移動し、切られた血管を無理やり繋げる。出血を抑えてから回復魔法を自分に掛ける。


「…大丈夫だ」


 アリアネルが時間を稼いでくれた間に傷を治す。すぐに俺はアリアネルに加勢する。主にアリアネルが相手をして、隙が出来た瞬間に俺が攻撃をする。アリアネルが強いためか、相手にも段々と余裕が無くなってくる。


 そうして時間を稼いでいる間にダニーとパトリシアも片付いたらしくこちらに向かってくるのが見えた。


「時間切れか、遊びすぎたか…」


 男がそう呟いた途端、上空が暗くなる。見上げるとそこにはドラゴンが居た。幼少期に対峙した存在と同一に見える。ドラゴンは音も無く静かに着地する。


「では、また会おう」


 悪役らしい言葉を残して男はドラゴンの背に乗って飛び立ってしまった。既視感のあるあっけない終わり方だったが、どうやら俺は命拾い出来たらしい。


(ああ、酒が飲みたい)

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