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異世界禁酒生活  作者: 田中 太郎
第一章
24/223

24. サンダーアロー

 俺は研究や考察が好きだ。これは前世の趣味嗜好が反映されているのだろう。


 魔法を教わった時から考えていた。詠唱により実戦でも使用できるようになった魔法だが、無詠唱で行えるに越した事はない。一つの魔法をひたすら練習し続ければ、無詠唱で行使できるのではないかと思っている。現に使用人の中に生活魔法を無詠唱で行えるものは珍しくない。

 俺はそれを中級魔法で行おうと思っていた。問題はどの魔法にするかという点。習得に時間が掛かるので慎重に選ばなければならない。使いやすい遠距離の攻撃魔法で屋内でもある程度は使える魔法がいいと思っている。近距離は武器で対応出来るからだ。


(…サンダーアローかな)


 雷で高威力だし、相手を倒せなかったとしても痺れさせてしばらく動け無くする事も出来る。威力を落とせば、火よりは屋内でもある程度は使えるだろう、…自信はないので恐らく大丈夫かな程度だが。

 まあ、いかにもな理由を並べたが本当の理由は違う。


(雷…かっこいいよな!)


 そんなわけでサンダーアローを無詠唱で行えるようにしようと思う。

 まず取り掛かったのは、魔法を別々にすることだ。本来のアロー系の魔法は詠唱している間に矢が生成されていき、詠唱が終わると同時に発射される。他の遠距離系もこのような感じだ。その流れを分割する。矢の生成と発射である。

 これを行う為にアロー系の魔法の詠唱を見比べて同じ箇所を探す。属性、生成、発射を表す単語はすぐに分かった。

 そして、ひたすら雷の矢を生成する。自在に大きさ、威力を無詠唱で操れるようにひたすら生成する。それが問題なく無詠唱で出来るようになったら、発射も無詠唱で出来るようにひたすら練習する。ある意味力技だが、これが一番効率がいいだろう。


 五年間それを続けることで、無詠唱で素早くサンダーアローが放てるようになっていた。もう少し慣れれば、もっと早く放てるだろうがそこは練習するしかない。他の魔術も無詠唱で発生させるにはおそらく同じぐらいの年月が掛かるだろう。異世界あるあるのように全ての魔法を無詠唱で行うのは夢のまた夢だろう。人間を辞めなきゃ出来ない。


 そんな力技で習得した魔法を試す時が来た。

 作戦開始は夜明けと共に、最低でも日中は引きつけといて欲しいと言われている。崖の上から双眼鏡を覗き、離れた場所に寝ているドラゴンを観察しながら夜明けを待つ。周りはアリアネルに警戒してもらっている。


(生で初めて見たがでかいな、それに堅そう)


 絶対に倒すことは無理だろうと瞬時に確信する。ここからでも威圧感が伝わってくる。

 徐々に周りが明るくなり始めたので、俺はアリアネルの方を向く。お互いに頷き行動を開始する。無詠唱でも出来るがアリアネルがいる手前、俺は詠唱を開始する。雷の矢が生成され始める。

 詠唱の終了と共に最大威力で生成された矢がものすごいスピードで放たれる。数秒後、大きな音と共にドラゴンに着弾したのを確認する。作戦開始だ。ここからはお互いに別行動である。


(勝利の美酒があればもっと頑張れるんだけどな)

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