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異世界禁酒生活  作者: 田中 太郎
第二章
48/223

48. 街

 久しぶりにベッドに寝転がる。睡魔に抗えずその日はすぐに眠りにつく。

 翌日、フードを深めに被りながら街を探索する。大通りには屋台が並んでいて、賑わっている。

 屋台で牛串焼きのような物を購入し、食べながら歩く。


 街を見ていて少し気になる事がある。完全武装した兵士達を多く見かける。彼らが俺の進行予定の方向に向かっているので注意深く観察していると屋台のおばさんに話しかけられる。


「旅人かい?隣国と近々戦争が始まるらしいからね。少し騒がしいのさ」


 魔界にも、もちろん国はある。ここは一番大きな国で二ルクス帝国と言う。ここの街はその国にあり、スレフ辺境伯領という場所にある。聞くところによると隣国としょっちゅう戦争しているらしい。

 今回もそれの準備らしい。


「レッドクリフィアに行こうと思っているのだが、大丈夫そうか?」

「今は無理だね。なんせ其処との戦争だからね」


(まじか…)


 レッドクリフィア公国から仕掛けてきてるらしい。一度目の侵攻を防ぎ切り、今度は攻め込んで牽制するらしい。何度も向かってこられるのは迷惑だから力の差を見せつけるらしい。

 勝てる戦の為、兵以外は緊張感がないらしい。

 時間が掛かるのは嬉しくない。こっそりと行ければ良いが、最悪少し遠回りしなければならなそうだ。


「ありがとう」


 礼だけ言うと、その場を立ち去る。

 今日の一番の目的地に向かう。魔界の冒険者ギルドである。ギルドへの登録はダニーの所に居る時に済ませてある。少しでも稼ぐ為に素材の買取をしてもらおうと考えていた。

 酒場のような見た目の冒険者ギルドに入り、受付に向かう。


「素材の買取をしてほしい」

「どれだ?」


 道中採取した薬草や魔物の素材を渡す。査定が終わったのか、こちらを向いて口を開く。


「こっちは買い取れるがこれらは無理だ。全部でこれくらいだ」

「それで大丈夫だ。頼む」


 想定より少ないが金を受け取りそのまま質問する。


「今、レッドクリフィアに向かいたいんだが方法はあるか?」

「来週から進軍が始まる噂があるからそれまでなら向かえるかもしれないが、止めといた方がいい」

「やはりそうか。ありがとう」


 明日、準備が整ったらこっそり行く方がいいみたいだ。俺は計画を立てながら冒険者ギルドを後にする。

 下見の為に高い塔に上る。街全体と、前方に森と草原が見えた。草原で兵たちが進軍の準備をしている。


(予定通り、森側を進むか)


 スパイと疑われないようにさっそく出発する為、当初の計画より急ぎにはなるが、道は問題なさそうだ。


(今日は早く寝よう。酒も飲みたいな…)

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