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異世界禁酒生活  作者: 田中 太郎
第三章
60/223

60. 帰省

 もうすぐ成人の十六歳になろうとしていた頃、双子も三歳になろうとしていた。二人の誕生日が分からないので、俺と一緒の誕生日にお祝いをしてあげるようにしていた。

 そんな中、しばらく親に会ってい無い事もあり、明日から誕生日まで領に帰る事にした。


「明日からパパのおうちに帰るぞ!」

「ここじゃないの?」

「もう一つあるんだ」


 アリスに聞かれて答える。


「それで、パパとの約束は覚えているか?」

「「うん!」」

「言ってごらん」

「「リリとリアを外で動かさない!」」


 子供の柔軟な思考のお陰か、二人は魔力操作をすぐにマスターさせていた。俺の想定よりもだいぶ早く習得してしまった。正直、転生者の俺よりも才能があった事に少し悔しい気持ちになった事もあった。

 魔力操作はこの世界では一般的ではない。それはこの世界の人々を見ていれば分かる。


(いろいろ応用出来て楽なんだがな…)


 一般的な事では無い事が出来る子供が居たら、双子を欲する人が現れてくるだろう。良い人ならば良いが、恐らく悪い人が寄ってくるだろう。そんな理由から外ではやらないように約束させている。まあ、仮に最近出来た近所の友達に見られても子供の言っている事だと大事にはならないだろうが、見る人が見れば興味を惹かれるだろう。注意しておく事に越した事はない。


(誘拐とか怖い思いはさせたくないしな)


 翌日、俺は二人と手を繋いで魔導車の駅がある隣町まで移動する。二人にとっては初めての旅だ。いろいろな物に興味を示し、いろいろ質問してくる。どう説明すれば子供に伝わるのか考えながら回答する。


(世の親は大変だよな…)


 そんなやり取りをしていると二人が疲れたのか抱っこを強請ってくる。おおよそ想定通りだ。俺は二人を抱きかかえて、周囲に人がいないことを確認して、ホバー走行で一気に進む。


「わ~、はや~い!」

「ぱぱ、はや~い!」


 二人はキャッキャッと笑いながら楽しんでくれている。そんなこんなで普通の人ではありえないが、昼前には隣町に着く。

 二人が興味を示した露店の食べ物で昼食を済ませて駅に向かう。


「おおきい、あれなあに?」

「魔導車だよ。今度はあれに乗るんだよ」


 ステラは昼食を食べて眠たくなったのか、俺の腕の中で寝てしまっているが、アリスはまだまだ元気だ。電車の中で大人しくしていてくれるようにおやつを購入してから魔導車に向かう。


「ぱぱ!ふかふか!」


 初めての物にアリスのテンションが上がっていく。最悪な事にその声で目が覚めたステラはぐずりだしてしまった。


(子育ては大変だな。ああ、酒が飲みたい…)

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