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異世界禁酒生活  作者: 田中 太郎
第一章
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6. 魔力操作の応用

 さらに数ヶ月が経ち、ハイハイができるようになってきたある日。

 ベッドから降ろしてもらい、部屋の中を探検する。生まれたときに比べ、部屋の中にはおもちゃが増えていた。父や兄姉達がたくさん持ってきてくれるからだ。何もすることがないので、メイドさんが働いてる後ろを付いて行きながら考える。


(う~ん、今日は何をするか)


 魔力操作の訓練の時間を増やしたお陰か、少し意識すらだけで体内の魔力を動かす事が出来るようになっていた。こうしてハイハイをしている間にも、手から足へ、足から頭へなど不規則に魔力を動かしている。


(魔法を出すのはまずいだろうしな…)


 前世のあるあるでは、魔法で大事なのはイメージだとよく聞く。魔力操作時に不意に魔法が発動しないように何もイメージせず、ただ無心で魔力を動かしている。


(あと、定番は…)


 ハイハイを止め、ぬいぐるみで遊ぶふりをしながら体内で操っている魔力を体外で操れるように集中する。

 まず、右腕から右手に魔力を動かし、その延長線(体外)に魔力を移動させる。ここまではいつもやっている事と大差がないのか、難なく出来た。次は切り離し。温かい餅をちぎるのと同じ要領で左手で魔力をちぎろうとする。


(あれ、これは難しい)


 左手の親指と人差し指で丸を作り、それを縮めるようにしてちぎろうとしているがうまくいかない。

 ハサミで切る感じの方がいいのではと思い、今度は人差し指と中指で魔力を切るようにしてみる。


(あ、出来た)


 出来た瞬間、集中が切れたのか、魔力は霧散してしまった。それに赤ちゃんが頭を使いすぎたんだと思う。


(やばい、寝る…)


 目が覚めた時、再びベッドの上で寝かされていた。この動作も毎日コツコツこなすしかないなと思うと同時に、またしばらくの間の暇つぶしができた。



 やはりあるあるで、魔力の扱いにはイメージが大事なんだと思う。魔力操作の時から薄々気が付いていたが、明確な動かすイメージができてからは飛躍的に扱いが上手くなっていた。よくよく考えてみなければ気が付かなかったが、魔力をちぎるときも親指と人差し指より、人差し指と中指の方が強く切るイメージが出来ていたんだと思う。

 しかし、毎回この動作をしないといけないのは不便すぎるので、手を使わずにちぎれるように練習する。


(あれ?)


 一回出来たからだろうか、ハサミで切る動作をしなくても切り離せた。切り離せた後は変わらず霧散してしまったが。さらに最初の時のようにあまり集中力を必要としていない気がする。理由は何だろうと考え始めるが、まあいいかと、深く考えることを止めた。


(出来たんだから、考察は後でいいや。今は練習をしよう)


 集中力がいらなくなったとはいえ、頭は使う。三回やった時点で疲れて再び眠ってしまった。


(ああ、酒飲みたい)

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