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異世界禁酒生活  作者: 田中 太郎
第二章
36/223

36. キャロリンの苦悩③

 ゲームのストーリーは忘れている部分も多いが大枠は理解しているつもりだ。


 魔物討伐遠征で向かう先の魔物の種類は馬車の中でルークに聞いたので、本来居るはずのない上位種が現れた事に驚愕していた。

 本来、王都周辺に上位種の魔物が現れるようになるのは、アリアネルが途中入学してくる三年からだ。そこから物語は始まるはず。


(早すぎじゃない?)


 もう既に物語は始まってしまっているのだろうか。

 そんなことを考えながら王都への馬車に揺られる。このままではアリアネルが成長しきる前に魔王が攻めてくるのではないか。アリアネルが強い事は分かったが、勇者として覚醒しているかは分からない。ゲームだと数年後の話だ。確認方法も分からない。


(私が、覚醒を促すイベントを作った方が良いのかしら)


 こうもゲームと違う進行状況だと誰か他の転生者が何かしら画策していると考えるのが妥当である。ゲーム本来のシナリオに戻すためにこちらも動かないといけないのではないか。

 そのためには攻略対象とパーティーを組んでダンジョンに潜ったりし、特別な道具を集めなくてはいけない。

 ルークやアリアネルはまだしも、他のメンバーはまだ身体も出来上がっていないし、ダンジョンに潜るには弱すぎるし危険だ。何ならスライムで幼少期から淡々とレベル上げをしていた私の方が強いぐらいだが、強い魔物をあまり倒した事がないので私は戦力にならないだろう。楽だからとスライムでレベルを上げた付けが回って来たように思える。ただ今更他のモンスターを相手に鍛えるには時間的余裕があるのか分からない。


(何か良い方法はないかな)


 ゲームの内容を片っ端から思い出す。


(攻略サイトにRTA用のレベルアップ方法が載っていたのに、思い出せないよ~)


 攻略サイトのRTA走者用の内容を自分には関係ないと、見なかった事が悔やまれる。


(そもそも、なんで私がこんなに悩まされないといけないのよ。私悪役令嬢よ!)


 段々とイライラしてくる。本来自分はストーリーに関係のない人物のはずだ。解決策や今の状況の整理が出来なくて徐々に投げやりな思考になってくる。


(ストーリーが進んでいるなら、ゲームの強制力でアリアネルも覚醒するだろう、きっと)


 こんな事に煩わされずに、好き勝手に生きたい。


(王都に新しく出来たケーキ屋さんに行きたいな…)


 現実逃避をして考えるのを止める。ここはゲームの世界だが現実だ、最悪偉い人達が国の為に何とかしてくれるだろうと強制的に楽観的に考えようとする。


 しかし数週間後、ある会話を耳にする。


「ダンジョンに行こうと思っているんだ」

「なんで?」

「いやちょっと欲しいものがあってな」


 ルークとアリアネルが話している。王都近郊のダンジョンには、勇者候補だけが採取可能になる覚醒者用の指輪があるはずだ。話の内容的にストーリー通りになるのではと自然とテンションが上がり会話に入っていく。


「なになに、アリィにプレゼントでも送るの?」


 ゲームの強制力によって、他の転生者さんが何かしようと関係なくストーリーが進んでいくことが分かり、自分はまた好き勝手生きていこうと心に決める。


(私の第二の人生。好きに生きてやる!ああ、ケーキ食べたい)

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