17. 正しい魔法の知識②
前回の話をまとめると、発生する魔法のイメージ、詠唱、距離に対する込める魔力量の感覚で魔法は行使出来るみたいだ。魔法の訓練については一つ目と三つ目を主に練習するらしい。
魔法にも難易度があって、生活魔法、下級、中級、上級とある。魔力量の問題で一人の人間が行使できるのは最高でも中級までらしい。中級、上級魔法は主に複数人で行使するのが普通らしい。俺は亜空間に余分な魔力を溜め込んでいるからそこらへんは工夫でどうにかなるだろう。
「じゃあ、さっそく生活魔法を試してみましょうか」
生活魔法のファイア(火をつける魔法)を指先に出してみてと言われる。ゼロ距離なので詠唱とイメージだけで発動するらしい。試しに言われたとおりに詠唱してみる。すると指先に小さな火が一瞬出てきた。少しずつテンションが上がっていく。
(これぞ異世界、これぞファンタジー!)
ついでにウォーター、ハード、ライト、ダークとすべての生活魔法を試す。全てゼロ距離なので詠唱すれば簡単にできた。
「次に体から少し離して発動させてみて」
言われた通りにしてみるが、距離分に込める魔力が足りないためか詠唱だけではうまく発動しない。次に距離分に込める魔力も意識して詠唱すると体から少し離れた場所に火が一瞬現れた。
(これは難しい。込める魔力の量がわからないし、集中力がかなり必要だ)
また、込める魔力が多すぎたりすると予期せぬ場所に魔法が現れたり、違う現象が引き起こされるそうだ。ひたすら練習しようとしたが、子供の魔力量は少ないので母からストップがかかる。初日はここまでらしい。
夕食後、部屋の中で昼に気が付いたことを試してみる。
ここまでいろいろな事を教えられたが、この世界の人は体内の魔力を動かすことをしないらしい。俺はそのために数値化された物が複雑な形をしてしまっていて、それを体系化させたからいろいろごちゃごちゃになってしまったのではないかと予想する。
(だって、最終的には全部感覚でこなすことになるじゃん)
それを証明する為にまず、いつも通りに魔力を手に集め切り離す。少し遠くへ動かし、その魔力に向かってウォーターの詠唱をする。すると水が生成され床に落ちた。
(今日の説明は二つのことを同時にやろうとしていたのか)
この方法なら詠唱の方にのみ集中すればいいらしく、昼間よりも楽に魔法行使が出来た。魔力の切り離しについては幼少期から行っているので速度に問題はない。これなら実戦でも使い物になるだろう。
あと魔法行使の方法はもう一つある。それが魔道具である。こちらも研究が進んでいて、高価だが生活魔法程度なら再現できているらしい。実戦への投入はまだまだ先らしい。
そんなこんなで二年間きっちり鍛錬をして、今では中級まで難なく使えるようになった。母の前では下級を少し使える程度に留めている。やりすぎはよくない。
(ああ、酒が飲みたい)




