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異世界禁酒生活  作者: 田中 太郎
第三章
56/223

56. 依頼

 家を手に入れた後、俺は精力的に依頼をこなしていた。討伐や採集、護衛など内容に依らず様々な依頼をこなしていた。


(今日は森への討伐依頼か)


 魔物の数を減らして欲しいという大雑把な依頼だが、減らし過ぎても、減らさな過ぎても生態系に影響を及ぼす。また魔物だけではなく、獣の数も考慮しないといけない。その難しい加減を任せてもらえてるくらい信頼されているという事だ。


 まず、森全体の魔物の種類、数を把握する。ここに一番時間を掛ける。これを把握していないと、どの程度討伐して良いか判断が付かない。

 そしてそこから危険度と数を考慮しながら、何を何体討伐するかを考える。ギルドから森の生態系の理想的な状態を聞かされている為、それに近づけるようにする。


(ああ、頭だけだと無理だなこれは)


 頭の中だけで計算していく事を諦めて紙を取り出し、そこにメモをしてく。討伐数が決まったのは森の調査が終わった翌日の夕方であった。


(討伐は明日かな)


 この依頼は報酬はいいが準備期間に大きな時間を掛ける為、依頼終了まで一週間以上は掛かる。その為か、頭を使う為か、あまり人気がない。誰も依頼を受けないようなら軍や騎士団に依頼が行くので問題無いが、ギルドとしても冒険者への依頼の方が安上がりなのだ。

 俺は金さえ稼げればいいので、ギルドともお互いの利害が一致していた。


(仕事が無くならないのはありがたい事だ)


 この仕事を優先的に回してくれているので、俺の仕事は安定している。前世の就職事情を考えるとこちらの世界で金を稼ぐ方が楽だ。


(ま、親の教育もあるだろうが)


 前世では当たり前の教育もこの世界では稀なことだ。貴族や商人でない限り読み書きや計算が出来ない。魔道具も便利だがどうやって動いているか分からない人が殆どだろう。

 両親や生まれた環境に感謝しつつ、眠りにつく。


 翌日、俺は森へと魔物討伐へ向かう。何を討伐するかは頭の中に入っている。


(面倒くさい相手から倒すか)


 体力のあるうちに強力な個体を討伐し、その後に弱い個体を順番に倒していく。油断は禁物だ。危険度の低い魔物でも油断すれば死ぬ可能性がある。

 慎重に確実に魔物を討伐していく。


(…なんだ?)


 依頼ももうすぐ終わりとなる頃、戦闘音が聞こえてくる。魔物に襲われている人が居るなら助けようと、様子を伺いに音のする方へ向かう。


(…遅かったか)


 駆けつけた時には最後の一人と思われる人が魔物に切りつけられていた。せめて遺品だけでも回収してあげようと、俺は武器を構えて魔物を殲滅する。

 魔物の危険度的に俺の相手ではなかった。それ程時間が掛からずに討伐を終える。


(盗賊みたいだな…)


 死体に囲まれながら遺品をあさっているとそんな考えが浮かんでくる。やましい事をしている訳では無いが、早く終わらせようと戦闘で散らかってしまった物を集め整理していく。荷物を見て推理をしてみたところ、どうやら彼らは他国の貴族らしい。


「...ホンギャア~ オンギャア~」


 全滅していた思っていたが、生き残りが居たのか鳴き声が聞こえてきた。面倒ごとになりそうだと思いながらも見て見ぬ振りが出来ずに鳴き声の方へ近づく。


(ああ、帰って酒飲みたい)

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