69. 原因
俺達はダニーが捕らわれていた街に戻って服を買いに来ていた。ダニーとパトリシアの洋服を買うためだ。ダニーは温かいコート、パトリシアは動きやすい服が良いと言っていた。彼らの武器はダニーの小屋にある物を使うらしく、必要ないと言われた。
(なんで服は小屋のじゃダメなんだ?まあ、いいか…)
「ダニーのはこれでいいや、パトリシアのは…」
「ねえ、ダニーはともかくパトリシアは信用できるの?」
パトリシアに着て欲しい服を真剣に選んでいるとフードを深く被ったアリアネルが訪ねてくる。
「まあ、大丈夫だろ」
「…まったく、可愛いからって対応が甘すぎない?」
「でも敵意は全く無いだろ」
「それはそうだけど」
パトリシアに不信感を持つなという方が無理な話だが、こればかりはしょうがない、戦力は多い方が良いからだ。それにこれは一番重要だが、彼女は可愛い。
俺達は服を買い終えるとダニーの山小屋がある森へと向かう。待ち合わせをした場所に着くと武器を取りに行った彼らはもうすでに居た。
「武器は取ってこれたか?」
「御覧の通りばっちりだ。他の重要な資料も回収できた」
大きなリュックにパンパンに荷物か詰まっている。主に資料の回収をしてきた事がよく分かる。
「それは良かった。これ頼まれていた服だ」
「ありがとう」
二人が着替え終わるとさっそく移動を開始する。目的地はダニーしか知らない為、彼の後に付いて行く。その間に彼が考察している魔物についての説明をしてくれる。
「この世界で魔物の増え方は二通りある。一つは生殖繁殖で言葉通りの増え方、問題はもう一方の方でね…」
俺達の世界のもう一つの増え方のようにダンジョンに魔物が転移してくるのではなく、魔力を糧に生まれてくる個体がいるらしい。不明な点は多いがダニーの研究によると魔力を糧にしているのは確実だという事だ。
「え、でもそれじゃあ原因を断つことは難しいんじゃ…」
アリアネルが疑問を口にする。空気中にも微量ではあるが魔力があり、発生する魔力を断つ事は出来ない。アリアネルの言う通りだと聞いているとダニーが口を開く。
「いや、ここまでは一般的に知られている事でね。実はね…」
ダニーが言うにはその特殊な生まれ方をする魔物はある条件の場所で発生している。それは魔石が多く集まる場所だという。魔石も魔力が集まっている場所にある鉱石が変化して出来ると言われている。要は魔力が多く集まる場所で魔物は自然と生まれてくる。その特殊な条件を満たして集まる場所がここ魔界にはあるという。
「それ自体は自然の摂理で問題ない。魔物の増加量はごく少量だから。でも最近僕が把握している魔力溜まりで不自然に魔物が増えている所が複数ある」
「どういうことだ?」
「恐らく人為的に増やしている奴らがいる。心当たりもある」
そいつらと資金源をつぶして、人為的に増やす装置を壊せば自然と魔物の数は減っていくとの事だ。
(きな臭くなってきたな。ああ、酒が飲みたい)




