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異世界禁酒生活  作者: 田中 太郎
第一章
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3. 魔法

 異世界に転生してから数ヶ月が経ち、首が座って来た頃。

 何もすることが無いので、魔力を動かしてみようと思う。


(異世界転生といえばこれだよな)


 数日前、暇すぎて手をバタバタ動かすという意味のない暇つぶしをしていた時、手をベッドの端っこにぶつけてしまった。痛くてちょっと泣いていた時に母が何かを唱えて、回復魔法のような何かをかけてくれて、痛みが引いていった。その時、この世界には魔法があり、目に集中すると母の体内に魔力があることを発見した。

 前世は別に中二病とかではなっかたが、実際にそうゆうものを目にすると、ワクワクしてくる。他にどんなことができるのか想像してニヤニヤしてしまう。


 目を閉じ体内の魔力を感じることに集中する。体内に何か暖かいものを感じる。血液のように体内を駆け巡るわけではなく、その場に留まっているだけだが確かに存在することを感じる。


 生後間もない赤子が全力で集中するからだろうか、気が付くと疲れて眠ってしまっている。継続は力なり。毎日毎日コツコツと続けている。その甲斐あってか、しばらく集中していても寝落ちしなくなっていた。成長を感じられてだんだんと楽しくなってきた。ここまで来たら次は魔力操作だろうな。


(とりあえず定番通りやっていくか)


 動けと念じてみる。少し動いた気がする。しかし、少し動かしただけですごい疲労感に襲われいつの間にか眠ってしまっていた。これもコツコツと地道にかな。


 しかし、ここまでしてきて客観的に考えてみると、この赤子はものすごくよく眠る子ではないかと、怪しまれていないか心配になる。


(でも、赤ちゃんなんてこんなものか)


 寝るのと泣くのが仕事だしなと納得する。兄姉達も毎日来て遊んでくれているし、特に怪しまれてる所は無いと思う。転生者やいろいろな知識を持っている事がばれて、神童とか言われても面倒くさい事にしかならないと思うから隠しておこうと思う。異世界あるあるで隠しきれずにいろいろな事に巻き込まれるのかなと不安になる。


(この世界の常識がわかるまでコソコソとやっていこう)


 コソコソと練習に励むが、魔力を動かすのは想像以上に難しかった。少し動かすと疲れて眠ってしまう。食後の運動として行っているので、眠ってしまっても特に怪しまれることなどはないと思うが、道のりは長そうだ。変わらない日常の中でコツコツと魔力操作をしながら、今日も眠りにつく。


(ああ、酒飲みたいな)

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