47. 山小屋生活
朝起きると、まずランニングをする。その後素振りをしてシャワーを浴びる。キッチンに向かい、朝食の準備をする。パンとスープ、ベーコンのような肉を焼く。朝食の匂いに釣られてダニーが起きて来たので、一緒に食べる。
朝食の片付けが終わった後は、部屋の掃除だ。書類や本をある程度まとめて整理するために、この世界の文字を教わりながら整理していく。
その間ダニーは何やら計算をしながら頭を悩ませている。一度見せてもらったが、全く理解できなかった。
ある程度片づけたら昼食の準備だ。簡単なもので済ませる。ダニーは食に興味が無いのか、出されたものに文句を言わない。
午後は外套を羽織り森に出る。少し進んだ先に街があるのでそこに向かう。フードを深めに被りながらいろいろな情報を収集したり、食料を買ったりする。最近は言葉も喋れるようになってきたので普通に行動できるようになってきた。最初の方は遠くから聞き耳を立て会話から言語を学習していた。
(大変だったな)
そんなことを思い出しながら、用事を済ませる。帰りは適当な魔物や動物を狩りながら進む。山小屋に着いたらまた素振りや筋トレをする。そして夕食を作り、風呂に入り寝る。
そんな生活をもう一年以上していた。居心地が良くて思ったよりも長居してしまった。ダニーとは年が相当離れているが、友達のような関係になれたのも大きい。
しかし俺は人間界に帰る事を決意する。
「ダニー、俺は明日、ここを出ていこうと思う。今まで世話になった」
「そうか、…短い間だったけど楽しかったよ」
この世界の知識や言語をある程度習得し終えたので、身元がバレずにこの世界を旅する事が出来るだろう。
「くれぐれも身元がバレないようにね」
「ああ、本当に世話になった」
翌日、外套を羽織り山小屋を後にする。
なるべく村や街には寄らずに森の中を進んでいく予定だ。ダニーと一緒に道を選び、今日までに全ての道を暗記してきたので問題なく進めるだろう。
数週間、予定通りの道を進んでいた。
途中、魔物の群れを倒したりもして大変な旅路だったが、ようやく一度目の休憩場所の街が見えてきた。宿のベッドで休息をとる予定である。
山小屋の近くの街とは比べ物にならない大きさの街だ。小さい街だと人数も少なく注目されるかもしれないが、ここのように大きければ、その問題もないだろう。
宿の場所もダニーから聞いているので迷わずに向かうことが出来た。
「食事はいらない、二泊させてくれ」
「はいよ、銅貨五枚だ」
餞別にとダニーから貰ったお金を渡す。無いだろうが、戻ってくることがあればダニーに相応のお礼をしないといけないなと思いながら指定された部屋に行く。
(ああ、酒が飲みたい)




