223. 交渉
俺は邪魔する兵を殺しながら、指揮官の元まで駆けていた。俺に付いて来れているのは智花だけだった。智花は能力を使って俺の後ろを追ってきていた。俺は必要無いと思っていたが、本人がやる気なので止めないでおいた。それに智花が居れば相手の長と交渉が出来るかもしれない。
俺は敵陣を堂々と敵を切り裂きながら進んで行った。
「お前が指揮官か?」
「隱ー縺??」
「……ってこいつに聞いてくれない?智花」
智花が聞いてくれた。彼がこの軍の指揮官らしい。取り敢えず、一時休戦をして軍を止めてもらった。俺が従わないなら皆殺しだと、通って作った死体の道を指さしながら言ったら素直に従ってくれた。俺は指揮官に被害甚大により、進軍を中止したと上司に報告するよう指示をした。このまま睨み合いをしていれば、幾らか時間が稼げるだろう。
俺はそのまま後ろを振り返って死体に手を合わせた。
「そう言えば、智花はもうこの匂いは大丈夫なのか」
「全然、吐きそう」
「そうだよな。こういうのは慣れちゃだめだよな」
俺達はそのまま集落に戻った。集落の長に話を聞くためだ。どんな状況か俺はまだ良く分かっていない。
俺達が集落に着くとそこは殺伐とした雰囲気に覆われていた。俺がそんな様子を眺めていると一人のおばあちゃんが智花の元にやって来た。そのおばあちゃんと智花は会話を始めた。おばあちゃんが何を言っているのかは分からなかったが、智花の言葉から大体の事は察せた。智花は今の敵軍の様子を話していた。話が一段落したところで俺は会話に入った。
「話しているところ悪いんだが、この集落の現状を教えてくれないか?」
「そうだね。私も良く分かっていないんだけど…」
智花は先程集めてくれた情報を話してくれた。
まずこの集落の地面の下には遺跡があるらしい。見た者は居ないが、伝承によって伝わっているそうだ。ここに住んで居る人達はそれを代々守護しているそうだ。
そしてそれはやって来た。隣国の兵士がこの土地に進軍してきたという。最初の方は少数だったのでこの集落の英雄により守る事が出来ていた。だが、前回の襲撃で集落の英雄が死んでしまった。敵の長と相討ちだったという。長を倒した事で敵が引いてくれたという。だからいきなり現れた俺達をとても警戒していたという理由があったらしい。
「敵は諦めてくれる気配無いよな」
「そうだね」
「決死の覚悟で攻められたら、次は本気で戦わないといけないのか…」
(何だかまたしても面倒事の予感がする。酒飲んで寝たい)




