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異世界禁酒生活  作者: 田中 太郎
第三章
68/223

68. 合流

 俺達は予め決めておいた場所に向かい、アリアネルと合流した。


「その人達がルークを助けてくれた人達?」

「こっちのダニーはそうだ。彼女の事は知らない」

「ダニー・シムズ、よろしくね」


 ダニーが近づいてきて挨拶をする。


「アリアネルです」


 二人が挨拶している間に俺は黙っている少女の方に向く。彼女はダニーと同じ服装を着ていた。囚人服のような物だろう。それでも彼女の可愛さは損なわれていない。


「で、君の名前は?」

「……パトリシア・オブライエン」

「これからどうするんだ?」

「……」


 黙ってしまった。悩んでいる可愛い姿をまじまじと見つめる。アリアネルからの気持ち悪いものを見る目線に気付き咳ばらいをする。


「それで、僕を助けに来た理由は何だい?」


 ダニーが聞いてくる。


「俺達の世界のダンジョンで異変が起きている。何か知らないか?」

「あーそれね」


 ダニーは説明してくれた。この魔界では今、魔物の数が増えてきて人の住処を侵食し始めている。そして自然とこちらの世界へ転移してくる数が増えていたようだ。


「まあ、最初は今ほど転移していく魔物の数は多くなかったんだけどね」

「どういうことだ?」


 その状況が変わったのはダニーが捕まってからだ。彼の知識に目を付けられいろいろ情報を喋らされたそうだ。そして魔界からダンジョンに転移させる方法を知られてしまった。魔物が増えすぎている事に悩まされていたこちらの人々は、すぐに行動に出た。ダニーから教えられた場所に魔物を片っ端から押し込んでいったそうだ。そうする事で自然に条件を満たした個体から転移されていく。そして今の状況になったという事らしい。


「逃げようと思えば逃げられたのに何で相手の言う通りにしたんだ?」

「僕の居た森も魔物が増えて大変だったからね」

「なるほどね」


 全てを解決する方法が無い事を瞬時に悟る。ダンジョンの魔物を減らそうとすれば、魔界で暮らす人々が困り、今の状態を放置すれば俺達が困る。


「全てを解決する方法はないか…」

「まあ、そういうことだね」


 皆が沈黙したところである事に気が付く。


「そういや、なんで魔物は増えたんだ?」

「……なるほどそういう事か、それなら解決できるかもしれないな」

「どういうこと?ルーク」


 アリアネルは不思議そうにしているが、ダニーは魔物の増加理由に心当たりがあるらしい。その根本原因を排除出来れば全て解決できるかもしれない。


(早く終わらせて酒を飲みたいな)

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