30. 勉強会
待ちに待った勉強会の日がやって来た。
(今日で友達を作るんだ!)
気合を入れて空き教室へ向かう。一番最初に行っても気まずいだけだろうから、少し遅れて集合場所の空き教室へ向かう。
予想通り、もうすでに全員揃っているようだ。
「ごめん、遅れた」
「ホントだよ。今呼びに行こうかと思ってたよ」
アリアネルに注意される。
見渡した所、この部屋には四人が座っていた。アリアネルと他三人。女子二人と男子二人。俺が居なきゃ合コンみたいだ。
(えっと、誰だっけ…)
同じクラスの人だが名前がうろ覚えだ。
「初めて話すよね、えーと、左からキャロリン・ボルドリー、イアン・ジョンソンとリチャード・タクステディア」
アリアネルが気を利かせてみんなを紹介してくれる。
「キャロリン・ボルドリーよ、キャリーって呼んでね」
「イアン・ジョンソンだ。イアンと呼んでいいぞ」
「僕はリチャード・タクステディア。ディックと呼んでくれ。これからよろしく」
「ルーク・ブルスジルだ。みんなよろしく!」
(全員貴族なのか)
話を聞くとキャロリンは財務大臣の娘、イアンは騎士団長の息子、リチャードは第二王子らしい。そうそうたるメンツだ。
辺境伯の俺はまだしもアリアネルの場違い感がすごい。
(容姿だけだとアリアネルは貴族なんだけどな)
みんな身分が高いはずなのに、気安い感じで話しかけてくれる。とても良い奴らだ。途中キャロリンに変なことを聞かれたが、他は滞りなく進んでいく。
そろそろ休憩しようとなったとき、アリアネルに話しかけられた。
「そういえば、ルーク、冒険者をやってる事は両親に言ってあるの?」
「いや、行ってない…」
「へー、冒険者か。ルークは強いのか?」
イアンが反応する。
「アリィよりは弱い」
「えっ!アリィってそんなに強かったの?」
キャロリンが急に話に入ってくる。まだ剣術の講義でも型の練習しかしていないので、知らないのも無理はない。
「アリィはドラゴンと互角に戦えるからな」
「そんなこと言ったらルークもでしょ」
「いや、俺は一対一は無理だ」
「嘘だ~」
「ホントだって」
ふと周りを見るとみんながポカンとしている。まあ最強生物のドラゴンだからな。
「辺境伯領ではそのくらい強くないと、通用しないのか」
リチャードが一人納得していた。
途中そんな話もあり、和気あいあいとした雰囲気で勉強会は進む。もちろん、ちゃんとまじめに勉強もしている。分からないところを遠慮なく聞きあったり、友達って感じだ。
夕方になり解散することになった。
「じゃあみんなまた明日!」
「またな~」
男子寮と女子寮は別々のため、リチャードとイアンと帰る。
「アリィとはどんな関係なんだよ」
「ただの幼馴染だよ」
そんな会話をしながら領に帰る。今日ですっかり仲良くなれた気がする。今日はぐっすり眠れそうだ。
(いつかみんなで飲み会をしたいな)




