53. キャロリンの苦悩④
ルークが居なくなった。
急にそんな噂が広がった。学校が嫌になっただの実家から勘当されたなど、いろいろな噂が広がった。
私自身、真実は分からなかったが、友人のアリアネルが全ての噂を否定していた為、それらの噂を信じていなかった。
「ダンジョンに探しに行ってくる」
数日後、暗い顔をしたアリアネルがそう言って、毎日ダンジョンに通うようになった。冒険者ギルドや武器屋に聞き込みをし、最後にダンジョンに行っていた事は分かっていた。
毎日隅々まで探しても何も手掛かりすらないらしく、すっかり元気が無くなってしまったアリアネルを元気づける。
「大丈夫よ。そのうちふらっと帰ってくるわよ」
「…だと良いけど…」
しばらく経った後、心配したイアンが提案してきた。
「俺達も一緒にダンジョンに行こう。あの状態じゃアリィも危険だ」
リチャードとソフィーも賛成し、皆で行くことになった。不謹慎かもしれないが、ダンジョンは初めての為、少しわくわくしていた。
しかし結局人数が増えたところで、何か手掛かりが見つかることはなかった。
学年末、ルークは戻ってこなかった為、留年した。学園では、通っている途中で生徒が死亡することはよくある事らしく、実質死亡扱いとなっていた。
元気のないアリアネルを見て、必死にダンジョンについての記憶を呼び起こす。なかなか思い出すことが出来ず、アリアネルを誘って図書館に通うことにした。
「まずは情報を集めましょう!」
「…そうだね、ありがとうキャリー」
そうして過ごすうちにある事を思い出す。裏技なのか、RTA走者用なのか知らないが、ある一定の条件を満たすとダンジョンが魔界と繋がる事があると。
「ありがとうキャリー!」
そう言い残すと長期休暇にアリアネルは魔界へと向かうようになった。流石に私達のレベルじゃそこまで付いて行くことは出来ないので、悔しい思いをしながら帰りを待った。
そんなある日、二回目の魔界遠征後にニコニコした様子でアリアネルが帰って来た。冬期休暇の後の春の陽気によく合う笑顔だった。
「ルークが見つかったんだよ。情報くれてありがとねキャリー!」
「…そう、よく無事だったわね」
「親切な人が助けてくれたんだって!」
そんな話を聞きながらふと疑問に思ったことを尋ねる。
「それでルークは?」
「ああ、学園を退学したからここには来ないよ」
衝撃的な話だった。勇者一行の一人が居なくなってしまった。今後ストーリーがどうなっていくのかしばらく考えられなくなるぐらい衝撃的な事実だった。
(…え?なんで?)
二章を最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
面白かった、気になった方はぜひブックマークの追加、評価をお願いします。
また、もう既にブックマークの追加、評価をしてくださっている方、ありがとうございます。日々のモチベーションに繋がっています。




