63. 幼馴染
「ぱぱ~だれかきた~」
そんなアリスの一言で振り返る。
「……ぱ…ぱ…?」
「おう!アリアネル、久しぶりだな!」
振り返るとアリアネルが立っていた。
「「だれ?」」
双子に質問される。
「パパの友達だ」
「ともだち!」
アリスとステラがアリアネルに駆け寄っていく。
「アリスはねアリスっていうの!」
「ステラはステラ!」
「お姉ちゃんこっち!」
「あそぼ!」
二人はアリアネルを連れてどこかに遊びに行ってしまった。まあ、アリアネルに任せておけば大丈夫だろう。再会の会話は夕食の時にしようと話題を考え始める。元々陰キャだから台本が無いと会話が途切れてしまう。
「「ぱぱ~」」
夕食前に、二人はアリアネルと一緒に笑顔で帰って来た。
「ありがとな、二人の面倒を見てくれて」
「別にいいよ。私も久しぶりに癒されたし」
アリスとステラは座っていた俺の足に抱き着いて口を開く。
「ぱぱ!ぱぱ!」
「これ!もらったの!」
頭の上の花冠を大事そうに指さしながら元気よく話してくる。控えめに言って可愛すぎる。
「すごい良く似合っている。可愛いぞ!」
「「えへへへ」」
「それにしてもアリィって器用だったんだな」
「私だって女の子なんだからこれくらい出来るよ。ったく…」
心外そうな顔をされるが、俺と一緒にいた幼少期にはそんな遊びを一度もしていなかったので不思議に思う。まあ、俺と出会う前に両親から教わっていたのだろう。
「そういやアリィ、王都は大丈夫なのか?」
「…まあ、ルークには話しても大丈夫か」
アリアネルが話してくれた内容では、王都の周辺ではダンジョン内で魔物が大量発生しているらしい。低難易度のダンジョンですら中難易度並みまで難易度が上がるくらいには魔物が多いそうだ。
そしてここが一番の問題だが、倒しても倒しても減らないらしい。
「まったく、疲れたよ」
さらにそんなダンジョンでまともに戦えるのが、ベテラン冒険者以外ではアリアネル達のパーティーのみなのでこき使われていた、とぼやいている。
「アリィ、えらい!」
「アリィ、がんばった!」
何の話か分かっていないだろうが、アリスとステラがアリアネルの頭をなでなでする素振りを見せる。流石に身長差で手が届いていないが、これまた動きが可愛い。
「二人ともありがと~」
二人を抱きしめながらアリアネルが礼を言う。
それにしてもダンジョンか。魔界と繋がっているのは身をもって体験したから知っている。あの頃は自由に行き来する事が出来なかった。そして魔界で唯一その方法を知っていそうなのはダニーだ。
ダニーに何かあったのではないかと不安になる。
(何も考えずに可愛い双子を肴に酒が飲みたい)




