表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界禁酒生活  作者: 田中 太郎
第三章
57/223

57. 双子

 鳴き声の方へ近づくと、母親らしき人に庇われている赤子を見つけた。


「双子か…」


 双子は珍しい事もあってか、国によっては忌み子として扱われているという。そのため、子供を庇う為に、どこかから亡命してきたのだろう。元の国に返しても誰も喜ばない事を悟り、俺は双子をファームトイルムの教会の孤児院に連れていく事を決める。


 泣いている双子を落ち着かせる。そして整理していない残りの遺品を集めた後、遺体を焼却して遺骨を埋めて墓を作ってやる。双子が寝ている間にさっさとやる事を終わらせる。

 その後、さっそく教会へ向かう。教会の扉を叩くとシスターらしき人が現れる。


「森の中で魔物に襲われて全滅していた人が居た。唯一の生き残りのこの子達を助けてやって欲しい」

「…その」


 何やら言いにくそうにしているので、彼女が話始めるまでしばらく待つ。双子も赤子にしては大人しく眠ってくれている。

 そしてシスターが話してくれた話によると、俺が移住してくる前にこの街の隣町の周辺には盗賊が住み着いたらしく、騎士団が到着するまでに相当な人が犠牲になったそうだ。それに伴い、たくさんの子供が孤児になり、この街の孤児院に流れてきた。今の孤児院は食事も満足に取れない程に切羽詰まった状況らしい。


「見たところあなたは優秀な冒険者とお見受けします。我々が預かるよりあなたが育てた方がこの子達は幸せになれると思います」

「そんな事を言われてもな…」

「仕事を失った女性達を乳母として紹介することも出来ます!」


 この子達の将来を考えればシスターの言おうとしている事は分かる。


(断れない流れだ…)


 このままこの子達を押し付けあっても、この子達が邪魔者として扱われているようで申し訳なくなる。

 しょうがなく今日は帰ることにする。すぐに乳母は手配してくれるそうだ。双子は終始大人しく寝ている。


 双子の名前は、それぞれ首から掛けているペンダントに彫られていた為分かる。黒髪にインナーカラーが赤色の子の方がアリス、そしてインナーカラーが青色の子の方はステラらしい。名前からして二人とも女の子という事で、紹介された乳母には住み込みで働いてもらう事になりそうだ。大きな家なので、部屋数的には問題ない。

 そして数日家を空ける仕事も出来なくなるだろう。


 その後しばらくして家にやって来た乳母と話し合い、住み込みで働いてくれる事になった。金銭は子供が二人ということもあり少し多めに払う約束をした。

 乳母に子供達を預けて、俺はギルドに依頼の報告に行く。


(酒漬け生活がまた遠のいた)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ