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異世界禁酒生活  作者: 田中 太郎
第三章
54/223

54. その後

 魔界から帰ってきた後、俺は学園に行くことを止めた。

 実質死亡扱いになっていたらしく、一年目からやり直しらしい。人見知りなので今更戻っても前みたいに話せるイメージが湧かなかった。


(ぼっちは嫌だな)


 そんな感じであっさり辞めてしまった。後悔が無い訳ではないが、しょうがないと思っている。アリアネルにはすごくがっかりされてしまったが、正直に気持ちを話したら納得してくれた。


(私も辞めると言い出した時はびびったが)


 そんなこんなで、今は冒険者をしている。もう貴族にはなれないので、将来は軍隊にでも入るか、このまま冒険者でやっていこうかと思っている。戦うのが嫌だと思っていた幼少期が懐かしいし、あの頃からは想像できない選択肢だろう。


 成人する十六歳までは好きに過ごして良いと父に言われていたので、好きに過ごしている。しかし何をするにもお金が必要なので、冒険者として稼いでいる。拠点を持たずに国内のいろいろな場所を回っている。行った先々の有名な酒に目を付けながら、生活している。拠点が出来たら倉庫を買って、酒を集めようと計画をしている。成人後の楽しみの為だ。



 今日も討伐依頼をこなしていく。依頼内容は増えすぎたゴブリンの討伐だ。今まで一人での狩りが多かったので、一人でも難なくこなせた。

 討伐部位をゴブリンから切り取って、帰りながら考える。


(やっぱ拠点は水が綺麗な所が良いのかな)


 何の知識もないが、食べ物も飲み物も水が綺麗な場所が旨いイメージがある。

 そこで良い場所を見つけた。ファームトイルムという街だ。水や空気が綺麗な田舎である。田舎の為、家も安く今日の依頼で家を買う目標金額が貯まる。明日にでも購入しに行こうとしている。


(これで酒を買っても置いておく保管場所が出来た)


 依頼で家を留守にするため、酒を保管する場所としての機能しか期待していない。食料の保管室を改装して、酒を長期保存できるようにしようと計画を立てながら、歩いているとギルドに着いた。扉を開き受付に向かう。


「依頼完了だ。確認してくれ」

「お前の仕事を疑っちゃいねえよ」


 あまり確認せずに金を渡してくる。信頼されているのは嬉しいが、もう少し真面目に仕事をした方が良いのではないかと思う。


「ちゃんと仕事しろよな」

「うるせえ、こっちは忙しいんだよ。確認が終わったらさっさと帰れ」


 そんなやり取りをしてギルドを後にする。他の冒険者は酒場で飲み食いしているが、気にせず宿に戻る。酒が飲めない年齢の今、楽しみは宿の食事だけだ。食事の美味しさで宿を選んだ為、少し高めだがそこは納得している。どんどんテンションが上がっていき速足になっていく。


(でも酒が飲みたい)

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